LIVE REPORT
LEIWAN
2025.01.18 @日比谷公園大音楽堂
Writer : 長澤 智典 Photographer:ポテ ヤマムラ
LEIWANのメンバーとして活動中の澪・モンスターが野音(日比谷公園大音楽堂)で生誕祭、その名も"未知なる生命体 地球襲来記念日"を1月18日に開催した。公演開催数日前に足を怪我するハプニングもありながら、いつもの根性で気丈な姿を見せていた。この日は、澪・モンスターとしてのソロ、彼女と大神のん(AIBECK)が一時期メンバーとして在籍していたEMPATHYに加わったEMPATHY8、そしてLEIWANでと、3つの形でステージに立った。
まずは、澪・モンスターのソロ・ステージから。特設2階ステージに澪・モンスターが登場。力強く拳を突き上げる姿に、場内からも無数の拳が突き上がる。キュート&ラウド&ダンサブルな「KAMINOKE」(EMPATHYカバー)を歌う彼女に向けてさらに突き上がる拳、拳、拳。中には力強くツーステを踏み、騒ぐ人たちも。愛らしくも気迫漲る姿に向け観客たちは熱い声と視線を送っていた。曲を歌うごとに澪・モンスターの感情のボルテージも上がる。ミドル&メロウな「SANDOME」(EMPATHYカバー)では、胸の内に秘めた思いを優しく打ち明けるように歌う彼女の姿があった。
ライヴのバトンを受け取ったのは、限定復活をしたEMPATHY8。「MIGATTE」を突きつけ、客席から一瞬にして理性を奪い去る。凛々しい歌声と躍動したパフォーマンスを見せつける8人。最初から気迫満載で迫る。広い場内で、メンバーと観客が同じ振りをして騒ぐ景色の、なんと華やかなことか。
8人のEMPATHYにはやはり魂が震える。「DAIKANSEI」では、フロアがツーステップや拳を突き上げて騒ぐ人たちで埋め尽くされた。8人も、一瞬一瞬を観る者の心に焼きつけるように気迫漲る姿で攻め、ステージ両脇に設置した巨大なお立ち台も用いて煽り続けていた。メンバーと一緒にピョンピョン飛び跳ねる観客たちの姿も最高だ。
最後は、EMPATHYとして「IJIWARU」をクールに歌い、胸を熱くしてゆく。彼女たちが作りあげるスリリングな空気に刺激を受け、オーディエンスも振りを真似ながら気持ちをアゲていた。本当にギアの上がるライヴだった。
トリを飾ったのは、澪・モンスターもメンバーとして活動中のLEIWAN。重厚且つ激烈なSEに乗せ、4人が登場。彼女たちが身体を激しく折り畳む姿に合わせ、場内の人たちもヘドバンに興じてゆく。そして、澪・モンスターの"LEIWAN下克上始めます"の声を合図に、「SUKIkirai」をブチかました。今にも客席へ飛び下りんばかりの勢いと気迫を持って、4人がおらおらと煽る。その気迫に噛みつく勢いで騒ぐ観客たち。彼女たちは広いステージを縦横無尽に使い、空間を自分たちの色に染めあげる。時に激しく、雄々しく魂を燃やし、全身全霊をぶつけていた。
荒ぶるハード&エレクトロなダンス・ロック・ナンバー「激烈破壊光線」でも、巧みに緩急を付けた楽曲の表情に合わせ、歌声にも様々な感情の色を付けて表現し、曲が進むにつれて歌声のパワーが増してゆく。メンバーたちが力強く拳を振り回すのと共に、フロアの人たちも拳を振り回すのもお馴染みの景色。荒ぶる曲調のときに感情を剥き出しにするだけでなく、ゆったりめになったときにも気迫漲る声を見せる様がLEIWANらしい。
力の限り叫ぶ声が、胸を熱く揺さぶる。
「ブンシャカ」では、オーディエンスも"ブン!"と声を張り上げ、4人と一緒に熱狂のダンス・パーティーを作り出す。歌いながら飛び跳ねる4人と一緒に会場中の人たちが跳ぶ様は胸熱だ。彼女たちは左右のお立ち台や2階ステージも使い、妖しく、激しく、楽しく観客の身体も理性も揺らし続ける。"ブンブンシャカラカ/ブンシャカラカ"と響く声に合わせ、拳を振り回せばいい。高い声を張り上げて歌い踊る彼女たちと共に、無我夢中になって踊り狂えばそれでいい。
そこにLEIWANは「下克上マウンテン」をぶつけ、さらに感情のギアをグッと上げてきた。4人が魂を1つにして、拳を高く突き上げ熱唱する姿を見て、気持ちが熱く奮い立つ。自らの胸の内に渦巻く感情を、時に早口のラップに乗せて、時に歌を通して全力で伝えるその姿に向け、フロアからたくさんの拳のエールが突き上がった。最後に見せた4人の思いを1つにした絶叫も嬉しく胸を震わせた。
"もっともっとブチ上がっていけんのかー! みんなで1つになろうぜ!"と言うと、銅鑼の音が鳴り響く。「ライライ」だ。"みんな踊り狂えー!"の声で大きく左右に手を振る彼女たちをきっかけに、場内中の人たちが大きく手を振り出した。この曲ではメンバーの動きを真似てはしゃぐオーディエンスが大勢登場。4人は熱狂のダンス・フロアを作り出す先導者となり、興奮に溢れた景色を描いてゆく。サビでは澪・モンスターが2階ステージで熱唱。そこへ3人も駆け寄り、2階ステージを巨大なお立ち台に見立てて踊り騒ぎ、フィーバーした世界に染め上げていった。
"私はみんなの声をこの耳で聞くのが好きだなと思います。私の世界を広げてくれたのは間違いなく君です。本当にありがとう。変わっていくものもたくさんあるけど、目に見えない変わらないものを大切にしてほしいなと思います。私はそれを信じて、これからも君といたいと思います。私の決意の曲です"。澪・モンスターの熱い決意の言葉を示すように、「新牙」で4人は言葉の一つ一つに強い魂を込め、"新たな牙を剥け"と猛々しい姿で思いを突きつけた。彼女たちの思いを全身で受け止めた観客も、共鳴する思いを高く掲げた拳にして突き返す。4人が気迫満載な声で心を刺すごとに、魂を奮い立たせざるをえなかった。
最後にLEIWANは「事件勃発」を叩きつけ、野音をツーステップで染めあげる。真冬の野外の寒さを吹き飛ばす、魂を揺さぶるライヴを見せてくれた。会場中が身体を大きく揺らし声を張り上げる景色は壮観。ステージと客席という壁をぶち壊し、みんなで思いを1つにした熱狂の景色が、そこには生まれていた。最後にみんなでジャンプしたりツーステを踏んだりしてぶち上がった様も最高だ!
[Setlist]
■澪・モンスター
1. KAMINOKE(EMPATHYカバー)
2. SANDOME(EMPATHYカバー)
■EMPATHY8
1. MIGATTE
2. DAIKANSEI
3. IJIWARU
■LEIWAN
1. SUKIkirai
2. 激烈破壊光線
3. ブンシャカ
4. 下克上マウンテン
5. ライライ
6. 新牙
7. 事件勃発
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