DISC REVIEW
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"三人寄れば文殊の知恵"という言葉そのままに。各メンバーがソロ・ワークスやアナザー・プロジェクトなどを常日頃から抱えていながらにして、彼らがいざメトロノームとして動くときには絶対的な確率でそこにしかありえないものが生まれていくことになる。特に約7年の活動休止期間を経て2016年に再起動を果たしてからの昨今は、以前にも増して3人それぞれの持ち味がヴィヴィッドに作品へ反映されるようになった印象があり、その点は今作においても相当に顕著だ。これはテクノ・ミュージックの血統を確実に受け継ぎながらも、ロックはもちろんのこと、曲によってはフォークなどのニュアンスまで噛み砕きながらすべてを呑み込み自らの血肉とする彼らの、希有な真髄と醍醐味が改めて濃く凝縮された1枚なり。 杉江 由紀