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COLUMN

ESKIMO CALLBOYのいきなり!チャラアゲ伝説。 vol.18

ESKIMO CALLBOYのいきなり!チャラアゲ伝説。 vol.18

ESKIMO CALLBOY、"Hurricane Festival"にて by Kevin Ratajczak
 
毎年この時期だよな。ようやく冬の最後の日々が終わって、去年の服がもう着れないことに気づくんだ。
でもそんなのクソ喰らえだ。太陽があればなにはともあれグレイトな気分になれるし、ジーンズがワンサイズ大きくなったところで一時的な問題にすぎない。夏がやって来る。どんなミュージシャンにとってもお気に入りの時期だ。
さあ、フェス・シーズンの始まりだ。
だけど残念なことに、今年は天気の神様がよからぬことを企んでいるんだ。濡れたり泥まみれになって踊ったりするというのはいい。格好なんてもう気にならなくなって、抑制が効かなくなってからが本当のパーティーの始まりだからね。でも雷にやられるのはまた別問題だぜ。実際今年はもう何回かそういうことが起こっているんだ。そんな状況がみんなをちょっと居心地悪くさせている。そんなこんなで、数週間前にあった"Hurricane Festival"での俺たちのストーリーを話そう。
 
"Hurricane Festival"はドイツ有数の規模を誇るフェスで、様々なジャンルのアーティストがたくさんフィーチャーされるんだ。そして俺たちは長い間自分たちの出番を待っていた。
俺たちのフェスのルーティンはいつも同じ。ショーの前夜にバスにピックアップされると、ものの数分でフェスのムードに突入だ。DJ Pascalと、あいつの作るジン様が最善を尽くして手助けしてくれる。実は、メンバーにはほぼ毎日会っているんだ。毎日新しいアルバム作りをしているからね。でもフェス・ウィークエンドの始まりはいつも違うんだ。いつも新しい冒険に最高の仲間たちと繰り出している。
小さなバスでパーティーをやった翌朝俺は自分の寝台から出て、まずはどうして自分が下着のパンツを裏返しに穿いているのか考えた......でもきっといいパーティーだったに違いない。だけどバスのドアを開けたときに見た景色はあまり楽しいものじゃなかった。なにもかも濡れている。びしょ濡れって感じ。地面も、ステージも......前の日の暴風雨にほぼすべてがダメージを受けていた。そして俺たちのショーまでに修理が終わるかもわからない。畜生......これは望ましいフェスの始まりとは言えない。
そこでみんなでバックステージのエリアに集まる。こういうニュースに俺たちのムードが影響されるわけにはいかないと決めた。すべて大丈夫になるはずだと。それから数時間は他のステージでやっている他のバンドをチェックしたり、仲の良い奴らと再会したり、ビュッフェで新しい仲間を作ったりして過ごした。
そうしたら最新ニュースが飛び込んできた。すべて修理された。俺たちのショーは決行できる。ショーの本番まであと2時間だ。みんなひたすらビビッている。DJ Pascalがイケてるビートをかけ、俺たちはゆっくりとショーの準備を始める。
でもさっきも言ったけど、天気の神様は今年はクソったれだから、ステージに上がる直前にフェスの会場にものすごい暴風雨がやってくる。空は真夜中みたいに真っ暗だ。なにもかもが稲妻でランダムに照らされていく。この世の終わりのような気がしてしまう。そして俺は、1曲目をメタル・ミュージックにしたのが果たしていいアイディアだったのか疑問に思い始める。もしかしたら神様は俺に怒っているのかも知れない。
これまでだ。俺たちのショーはキャンセルになった。俺たちはバスに戻って、機材は全部トレーラーの中に戻した。みんなとにかくまいっている。気分のアップダウンだけじゃなくて、今日はクルーが二度もステージをセットアップしなければならなかったからね。あいつらはステロイドを打った状態のArnold Schwarzeneggerよりも早く筋肉を発達させていた。それなのにすべてが無になってしまったんだ。
 
(続く)

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