INTERVIEW
Xmas Eileen
2020.01.21UPDATE
Member:Vo.右
Interviewer:荒金 良介
感覚的にはデモ・テープを作るような気持ちでやりました
-そして、今作を作るにあたり、どんな気持ちで臨んだのでしょうか?
盤を2年間出さなかったけど、一度試作品を作りましたよ、ぐらいのテンションでやろうと。感覚的にはデモ・テープを作るような気持ちでやりました。ドラムンベースっぽい曲もありますけど、もともといろんなジャンルを遊び心で作っていたので、そこをさらに強化しましたね。あまり深く考えなくなったというか。
-そうなんですね。
ほんとは毎回、試作品ぐらいの気持ちで作らなきゃダメなんじゃないかと。だから、初心に返ったような感じですね。常にワクワクしながら曲を作りたいし、変に狙わずに重い気持ちでは作りたくなかったんですよ。メンバーが集まって、いい曲できたやん! って、そういうノリも楽しいですからね。アルバム名も面倒臭いから、試作品とかデモでいいやんって。一度このEPで遊んでみてって感じです。今作の「PATH」という曲はいきなり僕のシャウトで始まるんですけど、そういう曲をリードにすることも以前だったら、あり得ないことですから。ただ、ひとつ後悔することがあるとすれば、スクリームがある作品の中にスローなバラードを入れられなかったことですね。時間がなかったので、それは次作で挑戦したいなと。
-冒頭を飾る「PATH」のシャウトに驚きつつ、サビがキャッチーになるところはXmas Eileenらしいなと。
そうなんですよ! サビがキャッチー、そこだけは守りたくて。それを守れたら、ほかは何をやってもいいのかなと。だから、曲を作るスピードも早くなったんですよ。変に難しく考えなくなったから。あと、個人的なことになりますけど、ほかのアーティストのMVも撮らせてもらったりして、自分のやれることも増えたので、Xmas Eileenにあまり詰め込まなくなってきたというか。
-なるほど。
以前は詰め込みすぎて、どうしても噛み合わなくなることもあったんですよ。今は別にこの曲でできなかったら、次の曲でやればいいやって。人に曲を提供したり、MVを撮らせてもらったり、外の世界を知ったことで、自分たちのこともよく見れるようになりました。
-Xmas Eileenを客観的に見たときにどういうふうに映ったんでしょうか?
パフォーマーもいるし、改めてライヴ・バンドだなと思ったんですよ。曲に自分たちを寄せるんじゃなく、自分たちに曲を寄せていく感じになりました。俺たちはこういう感じなんだから、こういう曲をやったほうが面白いんじゃないって、自分たちに似合う曲を作ろうと。
-以前は展開やアレンジが凝ったものが多かったですが、今は1曲の中でこれだけが伝わればOKみたいな感覚ですか?
そうですね。そうじゃない曲も作るだろうけど、いい意味で割り切れるようになりました。
-『DIS IS LOVE』で取材した際にもシンプルさを意識されてましたけど、当時と今作ではそのシンプルさの質はまた違うんですかね?
どうなんでしょうね......ただ、当時もあったポップさというのは、今はサビだけでいいのかなと。そこがなくなったら、ウチのバンドの魅力がなくなると思うので。
-わかりました。今作の歌詞に関してはほぼVo.右さんが書いたものですか?
ラップしてるところはVo.左が書いてますけど、全体的な歌詞は僕です。
-『DIS IS LOVE』でもメッセージ性をとても意識してましたが、今作もそこは変わらず?
そうですね。日本で活動しているバンドなので、日本語で何かを伝えられたらいいなと。
-歌詞は自分に向けた内容が目立ちますね。
たしかに、他人に頑張れ頑張れ! と言うよりも、自分にって感じですよね。意識してなかったけど、言われてみればそうですね。たぶんなんですけど、他者に訴えることも大事だけど、曲や歌詞が聴く側それぞれのものになって、BGMになってくれたらいいなと思っているんですよ。だから、自分が奮い立つようなものを書いて、それぞれのBGMにしてくれ、という気持ちが強く出たのかもしれないですね。田中 聖にウチが曲を提供したんですけど、そのときに(聖が)"俺もNO NAMEなんで"と何かの取材で言ってくれてたんですよ。「NO NAME」も別にウチらのことを歌った曲ではないけど、そういうふうに受け取ってくれたのは嬉しかったですね。
-「NO NAME」は"自分たちがロック・バンドでいるために作った"とコメントされてましたけど、具体的に言うと?
自分たちがロック・バンドでいるためにはあの曲が必要だったということですね。ロックはなんぞや? なんて答えは出ないけど、こういう曲をやらないと、俺たちはロック・バンドじゃなくなるなと。MVもライヴ映像で作っているんですけど、ライヴ会場でツアーのフライヤーを配ってる映像も入れたんですよ。気持ちはそこにあるという部分を映像に入れたつもりです。
-ロック・バンドとしての原点は忘れたくないと。あと、「YES/NO」の中に"ここで競う罪の色"という歌詞がありますけど、これにはどんな意味を込めているのでしょうか?
その曲自体がイエスなのか、ノーなのか、善なのか、悪なのかみたいな内容になっているんですけど。普通、悪いことは競い合わないじゃないですか。1,000万円募金しましたと声を大にして言う人はいるけど、高速道路で120キロ出したことは言わないと思うんですよ。そのぶん、人の命も自分も命も危険に晒しているわけで、罪なのは罪なんですけど......それを言わずに善行だけを言っている人は信用できないというか。罪の部分に関してちゃんと考えないと、ダメなんじゃないの? って。そこは僕自身も気に入ってるフレーズですね。
-最後になりますけど、今作のレコ初ツアー"PROTOTYPE TOUR 2020"が2月21日から始まりますが、どんな内容にしようと思ってますか?
今回はライヴに見合う曲ばかりなので、会場の熱はさらに高くなるんじゃないかと。「NO NAME」のツアーも各地で"灼熱"と言われていましたからね。今回のツアーはもっとそうなると思います。着替えが1、2枚じゃ足りないぞ! って感じですね。