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INTERVIEW

零[Hz]

2021.08.19UPDATE

零[Hz]

Member:ROY(Vo/Lyric) Rio(Gt) Leo(Gt/Prog) TEIKA(Ba) RYOGA(Dr/Mani)

Interviewer:杉江 由紀

-ところで。「VENOM」の歌詞を書いていく際に、ROYさんが考えていらしたのはどのようなことでしたか。

ROY:この曲をシングルの表題曲にしたいな、この曲でMVを撮りたいなっていう気持ちがまずはあって、歌詞の具体的な内容に関してはそのあとから考えていくことになったんですけど。その段階でこの曲には攻撃的なところがあるだけじゃなくて、結構毒々しいところもあるなと思ったんですよ。そこで"あぁ、これは「VENOM」っていう感じかも"っって意識したというか。毒蛇とか、そっちのイメージです。

-それでいて、この詞の中にある"今声の限り叫ぶのさ"という1節からは、ストーリー性とは一線を画するノンフィクション要素も感じます。このあたりは、零[Hz]がバンドとして大切にしているスタンスを託したものなのではありませんか?

ROY:はい、まさにそのとおりです。蛇っていうところからアダムとイヴの話を連想して、この詞の中では原罪の話から物語が始まっていって、毒と愛というものについて描いていくんですけど、ところどころにはリアルな自分たちの想いもちりばめてあるんですよ。

-なかなか深い内容ですよね。

ROY:武器商人の人が、武器を売ったお金で愛する家族を養っていたり、人を殺すことになるかもしれない毒としての武器が、別の誰かにとってはそれによる対価で愛をもたらすことになっていたりする、っていう複雑な現実とか矛盾があるわけじゃないですか。この詞は、愛と毒っていうテーマは裏腹なものだなと感じながら書きましたね。これは僕らの音楽活動にもきっと言えることで、自分たちは自分たちなりに精一杯活動をしていますけど、そのことが場合によっては人を傷つけていることもあるのかもしれないな、って考えたり。だけど、それでも前を向いて歌っていくことで、少しでも毒を中和させられたらいいなという願いもここには込めてあるんです。

-さて。このシングルにはその他にも、シニカルな歌詞と躍動感たっぷりなサウンドが、不思議と混じりあう「Changing Mrs.SATELLITE」(※"A type"のみ)、潔いほどにシンプルなバラード「Loved One's」(※"B type"のみ)も収録されておりますので、これらについてもみなさまからの解説をいただけますと嬉しいです。

Leo:「Changing Mrs.SATELLITE」のほうは、今後のライヴのためだけに作ったような曲ですね(笑)。あんまり深く考えすぎずに、ノリと勢いを最重要視しました。

-「Changing Mrs.SATELLITE」は、ドラムのキックが連打祭りになっている点も大きな特徴と言えそうですね。

RYOGA:カッコいい曲だし、ライヴでやるとお客さんたちがメチャクチャ盛り上がってくれるんで、僕も嬉しいんですけど、ドラマー的に言えばこれはLeoからの"いじめ"でひどい目にあってる曲なんですよ(笑)。零[Hz]の曲の中でもトップ・レベルの難しさです。

-「Changing Mrs.SATELLITE」の詞は、何をきっかけに書いたものでした?

ROY:ちょっとネタばらしをすると、今回の詞は3曲とも共通して"愛"について書いているんですよ。これは自分の中での裏テーマだったんですけど、この曲の場合は歪んだ愛について書きました。今の時代、何しろスマホが必須ですからね。彼氏だったり彼女だったりのSNSアカウントをずっと監視してるとか、そういう話をモチーフにして監視衛星にたとえた歌詞にしてあるんです。

-対して、「Loved One's」はシンプルでピュアなバラードに仕上がっておりますが、この曲はいかにして生まれることになったのでしょうか?

ROY:これは大切な人、大切な家族に向けての愛の歌ですね。

Leo:バラードって零[Hz]にとっては結構レアで、これは2年ぶりに作ったものなんですよ。それだけに、この曲では至高のバラードを目指しました。あえてエレキ・ギターも使わずに、俺とRioのアコースティックを中心に、最近流行っている"THE FIRST TAKE"みたいな雰囲気にしたかったんです。TEIKAのベースも初の指弾きに挑戦していてウッド・ベースっぽい質感になってますし、リズムもこれはドラムじゃなくて、パーカッションを叩いてもらってるんですよ。

RYOGA:デモをLeoが作ったときに、パーカッションの音色でウドゥ・ドラムっていうのを使ってたんですよ。レコーディングのときにはその実物を使うことになって、壺みたいな形のやつを叩いてるんです。イボ族っていう人たちの民族楽器らしいんですが、叩き方はYouTubeで勉強しました(笑)。そして、この間からはライヴでもこの曲をやるときには使っていて、僕はこの曲のためだけにそれを買うことになりましたね。

TEIKA:Leoに壺を買わされた、っていうことになっちゃうじゃん。さっきは、Leoから"いじめ"にあってるとか言ってたし大変だ(笑)。

Rio:あははは(笑)。

ROY:この曲はライヴのアンコールで衣装からTシャツに着替えてラフな感じでやってるんで、その独特な雰囲気もぜひツアーでは楽しんでほしいですね。

-ツアーといえば、この記事が世に出る頃にはワンマン・ツアー"零[Hz] ONEMAN TOUR「VENOMOUS BUG NOISE」"も大詰めとなっているはずで、9月9日には恵比寿LIQUIDROOM にてツアー・ファイナルを迎えられるそうですね。

RYOGA:今回のツアーでは、今まで一番カッコいい零[Hz]を、その日ごとに全力で見せていくようにしていきたいと思ってます。いつも以上に今回は最高に自信のあるシングル『VENOM』を完成することもできたので、その曲たちもこのツアーで育てていきたいですしね。そして、今のこういう時期に会場に来てくれる人たちが、しっかりと元気になれるようなライヴを展開していきたいです。

TEIKA:去年後半くらいまで、こういう状況の中ではライヴをしないことが正しい判断だと僕らは考えていたんですよ。だけど、今はこうしてツアーをやると決めて"やっぱり俺らは進むしかない!"という気持ちでいるので、もしまだライヴの場には足を運ぶのが難しいと思っている人たちがいたとしても、その間にも僕らはちゃんと成長を続けていって。今度のファイナルとかは会場も大きめですし、その人たちがまたなんとかライヴに来られるようになったときには"前よりもっと良くなってる!"って思ってもらえるようなバンドになっていたいです。

Rio:今回のツアーに関しては、「Loved One's」でのアコースティック・ギターをミスらないようにしたいとか、もちろんいろいろ目標はあるんですけど。1本ずつのライヴを着実に積み重ねていきながら、ライヴ・バンドとして、引き締まったところをみんなに感じてもらえるようにしていきたいですし、自分も楽しみにしてます!

Leo:世の中全体もそうですけど、僕らもコロナで大変なことはたくさんあって、特には気持ちの面で落ち込んじゃったりとか、つらいこととかもあったりはするんです。それでも、ここまで5人で一緒に高め合って頑張ってきましたし、ここからも乗り越えていかなきゃいけないことは多いとは思いますが、今回のツアーでも進化を続けながらスキル・アップしていく零[Hz]の姿を、ぜひみなさんにはライヴの場で感じてもらいたいですよ。前に進もうとしている僕らの音楽にふれることで、元気になってもらえたら嬉しいですね。

ROY:今回は13本のツアーをやっていって、ファイナルのLIQUIDROOMは零[Hz]として初めての場所にもなりますから、ここは改めてフレッシュな気持ちで臨んでいきたいですね。今の俺たちはもう突き進むしかないんだ、前を向いてるんだ、ここが新たなるスタート地点でまだまだ行けるぞ! っていうことをダイレクトに伝えられるような活気あふれるライヴをしたいですし、僕らも全力で楽しみます。みなさんも一緒にライヴの場で楽しみましょう!