INTERVIEW
RED in BLUE × LOW IQ 01
2019.11.06UPDATE
2019年11月号掲載
広島発の4人組、RED in BLUEがミニ・アルバム『MUTANT CIRCUS』を発表! 今作はライヴで磨き上げた楽曲を収録し、現場の熱を余すところなく封じ込めたアレンジとサウンドが冴えわたっている。ポップなダンス・ロックから2ビートを用いたメロディック・チューンまで揃え、多彩な引き出しを開け、効果的に伝えることに成功した1枚と言えるだろう。今回はLOW IQ 01を迎え、RED in BLUEから高橋祐揮、田口 悟の両名とのスペシャル座談会により、お互いの音楽観や今作の内容についてじっくりと語り合ってもらった。
RED in BLUE:高橋 祐揮(Vo) 田口 悟(Gt/Cho)
LOW IQ 01
インタビュアー:荒金 良介 Photo by 新倉映見
-今作の紙資料に01さんが "RED in BLUEとの出会いは2年前の夏の広島。あの夏以来会うたびにスキルとスター性をグングン増していく彼らから目が離せない。また広島から新たな星が生まれる!"とコメントを寄せてますが、そこから話をうかがわせてもらえればと。
01:"MOBSTYLES"の田原(田原 洋)に呼ばれて、そのときに初めてライヴを観たのかな。
高橋:"EIGHT SIX live"というイベントが広島であるんですけど、俺らもそこに2018年に初出演したんです。毎年地元バンドを公募してて、念願叶ってオープニング・アクトで出させてもらいました。そこで初めてLOW IQ 01さんと対バンしたんですよ。
-01さんがRED in BLUEのライヴを観たときの印象は?
01:ひと言で言うと、上手い!
高橋&田口:ははははは(笑)。
01:時代時代でトレンドの音楽は違うけど、まさしくこれからの時代を背負う子たちの音楽だなと。確実に俺らには持ってないものを持ってる。
-現場では何か会話したんですか?
高橋:"上手いんだけど......ヴォーカルがバン! といるわけじゃないから、そこはライヴでちゃんと仕上げないといけないよね"とアドバイスをいただきました。
-ヴォーカルと楽器隊の関係性における歌の存在感みたいなことですか?
01:うん。今回の音源も申し分ないんだけど、(ライヴの)数をこなすことが大事だから。壁にぶち当たると思うんだけど、それをうまい具合に乗り越えてもらいたい。その代わり、悩まないでねって(笑)。歌もメロディもしっかりしているから、胸を張ってほしいなと。今作を聴いたときにはライヴの画が見えたもん。勢いがあるから、それを止めないで悩んでって感じ。
高橋:僕はいつも思い悩むタイプなので......悩まないでと言われたのは初めてで、スッとした気持ちになりました。
01:はははは(笑)。
高橋:ヴォーカルである以上、胸を張ることは大事だなと思ったんです。
-田口さんはバンドの現状をどう見てます?
田口:今はすごくいい状態だと思ってて。自分が曲を作っていることもあり、楽器隊の熱量やテクニカルさに重点を置いてしまい、ライヴはそこが強く出てしまう傾向にあったんですよ。以前はギターがはっちゃけてるね、ドラムのセッティングが派手だね、と言われていたけど、ここ1年でヴォーカルがいい意味で変化して、ヴォーカルの言葉が印象に残ると言われることも多くなりました。
-なるほど。ちなみにRED in BLUEのおふたりは01さんの音楽に関してはいかがですか?
田口:学生の頃は聴いてなくて、ELLEGARDEN、BRAHMANとかをディグるなかで知らず知らずに出会ってました。最近はよく聴いてます。僕、9mm Parabellum Bulletの滝(滝 善充/Gt)さんをリスペクトしてて......。
-それは田口さんのプレイに出てますよね(笑)。
田口:(01さんが)滝さんとコラボしてるMV("Luster feat. トーキョー・タナカ")を観て、滝さんもSUPER STUPIDという伝説のバンドをリスペクトしているみたいで......すごい人だったんだなと。
01:孫、孫(笑)。
-世代的にはそうですよね。ただ、01さんとRED in BLUEでは様々な音楽要素を取り入れた雑食性という意味では、共通点もあります。
01:うん。勢いあるけど、一本調子じゃなくて、曲によってビートやフレーズも違うし、クロスオーバー的な要素もある。楽屋にいるときもずっとギターを弾いているから、すげぇなって(笑)。俺らの時代は楽屋で酒ばっかり飲んでたから、そりゃ差がつくよなって思う。
-今はライヴ前にお酒を飲む人はあまりいませんからね。
田口:えっ、昔は逆だったんですか?
01:ライヴの記憶がないからね(笑)。
高橋:ははははは(笑)。
田口:ヤバっ!
01:ヤバいんだよ(笑)。俺らの時代は変にプロ意識がなかったから。90年代は自分が楽しんでなんぼみたいな。お客さんよりも、自分たちが楽しむ。もっと言えば、対バンを喜ばせるというか、誰がえぐいことをやるのかなって。対バンとは仲良かったけど、VS感もあったしね。芯の部分では仲良しだけど、音楽上はバチバチしてた。90年代はフェスも少なかったし、イベントが多くてもだいたいやるのは同じメンツだったから(笑)。もうちょいプロ意識を持っていたらね。
田口:それもプロ意識だと思うんですけどね。
01:まぁ、そうなんだけどね。90年代に切磋琢磨した仲間でも辞めたやつは多いし、本気で遊んだやつが残っているのかなって。遊ぶと言うとあれだけどね。バンドは上手いだけでもダメだし、チャンスを逃してもダメだし。
田口:(LOW IQ 01の音楽は)洋楽テイストが多くて、僕らの世代は洋楽に影響を受けた先輩たちの影響を受けて、その第2、第3世代みたいな感じですからね。今の洋楽はR&B、ヒップホップ、クラブ音楽とかをロックとクロスオーバーさせる傾向が強い気がして。昔はバンド然としてた人たちが多くて、声よりも楽器がデカかったり、歌詞もあえて聴きづらくしたり。01さんの音楽を聴いたときはTHE OFFSPRINGを聴いたときの感覚に近かったです。
-その喩えは新鮮ですね(笑)。
田口:BRAHMANを聴いたときも同じような感覚で、技術よりも、最初にヤバい! と思う感覚のほうが上回るというか。LOW IQ 01さんのアルバムも聴かせてもらって、アルバム通して傾向の違う曲ばかりで。BPMの振り幅があるし、シャッフルのビートやインストもあるし、アコースティックをやり始めたことを境にまた変わった印象を受けて。
01:さすがだね(笑)。俺なんてソロだから、自分の感覚だけでやってるし、1stからこれまでアルバムごとに作風は違うんだよ。かなり特殊なミュージシャンで、周りにもあまりこういうタイプはいないかな。