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LIVE REPORT

TOTALFAT|PUNKSPRING 2012

2012.03.31 @幕張メッセ

Writer 沖 さやこ

強風の影響で京葉線を始め、JRの電車が相次いで運転停止。15分繰り下げての開演となった今年のPUNKSPRING。一時はどうなることかと思ったが、徐々に観客の姿が増えてくる。イレギュラーな状況を乗り越えてやってきたオーディエンスたちはまるで戦士のようで"こんなことで負けてられるか!"と言わんばかりの熱気だ。

やむなく出演キャンセルとなったcoldrainの時間枠が短縮されたことにより、定刻通りにTOTALFATのSEが鳴り響く。その音を聴き付け、後方からは踊りながらステージに集まる人が多数。それは彼らの登場に対する、華々しい歓迎だった。それに応えるようにShun(Vo&Ba)は"PUNKSPRING一緒に楽しもうぜ!"、Jose(Vo&Left-Gt)も"暴れてこうぜ!"と絶叫。その叫びを全て音にしたようなBuntaのドラムスが高らかに響き渡る。ステージを縦横無尽に動き回るKuboty(Gt)の頭には"神風"と書かれたハチマキが。確かにこの日の強風はそれを彷彿させるものであるが、どちらかと言えば"俺たちが神風を吹かせてやる"という情熱の表れと取れた。アッパーなビートは止まらず、メロディックなShunとJoseのヴォーカルも美しく混じり合う。踊りと笑顔の絶えないフロアにはダイバーも出現。自然とハンズ・クラップも巻き起こる。

勢いは止まらず4月25日リリースの新曲「PARTY PARTY」を披露。4人の打ち出す音は幕張メッセを弾丸のように突っ切ってゆく。Joseが"こんなもんか!"とフロアを煽るとサークル・モッシュもどんどん加速。「Place to Try」では知らない人同士も肩を組み"君はひとりじゃない"と歌う。彼らのストレートな思いが突き動かす情熱の形だ。

Shunが2008年のPUNKSPRINGに初出演した思い出を語り、心無い人が言った"日本のバンドなんてオマケみたいなもの"という言葉が悔しかったと涙を流すShun。"日本のお客さんが一番最高だって言わせてやろうぜ!"とJoseが叫び、ラストは「Overdrive」。彼らの熱い志と真摯な思いが突き刺さる30分間だった。

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