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INTERVIEW

ulma sound junction

2022.04.12UPDATE

ulma sound junction

メンバー:田村 ヒサオ(Ba/Vo) 山里 ヨシタカ(Gt) 福里 シュン(Gt) 加勢本 タモツ(Dr)

インタビュアー:荒金 良介

世界最大級のインディーズ・バンド・コンテスト"エマージェンザ2019"で日本優勝、世界3位を獲得した実力派バンド、ulma sound junction。沖縄県石垣島の幼馴染みで結成された彼らが、メジャー1st EP『Reignition』を発表! ニューメタル、ラウドロック、Djent、プログレッシヴ・ロックなどを包括したテクニカルな演奏を武器に、シャウト/クリーン・ヴォーカルを使い分けるヴォーカル・ワークも素晴らしく、ワールドワイドな楽曲を作り続けている。メジャー・デビューというタイミングもあり、改めてバンドの成り立ちから今作の中身について、メンバー4人に語ってもらった。

-ulma sound junctionは05年に結成されて、バンド自体は東京で組んだそうですね。その頃にやりたかった音楽は?

田村:我々は全員好きなジャンルが違うし、バラバラなんですよ。当初はオルタナティヴ・ロック......バンド名を挙げるとHOOBASTANK、RED HOT CHILI PEPPERS、個人的に要素として取り入れたかったのはJAMIROQUAIですね。ファンク寄りの音楽も取り入れたくて。でもウチの山里、加勢本がヘヴィ・ミュージックやプログレッシヴ・ロックが好きで、僕もかなり影響を受けたんですよ。それからラウド/プログレの要素が混ざり、音楽性が確立されていった感じです。

-ラウド/プログレ要素が強くなったのは山里さん、加勢本さんの音楽的嗜好が強く出たから?

山里:それはきっかけに過ぎなくて、特に引っ張ったわけでもないんですよ。みんなでああだこうだやっていたら、こういう音楽性になって。

加勢本:ウチらは結成して長いので、時期によって音楽性も流動的に変わるし。今のヘヴィな感じになってからも、変わった部分はあるから。

-結成当時はどんな音楽性でした?

山里:当時はDISTURBEDとかニューメタルにハマっている時期でした。途中でジャズやファンクの要素を入れたりして、捻くれたバンドでしたね。

加勢本:うん、捻くれてるのは未だに変わってないね(笑)。

-それから楽曲が複雑化していったと?

山里:引き算ができなくて、足し算ばかりで。

加勢本:思いついたら、全部入れちゃう感じでしたね。

-一般的にはバンドの創成期にやりたいことを詰め込んだカオス感が漂い、徐々にシンプルな方向に進む傾向がありますけど、それとは真逆ですね。

田村:ほかのバンドと比べても、もともと我々は情報過多だと思います。削ぎ落としたうえで今があるという感じです。

-なるほど。では、みなさんの音楽ルーツを教えてもらえますか?

山里:親の影響で60~80年代の洋楽で育ちました。Eric Clapton、LED ZEPPELIN、PINK FLOYD、VAN HALEN、あとジャズとクラシックが常に流れている家だったんです。で、中学で加勢本にDREAM THEATERを聴かされて、それからハマりました。

福里:僕はJ-POPですね。ミスチル(Mr.Children)、BUMP OF CHICKEN、奥田民生さんとかめちゃくちゃ好きでした。最初にこのバンドに入った頃、LINKIN PARKを聴かせてもらったときに、本当にうるさくて(笑)。歪みに抵抗がはじめはあったけど、今は慣れました。

-福里さんが聴いてきた音楽は、今やっている音楽とはかなり違いますよね?

福里:そうなんですけど......BUMP OF CHICKENがやっていることを山里と一緒に隠れて組み込んでます。ある曲では裏メロを交互に弾いたりして。

-そこで自分の好きなテイストを織り込もうと。加勢本さんは?

加勢本:ルーツは福里と同じJ-POPなんですけど、中学の頃に洋楽を聴き始めて、DREAM THEATERと出会い、自分がやりたいのはDREAM THEATERみたいな音楽なのかもと思いましたね。

-ulma sound junctionの楽曲には沖縄的な要素はあまり感じられませんが、バンド的には沖縄的なものは意識してます?

田村:音階やスケールの部分でエスニックさを感じられると言われることもありますが、特に意識しているわけではないんですよ。滲み出ているエスニックさみたいなものは、各自が聴いている好きな音楽が混ざって、そういうものが出ているのかなと。一時期、沖縄ブランドが全盛だったんですけど。

加勢本:俺らが上京した頃は流行ってましたね。

-00年前半から中盤にかけて、MONGOL800がブレイクし、それにHY、ORANGE RANGEと続き、沖縄シーンは盛り上がりましたからね。

田村:そういうブームに乗ることも、我々は天邪鬼気質なので、正しいとは思えなかったんですよ。

-そして、今作でメジャー・デビューという形になりますよね。

田村:明確なゴールがあって活動していたわけではなく、表現したい音楽を作ることを注視していたところがあったんです。メジャー行きのきっかけとしては"エマージェンザ・ジャパン2019"で優勝し、日本代表としてドイツの"タウバタール・フェスティバル"内の"EMERGENZA2019 WORLD FINAL"に出演して、それから日本に帰って、精力的にライヴ活動するなかで声を掛けられたという。我々もノってきたところでコロナに出鼻をくじかれたので、このタイミングで声を掛けてもらえたのは良かったです。

加勢本:ライヴがないぶん、制作にも時間を当てられますからね。

-では、今作のヴィジョンというと?

田村:メジャーに行って変わったよね、とは言われたくないので、我々らしさを表現する、攻めたEPになったと思います。あと、過去曲のリレコーディングも4曲入れているので、それも歴史として聴いてもらえたらいいなって。

-新たな名刺となる音源を作ろうと。このタイミングで見せたかった自分たちらしさとは?

加勢本:「Modern Bleed」という曲をメジャー一発目に出すことですかね。インディーズ時代が長いので、メジャーで出すなら、本当はもっと万人受けするものがいいんだろうけど、こういう曲を出させてくれるのは有難いなと思います。

-「Modern Bleed」はヘヴィに振り切った曲調です。そこは現在の自分たちを見せようと?

加勢本:まさに今の自分たちって感じです。全部入りですね。

-カオティックなヘヴィさがありつつ、サビではキャッチーな歌メロが飛び出すという。

田村:そうですね。山里が持っているヴィジョンなんですけど、メロディアスであることが重要なんですよ。あと、楽曲のテーマとなる部分も大事だし、メンバーそれぞれのエゴも詰め込んで、それを集約できないと、僕らも楽しめないから。

-この曲のテーマというと?

田村:クラシックやジャズでも、セクションにおけるフレーズやテーマなどがありますけど、それを散りばめている感覚ですかね。「Modern Bleed」に関してはイントロ、Bメロ、Cメロ、アウトロに核となるドラムのリズムがあるので、僕のテーマはリズムです。

加勢本:ジャズで言うモチーフだよね。1個の似たようなフレーズを分解して入れるみたいな。作る段階ではそこまで意識してなかったけど、結果的にそうなりました。で、サビは思いっきりメロディアスにするという。

-この曲は新しいことをやるのではなく、自分たちが持っている要素を研ぎ澄ませようと?

加勢本:そうですね。ギターのフレーズもそうだし、メロディの当て方は昔の自分たちでは考えつかなかった部分ですね。

田村:シャウトもクリーン・ヴォーカルも両方やるんですけど、シャウトをナメていた部分があったんです。そこでいろんなヴォーカルを聴いて、シャウトを勉強しました。

加勢本:カオティックな表現をしたかったですね。イントロのよくわからないリズムとか、それがメロディと同居したらどうなるかなと思ったんです。

山里:イントロからハードコアみたいに始まるので、そこは考えました。聴いた人からもSNSなどで"えぐい!"という感想が多いので、そこは大成功かなと(笑)。

福里:僕はメンバー3人のエゴを受け入れるという感じですね。ひとりぐらいそういうやつがいてもいいのかなと思ってます。気づいたら、できあがってました(笑)。