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INTERVIEW

Xmas Eileen

2018.10.18UPDATE

2018年10月号掲載

Xmas Eileen

Member:Vo.右

Interviewer:吉羽 さおり

今年4月の「Dance Number」から、2ヶ月ごとに新曲を配信リリースしているXmas Eileen。その第4弾となる「BAD BOYS BE AMBITIOUS」は、悪ガキの立身出世的な勢いのあるとこを見せつつも、その裏側の心の内や葛藤といったドラマも描いた1曲だ。それをEDM調の攻撃性とキャッチーさで聴かせるサウンドもパワフルで、彼ら自身もXmas Eileenだからこそできる世界観の曲だと自負するものとなった。今年は自分たち主催による長期ツアーを組まず、他バンドのツアーの対バンやイベント出演が中心の、多種多様なライヴと、コンスタントな配信とを軸にしてきた彼ら。実験的な年でもあるが、毎作凝ったMVを制作するなど楽しみを増やし、広げているような時間にも見える。そんなバンドの現在の状況や最新作について、Vo.右に話を訊いた。

-配信の第4弾「BAD BOYS BE AMBITIOUS」がリリースとなります。約2ヶ月ごとのリリースという結構ハイペースな活動をしてきて、どんな感触ですか? できるなっていう感じがありますか?

リリースだけなら。曲を作るのは大変ですけど、アイディアが尽きることはないと思っているので。そこまで苦しいかと言ったら──もちろん完成させていく過程はしんどいですけど、今それと並行してライヴがめちゃくちゃ多いんですよね。

-夏も秋もかなりのライヴ本数がありますね。

そうなんです。だから、それと同時にというのがしんどいので。こんなのやらなければよかったなとも思ってます(笑)。今週も1週間の内ライヴが5本くらいあるんですけど、その合間にレコーディングをしようと思ったら、案の定Vo.左が全然声が出なくて、レコーディングが頓挫することもあったので。みんな、かなりギリギリのラインで頑張っていますね。でも、そのぶんすごくいいものができていってると思うので。

-曲を配信するだけでなく、それぞれのMVもこだわりのある作品を作っていますよね。

チーム内に映像をやっている奴がいるので、それを最大限に生かそうということで。メンバーの個性も強いバンドなので、それを使ってやろうと思うと面白いことがたくさんできてきたという感じですかね。

-はい。そういういい遊びをやっているなっていうのが回を重ねるごとによりわかってきました。前作「Wake up My friend」ではパフォーマーさんがゾンビになっていたりとか。

そうですね(笑)。

-前作「Wake up My friend」はどんな曲にしようというのがあったんですか? そしてなぜああいったソンビのMVになっていったんですか?

今回の配信の4曲は、テーマは一貫して"ライヴで映えるように"というのを意識したので、それには沿っていますね。このタイトルも、何を考えてそういうのにしたのか、僕そういうのをまったく覚えてないんですよね(笑)。思いつきでタイトルを考えていることが多いので。ただ、この曲は始めタイトルが"Wake up people"だったんですよ。だからMVを考えてるときに、ゾンビから人間に戻っていく感じを表現しようと話していて、たぶんその企画だけが進んでいったんですよね。

-そうだったんですか。

僕はゾンビ映画が好きで、いつかゾンビの映像を撮りたいなとずっと考えていたんですけど、僕のイメージでは、ゾンビって、特殊メイクアップ・アーティストみたいな人を呼んで、やらなきゃいけないのかなと思っていたんです。だから難しいと想像していたんですけど、たまたま知り合ったメイクアップ・アーティストの作品を見ていたら、傷のメイクとかがあったんですよね。"これができるってことは、ゾンビのメイクもできるんじゃないの?"って言ったら、"できますよ"って言うので。"でも、Vo.右が思ってるほどちゃんとしたものじゃないかもしれない"って話だったんです。ただその人は、芸大で先生もしているんですけど、学校でゾンビのメイクの授業をしたと。"これは!"と思って。それで、ぶっつけ本番で、当日パフォーマーさんにメイクしてるのを見て判断しようということだったんです。で、最初ちょっとメイクっぽいかなと思ったんですけど、画面を通して見たらそのメイク感も消えて、"これはすごい"ってなって。

-闇の感じともうまくマッチしていましたね。

ワクワクして撮りましたね。自分が出ているシーンは全然面白くなかったですけど(笑)、ゾンビのシーンだけはめちゃくちゃ面白かったので。僕が車に乗ってカメラを回して、パフォーマーさんに"走れ! 走れ!"って声を掛けながら撮っていたんです。パフォーマーさんはハァハァ言いながら、500メートルくらいずっと走らされてましたね(笑)。でも、まだゾンビの気だるさが出てないってことで、缶ビール飲ませて。あれ、ベロベロなんですよ。

-演技でフラフラしてたわけじゃないんですね(笑)。

酔っ払ってるんです。相変わらず、みんなでそんなことやってますね。親にこの話したら"あんた青春が長いな"って言ってましたけど(笑)。

-遊びがいがあるところですね。このMVのリアクションは大きいのではないですか?

これを僕とチームにいる映像ディレクターでやっているっていうのが、人に伝わっているみたいで、最近では他の人のMVも撮ってくれとか依頼も来ていたりしますね。評価してもらっているようで嬉しいです。"なんなんだこいつは?"っていう感じで、海外の映像ディレクターの人の目にも留まっているみたいで。THE CHEMICAL BROTHERSのVJが僕らのMVが大好きらしくて、かなり観てくれているらしい、という話をこの間聞きました。

-そういう広がりは面白いですよね。しかもだいたいのことを自分たちのチームでできてしまうというのは、すごく大きいですね。

そうなんですよね。メンバーに酒飲ませてゾンビの格好させて"走れ!"って、普通、外部の映像ディレクターがやってたらメンバーと喧嘩になりますから(笑)。でも僕がちゃんとやっている以上はみんなも文句を言わずにやってくれるので。