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INTERVIEW

ulma sound junction

2025.04.25UPDATE

2025年05月号掲載

ulma sound junction

Member:田村 ヒサオ(Ba/Vo) 山里 ヨシタカ(Gt) 福里 シュン(Gt) 加勢本 タモツ(Dr)

Interviewer:フジジュン

沖縄県石垣島出身の4人組ロック・バンド、ulma sound junctionの最新デジタル・シングル『AXCLUSION』が完成した! 25年以上の長きにわたって愛され続けている、大人気格闘ゲーム"GUILTY GEAR"シリーズを原作とする、TVアニメ"GUILTY GEAR STRIVE: DUAL RULERS"のOP主題歌として書き下ろされた今作。アグレッシヴでスピード感ある曲調、作品の世界観やキャラクターの心情に寄り添った歌詞がアニメにぴったり。"シネマティックコア"と称されるulma(sound junction)らしい楽曲世界も満喫できる今作について、メンバー4人に話を訊く。

-4月25日に配信シングル『AXCLUSION』をリリースするulma sound junction(※取材は4月中旬)。現在、"ULMA SOUND JUNCTION 20TH ANNIVERSARY TOUR 2025"真っ最中ということで、まずは20周年への思い、ここまでのツアーの手応えからお聞きしたいのですが?

田村:年明けに沖縄でのライヴが決まってて、"これはもう全国ツアーでいいよね?"という感じで、ぬるっと始まったツアーで(笑)。僕等の中では4月27日のワンマン・ライヴから、改めてツアーを再スタートという感じで考えていたりするのですが。TVアニメ"GUILTY GEAR STRIVE: DUAL RULERS"OP主題歌のお話もいただいて、このタイミングで新曲「AXCLUSION」をリリースして、良い周年をお届けできているなと思っています。実は僕等、昨日にアメリカから帰ってきたばかりなんですけど、"National Cherry Blossom Festival"という有名なフェスに呼んでもらい、ワシントンD.C.で2日間ライヴをやって来ました。いろんな機会をいただいて、今すごく充実してます。

加勢本:改めて振り返ってみると20年ってすごく長いですけど、ここに来ていろんなタイミングが重なって。新たな気持ちでスタートを切るのにちょうどいい機会になったと思いますし、昨年リリースしたメジャー1stアルバム『INVISIBRUISE』も、ライヴでどんどん育っていってる感があって、20周年ツアーも、すごく手応えを感じています。

山里:僕は20周年ってところで、今年の頭に、沖縄で共演したバンドの子に"中学生のときから聴いてました"と言われて"マジかぁ!"と思ったり、9月には、僕たちが高校生の頃から好きだった、スウェーデンのFREAK KITCHENのOPアクトをやらせてもらえることになったり。流行りとか関係なくやってきたバンドですけど、長くやることの大事さを改めて感じています。

福里:結成20周年ですけど、メンバーとは出会ってから30年くらい経ちますから、僕は"あぁ"くらいの感じで、もはや熟年夫婦みたいな気持ちです(笑)。だから、"言わなくても分かるでしょ?"感もあるし、ちゃんと話し合わないと分からないこともあって。

-あはは、説得力のある深い話ですね(笑)。「AXCLUSION」の制作もデモを20パターンくらい出して、みんなでしっかり話し合って制作を進めたそうですね?

田村:はい。今回は僕が担当だったんですけど、うちの場合は制作のときにメイン・コンポーザーが絶対にいて。"こう進めていいものか?"っていうのをメンバーにヒアリングしながら丁寧に段階を踏んで制作していったので、そこに関しては心配なかったのですが。"GUILTY GEAR"という作品が25年以上愛されてるシリーズなので、楽曲には自信はあったんですけどプレッシャーはありましたし、"本当にこれでいいのか?"という迷いもあったので、それを乗り越えて形にできて、今は本当にホッとしています。

-長年愛してるファンがいるから、受け入れてもらえるのか? という不安はありますよね。でも田村さんは"GUILTY GEAR"について、めちゃくちゃ勉強したんですよね?

田村:そうなんです。ゲームをやり込むでも良かったんですけど、それはちょっと別の時間になりそうだったんで(笑)。ゲームを楽しむのはもちろんですが、この作品の生みの親である石渡(太輔)さんが、キャラクター・デザインからサウンドメイキングまでされているので、サントラも聴き込みましたし、公式から上がっているYouTubeの映像もしっかり拝見しました。シナリオ・ライターの海法(紀光)さんが書いた"GUILTY GEAR"関連作品を読んで、あらゆる方面から勉強させていただいて。20年以上愛してるファンの方からしたら、付け焼き刃の知識に過ぎないかも知れないですけど、この時間で溜め込んだ情報量と情熱は、どんな人にも負けないと思うし、ファンの方に胸を張れるだけのことはしてきたつもりです。

-作品や愛するファンに対するマナーですよね。メンバーだと、山里さんはもともと作品のファンで、以前からゲームをやっていたんですよね?

山里:初期の頃からやってました。ただ歴史のある作品なので、僕もやってなかった時期があって、改めてゲームをやって、足りなかった部分を埋めました。まぁ"楽しかった!"で終わってしまったんですけど(笑)。

田村:あはは(笑)。でも、山里からも"こういう歌詞を入れたらいいんじゃないか?"とかいろいろ提案があって、ファンの声を直接汲み取らせてもらいました(笑)。

-また、これまでゲームとして愛されてきた"GUILTY GEAR"が初めてアニメ化されるという、重要なタイミングでの抜擢なんですよね?

田村:そうなんです。そもそも、ゲームの中でムービーがめっちゃ流れるから、アニメの中でゲームをしてる感じはあるんですけど。

山里:この作品は舞台背景やストーリーがしっかり構築されていて。現在出ている"GUILTY GEAR -STRIVE-"ってゲームで、ソル=バッドガイって主人公のお話が一旦完結したんですが、アニメはその後のお話で、主人公もソルを慕うシン=キスクに変わるんです。

-なるほど。そもそも山里さんは"GUILTY GEAR"のどこに惹かれたんですか?

山里:キャラクターや絵ですね。無骨な格闘ゲームも好きだったんですけど、アニメも好きなので、かわいいだったりカッコいいだったり、魅力的なキャラクターがたくさんいるところに惹かれました。タイトルは知ってて、ゲーム・ショップでジャケットを見て"面白そうだな"と思ってジャケ買いしたのが20年くらい前かな? それで実際にプレイして、独自の世界観にどっぷりハマりまして。長く続いてるシリーズなので、少し離れていた期間もあったんですが、この半年くらいでまたしっかりやり込みました。

田村:それだけの期間長く深く愛されてきた作品ですから、楽曲に対する違和感があってもしょうがないなって腹をくくって。この作品に相応しいサウンド、スピード感、勢い、エネルギーを込めたものを作るべきだろうという気持ちで、インスピレーションも大事にしながら曲作りに臨みました。で、そこに歌詞だったり、世界観だったりを結び付けていければいいと思っていたので、そこまで気負わずにできた感はありましたね。

-それに至るまで、しっかり勉強して、情報が頭に入ってるという裏付けもありますしね。もともと、メタルやハード・ロックと親和性のある作品だったんですよね?

田村:そうなんです。ゼネラル・ディレクターの石渡さんが、キャラクター・デザインもしながら、そのキャラクターのテーマ曲も作ってしまうというすごい方で。サントラを聴いても石渡さんの曲作りが本当に幅広くて、僕が思い付かないアプローチをしてくるんで、そこにも程良いプレッシャーを感じつつ。
キャラクターのテーマ曲は、主に女性ヴォーカルの曲をAISHAさん、男性ヴォーカルの曲をNAOKIさんが歌ってらっしゃって。僕はNAOKIさんのヴォーカルも意識したので、今まで聴いてきたファンの人にそれが伝わったら、してやったりかな? と思って。実際、ライヴに伺ってNAOKIさんや石渡さんとお会いして、OP主題歌を担当させていただくこともお伝えできましたし、石渡さんにはお礼を言われて恐縮してしまったりしたので、本家本元に認められたじゃないですけど、それもあって自信を持って聴かせられることが嬉しいです。