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LIVE REPORT

LOW IQ 01

2019.06.23 @LIQUIDROOM ebisu

Writer 石角 友香

ジャパニーズ・メロコア/スカコア・シーンに出自を持ちつつ、ソロで活動してきたが故に、時に洒脱、軽快であり、ブラック・ミュージックのエレメントを感じる音楽性など、多様な作品を世に送り出してきたLOW IQ 01。だが、近年、キャリアの当初を思い起こさせるベース&ヴォーカルのスタイル、そしてシンプルなギター、ドラムスの3リズムのアルバムを作り、ツアーもシンプルなスタイルで精力的に行ってきた。今年、ソロ・デビュー20周年を迎えたアーティストとしては普通、逆の道を行くのでは? というキャリアを進んできたところが彼らしい。今、鳴らしたい音を追求したらこうなったということなのだろう。アニバーサリー・ツアーであり、4月にリリースした8作目のアルバム『TWENTY ONE』のツアーでもある今回。5月の千葉LOOK公演を皮切りに、フルカワユタカ(Gt/Cho)、山﨑聖之(Dr/fam/The Firewood Project/The Yasuno N°5 Group)とのトリオ、LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERSで巡ってきたこのツアーは、終盤の東名阪公演のみ渡邊 忍(Gt/Cho/ASPARAGUS)も加わったLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS+仕様で実施。フロアには、活動初期からともに歳を重ねてきたファンもいれば、20代前半と思しきファンもいる。後方には小さな子供連れの仲間たちも散見され、祝福と分厚いファン・ベースを再認識した。

ハットからグリーンの髪が覗き、相変わらずおしゃれなイッチャン(LOW IQ 01)の"暴れろ!"の一声があろうとなかろうと、前方は怒濤のモッシュ状態に。冒頭から「Every Little Thing」、「GO」など新作からのナンバーを畳み掛けるが、すでにライヴ・アンセムとして鉄板曲になっていることが頼もしい。そのことはあとのMCで本人も感激気味に話していたが、さらに新曲の中でも浸透度の高い「Thorn in My Side」での盛り上がりが凄まじい。フルカワのライト・ハンド、厚みと鋭さを備えた、しのっぴ(渡邊 忍)のカッティング、さらにはユニゾンするギター、矢継ぎ早のリズム・チェンジと、辣腕すぎるバンド・メンバーが、パンクを更新しまくっている。イッチャンの名曲をこのバンドで、生で体験できる現実の素晴らしさったらない。ジャンルとしては20年どころじゃない歴史があろうとも、むしろ今新鮮に聴こえるのは、誰と演奏するか? によるのだと思う。

フロアのリアクションに言葉少なに"最高!"と歓喜を表し、40年前のプロレス少年が40年越しに新日本プロレスの大会"G1 CLIMAX 29"のテーマ・ソングに決定した喜びを叫び、「Shine」へ。疾走感溢れる8ビートに、肩こそ組んでいないものの、前方のファンは左右に揺れている。このメンバーならではのグランジなイントロにリアレンジした「Swear」は歌メロの切なさに打たれ、続く「Snowman」でも、コーラスが溢れんばかりの青春感を醸し、静観気味だったフロアの後方からも手が挙がる。

一気に9曲プレイしたところで、"『TWENTY ONE』の曲がライヴの鉄板になってるのが嬉しい! 音の若作り!"と笑いをとり、メンバー紹介へ。次週、新作が出るフルカワには"なんで上から目線なんだよ!"とツッコミ、しのっぴはなぜか変態ギタリストはいざ知らず、"汚物官房長官"という不名誉なネーミングまで付されていた。さらにドラムの山﨑はしのっぴをプロデューサーに迎え、ドラマーなのに他の楽器もすべて自分で演奏したソロ音源をプロモーション(!?)。つまり各々のアーティスト活動も相当、濃い面々である。

ひとわたりメンバーをいじったあとは、細美武士(ELLEGARDEN/the HIATUS/MONOEYES)の参加で広い層に届いたであろう、MVも100万再生を超えた「Delusions of Grandeur」が哀感漂うヴァースからサビで解放されていくカタルシス、重いベース、ブラストビートとスピーディに駆け抜けていった。一転、チアフルな「SO EASY」や「Peace Balloons」と、ロック・バンドで奏でる音楽的なレンジの幅の広さを曲の多様性で魅せていく。エヴァーグリーンなメロディの良さはポップ・ミュージック全般への彼の愛からくるものかもしれない。それが笑顔のモッシュピットを作り出している。

"なんでも3日坊主、いや、3日アンクル(おじさん)な俺が20年続けてこれたのはみなさんのおかげです!"と感謝を述べて"Instagramタイムやる?"と、記者会見風に各所に笑顔を振りまき撮影に応じる4人。"ハッシュタグ、LOW IQサイコー!、選曲サイコー! でお願いします"と、ちゃっかりさんぶりも見せる。

ファンク・テイストの入ったイントロのカッティング・ギターからラガなビート、そしてファストな8ビートへ展開する「Rules」の心地よさったらないし、こうしたハイブリッド感をソロの1stから表現していたLOW IQあっぱれ、である。なのに"20年前、ソロでデビューしたけどライヴなんかやるつもりなかった俺に、BRAHMANのTOSHI-LOW(Vo)が声掛けてくれたんだ"と、自由であるがゆえに曲折も多かった20年に"ここまで来れました!"と素直な気持ちを表していたのだ。ラストスパートは痛快に「GOT LUCKY」、「Makin' Magic」と笑顔で何もかも忘れて踊り、ジャンプするフロア。本編の締めくくりは20年、いやそれ以上の時を感じるSUPER STUPID時代からの人気曲「WHAT'S BORDERLESS?」をパンクスの矜持とも言える潔いエンディングでバシッと決めて、大団円と相成った。

アンコールの声は子供から大人まで入り乱れるイッチャンコール。ほどなく現れた彼は、ツアー2本目の埼玉 西川口Heartsで出会った18歳のドラマーをステージに呼び込み、イッチャンと山﨑のツイン・ヴォーカル、ベースにはステージ袖にいたASPARAGUSの原 直央(Ba)を呼び込み、「Makin' Magic」を共演。"うかうかしてたら2年後ぐらいに抜かされてるかもな"と言いながら、頼もしい10代に大きな拍手が送られた。

ダブル・アンコールのラストには"俺の方がパワー貰っちゃった"と、改めて感謝し、「Little Giant」の最後のパートでドラムを叩きながら歌うというレアな場面も。新旧織り交ぜながら、あくまでも新作のモードのサウンドに昇華したライヴは周年記念を超えた、LOW IQ 01の意思表示だった。

ちなみに、11月にはLOW IQ 01 & MASTER LOW、 LOW IQ 01 & MIGHTY BEAT MAKERSでの"LOW IQ 01 20th Anniversary The Extravaganza"も決定。また違ったライヴになること間違いなしだ。

■Setlist
1. Every Little Thing
2. GO
3. Shed your skin
4. Thorn in My Side
5. WHAT A HELL'S GOING ON?
6. Shine
7. Swear
8. Snowman
9. Sunday Morning Sunday
10. Delusions of Grandeur
11. So Easy
12. Peace Balloons
13. WAY IT IS
14. Rules
15. GOT LUCKY
16. Makin' Magic
17. WHAT'S BORDERLESS?
EN1. Life Goes On
EN2. The Chameleons
WEN1. Steal Away
WEN2. DO IT MY SELF
WEN3. Hangover weekend
WEN4. Little Giant

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