DISC REVIEW
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嘘は真実を交ぜ込んだほうがより嘘としての完成度を増すというが。18世紀に実在したとされる女海賊のアン・ボニーとメアリ・リードを主人公に、FATE GEARがここに描き出したひとつのフィクションは、壮大にしてドラマチックなストーリーを生み出したと言えよう。21年1月に発売されたコンセプト・アルバム『The Sky Prison』、その前日譚にあたった前作『Killers in the Sky』に次ぐ今作は、Mina隊長(Gt/Ba/Composer)いわく"さらにその「間」を埋める物語"であるとのこと。もはやロック・ミュージックの域を超えて、映画サントラ的な要素さえ含んだこのサウンドは、エンターテイメントとしての完成度が非常に高い。ブックレットで読める隊長執筆の物語も併せてご堪能あれ。 杉江 由紀