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INTERVIEW

BUCKCHERRY

2019.03.01UPDATE

2019年03月号掲載

BUCKCHERRY

Member:Josh Todd(Vo)

Interviewer:山本 真由

-BUCKCHERRYは、音作り的にはモダンなのに、どこかに絶対古き良きロックンロールの香りが残っているイメージがあります。ハード・ロックという音楽性だからというわけではなく、精神性の部分かもしれませんが、そういうものは意識せずに作曲しているのですか?

自分自身のことを話すなら、常に進化して、常に成長している。ソングライターやミュージシャンとしてだけじゃなく、やっぱり人間として進歩しないといけないと思っている。それが自然と出てくるんじゃないかな。同じものは作りたくないから、常に新鮮なことがしたいと思っているんだ。

-これから、年をとってもずっと音楽をやり続けたいですか?

1日1日を大切にしようと思っている。もう20周年を迎えるから、かなりの時間を経ているよね。1999年に1stアルバム(『Buckcherry』)を出したから。

-アルバムの話題に戻りますが、今作の制作にあたって、まずはJoshとStevieが30曲ほどの曲を用意して、それからスタジオ入りしたんですよね。30曲を制作したとのことでしたが、その中からアルバムに入れる曲はどうやって選択したんですか?

マネージャーのLarry Mazur、Stevieと俺とプロデューサーのMike Plotnikoffが一緒に座って、どの曲を入れるかリストアップしたんだけど、なんと、みんなほぼ同じ曲を同じ順位で書いてて、選定が楽だったよ。

-タイトル・トラックでもある冒頭の「Warpaint」は、まさに誰もが期待しているようなストレートなハードロック・ソングですね。最初からこの曲を軸に今作は制作されたのですか?

いや、30曲くらい作った中の1曲に過ぎないんだけど、タイトルを考えていたときにシンボリックなものが欲しいと思ったんだ。"アートとも合うようなタイトルにするには何がいいだろう?"って話し合っていたら、「Warpaint」ばかり候補に上がっていた。2、3候補あったけれど、「Warpaint」がやっぱり勝ってた。

-また、タイトルの"Warpaint"とは、ネイティヴ・アメリカンが闘いや儀式の際に施す化粧のことらしいですが、この言葉にはどういったメッセージが込められているのでしょうか?

ずっとネイティヴ・アメリカンに興味があったんだけど、身体中にタトゥがある人たちにも惹かれる。"Warpaint"って様々な意味があって、最高に好きな言葉なんだよ。曲の方の意味は"悩みがあるときは出陣の化粧のように顔にタトゥを入れたい"。基本的にはバンド内でも個人的にも様々な変化があった。で、歌っているのは"本当は消えてしまいたいけど、そんなこと許されない。立ち上がって戦うしかない"ということ。自分のタトゥは自分なりの"Warpaint"で、世の中と立ち向かって悪を消すイメージで見ているんだ。

-「Head Like A Hole」はNINE INCH NAILSのカバー曲ですが、原曲の攻撃的な部分が抽出されていて、BUCKCHERRYらしいアレンジだと思いました。この曲をカバーしようと思ったのはなぜですか?

アルバムを作るとき、いつも"カバーをやろうか?"という話が出るんだけど、どうせなら話題になるようなカバーをやりたいと思ったんだ。ロック・バンドがロック・ソングをカバーしてもあまり面白くないから、別のジャンルから俺たちらしく再現できる曲を考えていたら、NINE INCH NAILSのこの曲になった。彼らの『Pretty Hate Machine』は昔から好きなアルバムだし、Trent Reznor(Vo/Electronics/Gt)がやっていたことも共鳴できるしリスペクトしている。彼らはユニークなサウンドを持っているけれど、同じようにBUCKCHERRYもユニークだから、かっこいいカバーになると思った。歌詞も最高だし、激しさも好きなんだ。彼の音域も俺と似ているから、すべて重なって自然とこうなった。最初はドラム・トラックだけを録音していたんだけど、いきなりみんなでジャムし始めたんだ。隣の部屋でMikeがレコーディングしているなんて知らずに! 終わったらMikeが"すごくいいから聴きにおいで"って言って、初めて録ってたことに気づいた。スピーカーから飛び出る激しさにメンバー全員、"BUCKCHERRYのオリジナルみたいだ"って驚いていたね。

-先行シングルにもなっている「Bent」は疾走感溢れる楽曲で、ギター・ソロも魅力的です。ぜひライヴでも聴いてみたい楽曲ですが、すでにオーディエンスの前で披露されていますか?

もうすでにカリフォルニアで4曲ライヴで演奏したんだけど、「Head Like A Hole」をオープニング曲にして、「Bent」も「Warpaint」もプレイした。リアクションもすごく良かったよ。「Bent」はみんなが気に入った曲なのでシングルにしたけど、UKでミュージック・ビデオも作る予定なんだ。(※取材日は2月上旬)

-「No Regrets」に関しては、Stevieが"SOCIAL DISTORTIONっぽい曲を作りたい"というアイディアを出したと資料で読んで、とても納得しました。Joshは以前からパンク・ロックからの影響について公言していますが、Stevieも同じようなバックグラウンドがあるんですね。

(笑)Mike Ness(SOCIAL DISTORTION/Vo/Gt)のようには歌えないけど、ふたりとも通った道だよ。影響を受けている。かなりたくさん曲を作っていた時点で、Stevieが「No Regrets」を作って俺に送ってきたんだ。"気にいるかどうかわからないけど!"とメッセージを添えて。俺は"これ、最高に好きだよ"って返事した。自分が子供のころに聴いていたパンク・ロックの音楽を思い出させてくれるような楽曲だから、歌詞もティーンエイジャーのころの自分について書いてみた。

-そして、日本盤のボーナス・トラックとして3曲も追加収録されていますが、「Jungle Love」(※THE TIMEのカバー)、「Burn Rate」、「Kamikaze」という3曲はどういった経緯で今作のボーナス・トラックとなったのでしょうか?

Stevieと俺はTHE TIMEとかPRINCEとかSheila Eのファンだから、「Jungle Love」をやったらかっこいいと思ったんだよね。JOSH TODD & THE CONFLICTのときも「Erotic City」(※PRINCEのカバー)をやって大反響だったから、ここでもやろうって。この3曲はアルバムに入らなかったものだけど、カバーはもちろん、日本のファンなら気に入ってくれるかなと思って、ボーナス・トラックにしたんだ。

-バンドの今後の予定について教えてください。

これから2年はずっとツアーをする予定だよ。日本も今年の後半に行く話は出ているから楽しみだよ。とりあえずはヨーロッパとイギリスを回ってからUSツアーが始まる。

-BUCKCHERRYの新作と来日公演を楽しみにしている日本のファンへ、メッセージをお願いします。

大好きな日本のみんな、もう長い間会ってないから早く会いに行きたいよ。3月6日にニュー・アルバム『Warpaint』が出るから、もうプレオーダーしといてくれ! 来日したときはライヴに必ず来て、一緒に思いっきり楽しもう!