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INTERVIEW

Xmas Eileen

2020.01.21UPDATE

Xmas Eileen

Member:Vo.右

Interviewer:荒金 良介

白い仮面を被ったXmas Eileenが前作『DIS IS LOVE』から、約2年ぶりのCDリリースとなる5曲入りのニューEP『PROTOTYPE』をここに完成! ストリートに根差したミクスチャー・サウンドはよりいっそう磨きが掛かっている。現場(ライヴ)に重きを置き、さらなる攻撃力と自由度を獲得した彼らは今が最も脂が乗っていると言ってもいいだろう。今作に辿り着くまでの心境を含めて、Vo.右に話を訊いたが、何かひとつ吹っ切れたような清々しさを感じた。それは今作に封印された破壊力にも直結しているようだ。今後のXmas Eileenからますます目が離せない。

-フィジカルとしては約2年ぶりのリリースになりますよね。

2年間CDを出さなかったのは......これは全然書いてもらっていいんですけど、大人との不具合というか、それでなかなか音源を盤で出せなかったんですよ。もうひとつは盤に対して、今、音楽業界が直面してる問題だと思うんですけど、CDって必要なのかなって。

-なるほど。

そこは悩みましたね。もういいのかなという気持ちが半分はあって。今はサブスクでなんでも聴けちゃうし、どのバンドもイニシャル・コストが減っているという話を聞きますからね。今回のアルバム名は"試作品"という意味なんですけど、完成したCDを手にすると、やはり嬉しかったんですよ。サブスクとはまた違う重みがありますね。配信の曲とはまたテンションは違いました。

-遡ると、2018年は配信で4曲連続リリースを行いましたよね。

あの配信を持って、アルバムに繋げるつもりだったんですけど、そこで大人との不具合が発生したもので(笑)。だから、今作には2018年にリリースした曲はあえて入れてないんですよ。2017年に前作『DIS IS LOVE』(2ndアルバム)を出して、2018年に音源を出すとなったときに、アルバムを出すために曲を作ると、それなりの期間が必要になるから......そこで時代に取り残されてるような感覚もあって。音源を出せないと、バンドが動いてない印象も与えるから、小刻みにシングルみたいな形で出せたらいいなと。そうすると、自分たちのモチベーションも上がりますからね。

-それで配信リリースという形態を選んだと。

そうなんですよ。そしたら、ファンの人も喜んでくれるかなと。

-4曲とも曲調のタイプは違いますけど、アッパー且つライヴ映えする楽曲ばかりという意味で共通点のあるナンバーが揃ってました。

そうですね。自分たちはライヴ・バンドなので、スローな曲もありますが、基本ライヴで楽しんでもらえる曲のほうが自分たちも楽しいから。

-実際にリスナーの反応はどうでした?

ライヴだけに関して言えば、デジタルだろうと、盤だろうと、ライヴハウスで起きる現象に変わりはなくて。デジタルだと、いち早く新曲をバンバン聴けるので、ライヴでやる曲も増えたんですよ。例えばフェスで俺たちを観る人はYouTubeで予習すると思うので、表題曲みたいな曲をどんどん出せるのはいいなと思いますね。盤と考えると、1年単位とかで考えなきゃいけないんで。

-今は配信とCD、どちらの利点も理解できたと?

そうですね。どちらもいいものだなと思いました。

-昨年は「NO NAME」(2019年5月リリースの配信シングル)のツアー("「NO NAME」TOUR 2019")も行いました。これもバンド的には新しい試みですよね?

ツアーも久しぶりでしたからね。配信音源のリリースに伴うツアーなので、それも配信ならではのフットワークかなと。これからの音楽を考えたときに、本当に自由になっていくんだろうなと思うんですよ。音源をリリースしてツアーという流れではなく、みんなそれぞれにイレギュラーな形でやっていく人たちが増えていくと思うから。

-たしかにお約束の流れではなく、バンドそれぞれが自分たちの魅せ方をしていく。そういう時代になっていくでしょうね。

今は時代の流れがほんとに早いですからね。なので、フットワークを軽くすることは大事だし、既存のやり方だと厳しくなるのかなと。そういう意味で2019年は自由にやれました。

-自分たちの活動方法を見つめ直す、いい期間にもなったんですね。

台湾のライヴに出演したときも、自分たちのYouTubeチャンネルでアップしてるんですけど、ああいうこともやれちゃう時代ですからね。自分たちで映像を撮って、編集できちゃうから。そのへんも強化していけたらいいなと。台湾に行けなかった人にも空気感を味わってほしいし、ツアーや打ち上げとか、その裏側も見せられたらいいなと思います。自分たちで発信できるものがあるなら、どんどん開放していきたいなと。

-バンドとしては360°オープンに見せていこうと?

特にウチは仮面をしているバンドなので、それを見せたほうが面白いと思うんですよ。YouTubeを観て、今まで怖いと思って敬遠していた人も、"あっ、Xmas Eileenってこんなに楽しいバンドなんだ! と思ってくれた人も多くいたみたいで。「NO NAME」のツアーでは新しいお客さんが増えたんですよ。それは良かったですね。

-若いお客さんが増えた感じですか?

そうっすね。若すぎるというか、子供もいますからね(笑)。出待ちしていたファンに"子供が毎日Xmas EileenをYouTubeで観てる"と言われて、すごい時代だなぁと。

-台湾のフェスに出演したときはいかがでした?

2018年の最後にイギリス、2019年は台湾でライヴをやったんですけど、どちらもすごく盛り上がってくれたんですよ。それは自信にはなりましたね。ライヴに力がないバンドだったら、そういう現象は起きないだろうから。自分が住んでる国以外で楽しんでくれる人がいる。それはなかなかできない経験ですからね。

-そこで何か学んだ部分はありました?

ライヴ力ですかね。いろんな意味でごまかしが効かないから。バンドから放たれるエンタメ力はより強化しなきゃいけないと思いました。もっと自由な発想でやろうとなってから、自分たちのライヴも良くなりましたからね。ステージにメンバーが4人しか残ってないこともありましたし(笑)。2017年頃はできなかったことなんですよ。妙に頭が固かったというか、こういうガラの悪いルックスなので、真面目にしなきゃという呪縛はありましたね。でも、昨年のライヴはめちゃくちゃやったれ! という感じで、すべてにおいて自由度は高まったなと。

-かしこまらずに、なるべくNGやタブーを取っ払おうと。それはロック・バンドとしては健全なあり方ですよね?

ライヴはより楽しくなりましたね。海外の人たちもウチらのことを知らなくても、なんか出てきたぞ! って観てくれてますから。