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INTERVIEW

ulma sound junction

2017.11.20UPDATE

2017年11月号掲載

ulma sound junction

Member:田村ヒサオ(Ba/Vo) 福里シュン(Gt) 加勢本タモツ(Dr)

Interviewer:宮久保 仁貴

テクニックに裏打ちされた圧倒的な演奏力と独創的な楽曲を持ち、近年知名度、活動範囲ともに拡大の一途を見せる4ピース・プログレッシヴ・メタル・バンド、ulma sound junctionが、3年半ぶりの新作アルバム『imagent theory』をリリース! 昨今バンド不足が叫ばれる日本のプログレッシヴ・メタル・シーンだが、本作の内容は、そんな懸念も吹き飛ばすように"これが、日本のプログレだ!"と言わんばかりの濃密な楽曲群が収録されている! 昨今のDjent/プログレッシヴ・メタルコア・キッズや、トラディショナルなプログレ・マニアも惹きつける魅力を持った今作について、メンバー3人に話を訊いた(ギターの山里ヨシタカは今回欠席)。

-3年ぶりのアルバム・リリースおめでとうございます! SNSを見ていて、近年、バンドとしての活動が活発だな、と感じますが、実際にはいかがでしょうか?

田村:これまではレーベルのイベントに主に出演していましたが、そのイベントも終わり、活動する場所を増やしてライヴ本数も増やしましたので、そう見えるのかもしれませんね。

-今作のタイトル"imagent theory"を日本語訳すると"想像理論"となりますが、ネーミングの理由はございますか?

福里:これは俺が考えました。うちのバンドは昔から造語が結構好きでして、"imagent theory"自体は造語ではないんですが、"imagent"の部分を"I'm agent"と切り離して"I'm agent theory"にもなるし、ダブル・ミーニング的な意味を持たせることができれば、と思ってこのタイトルにしました。アルバムのジャケットも見た人によって、受け取り方が違うと思うので、タイトルにあやかって、人それぞれの概念を壊せれば、と思います。

-たしかにそうですね。ジャケットに関して言えば、鶏が先か卵が先か、的な。受け手によって、いろいろな考え方が出てきますね。

福里:今作の印象に関しては、そういったところもありまして、リスナーがCDを手に取り、見て、聴いて、最終的には受け手自身にこのアルバムのイメージを決めてもらえればと思います。

-今作は全8曲とは思えないほど、1曲ごとの展開、音の詰め込み、引き出しが多く、完成度が高いですね。制作にはかなり時間をかけられたのでしょうか?

加勢本:2年前には2曲ほど完成していましたね。当初はシングルの形式でリリースしようと考えていたんですが、バンド内、そして周りのスタッフとも話し合いまして、やっぱり作るならフル・アルバムで、という結論に至りました。

田村:また、アルバムを制作するぞ! と決めた矢先、僕たちバンドの共通の知り合いでもあった、大切な人が急逝してしまいました。その人のことを考え、あれこれ悩みながら制作に取り掛かっていると、結果として前作からそれなりの年数は経ちましたが、作品として深みのある作品に仕上がったのかな、とも思います。

-アルバム全体を通しての聴きどころを教えてください。個人的には、前作に比べ、持ち味の動的なアグレッシヴさはパワーアップしつつ、静的なインスト・パートの練りこみや創造性がより増した印象を受けました。

田村:たしかに前作、前々作とラウド色強めなところはありましたね。今作で意識的に相反する静的なパートを入れようと思っていたわけではないのですが、結果として制作期間中に我々の好みが変わったのか、全体を通して、想像を掻き立てるようなフレーズ・プレイが増えていった気はします。

-「Over Cure part.1」と「Over Cure part.2」の誕生の経緯や、繋がり、コンセプトはありますか?

加勢本:こちらに関しては、「part.1」(「Over Cure part.1」)をライヴのオープニングとして使っていまして、「part.2」(「Over Cure part.2」)はライヴ中に思いついた形になりますね。"タカタカタカって、このフレーズ、どう?"なんてやりとりをしていて、自然にできた曲ではあります。普段、僕たちが30分のライヴに出ると、プログレッシヴ・メタルということもあって、なかなか曲数を多く演奏できないんですよ。そういうときに、この「Over Cure part.1」と「Over Cure part.2」を挟み込んだりしますね。

田村:個人的には、この曲でバンドとして初の日本語詞を入れたので、僕の中では新境地ではありましたね。曲名("Over Cure")を直訳すれば、"過回復"になりまして、"人が生まれる前までの存在に戻る"、そういった意味を持たせようと思い、この曲名にしました。歌詞の中で老いなど人間の生死について歌っているのですが、曲名を決める際に、歌詞から考えようとした結果、すんなり決まりました。

-「part.1」は物語の始まりを期待させるような浮遊感あるフレーズから始まり、「part.2」は冒頭からヘヴィな変拍子リフが展開されて、物語の佳境や、静と動の対比を感じました。

田村:そうですね。「part.2」に関しては、冒頭部を複雑な展開にしているのと、「part.1」と比べて歌のキーも1オクターブ低く歌っているので、そう感じるのかもしれません。

-アルバム全体もコンセプト・アルバムだったりするのでしょうか?

田村:意識的にそう作ったわけではないですが、今振り返ってみると、歌詞にも統一感がありますね。前作は、世界や政治、この世に存在する差別などに向けた歌詞が多かったですが、今作は自分自身、個人個人の内面に向き合う歌詞が全編通して多くなりました。