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INTERVIEW

TRIVIUM

2015.09.18UPDATE

2015年09月号掲載

TRIVIUM

Member:Paolo Gregoletto(Ba)

Interviewer:米沢 彰

-だからこそこの曲がタイトル曲なんですね。先立って公開されたTrack.7「Until The World Goes Cold」のMVではサビのパートでのコーラスがものすごく耳に残りますが、サビに限らずメロディ部分でもかなりコーラスが入ってきているのが印象的でした。これまで以上にクリーン・ヴォーカルが増えたように感じたのですが、ご自身ではどのように考えていますか?

そうだね。今までもクリーン・ヴォーカルがほとんどのアルバムは作ったことがあるから、まったく唐突な話というわけじゃないけど、今回は、あれくらい歌があると、コード進行なんかも定まってきて、全体のフロウに影響を与えるんだ。と言うのも、転調や音が合っていないと、今までと同じように強調することができなくなってしまうからね。今回は「Until The World Goes Cold」みたいな曲を書くことを念頭に作業を始めて、プリプロダクションまでに何ヶ月も費やしたんだ。サビのところはいろいろいじったけど、最初からああいう方向性ではあったね。本当にいろんな歌い方が考えられたんだ。ギター・ソロでも例えば2時間与えて50のソロを考えてもらって、どれも素晴らしいけどどれが1番いいんだ?と議論になることがある。それと同じで、いろんな歌い方があった。でもその中からとにかく1番理想的なものを見出さないといけない。試練だったね。こういうことができるバンドはそう多くないから、楽しい試練だったんだけどね。"俺たちにはこれができるか? これをやるほどの技量があるのか?"と自問しながらの作業だったんだ。自分たちにチャレンジを課したんだ。

-曲ができてから長年あたため、チャレンジを受けてたち、ようやくモノにすることができたなんて素晴らしいですね。

そうなんだよ! 10年後も作りたいと思える音楽だね。ヘヴィな音楽を作り続けながら音楽性を広げていきたいんだ。

-その広がりがビジュアル面にも現れているのではないでしょうか。真っ白な中に陰影が浮かび上がるモノクロのアート・ワーク、白黒の映像で全編が構成された「Until The World Goes Cold」のMV、そして白を想起させるアルバム・タイトル"Silence In The Snow"と、白と黒によるモノクロの世界観が作品の基調にあるように感じられます。これは共通したコンセプトによるものでしょうか?

ビデオに関しては必ずしもイメージやテーマがあったわけじゃないんだ。ただ、「Until The World Goes Cold」と「Silence In The Snow」は似ているけどね。Track.3「Blind Leading The Blind」はちょっと毛色が違うんだ。アルバムのジャケットに関しては、シンプルでアイコニックなものが欲しかったんだ。デザインは去年、Mattや俺のタトゥーをやってくれたヤツが手掛けてくれた。それをジャケットにしたいという気持ちは初めから固まっていたけど、絵にするか写真にするかで結構話し合ったね。実際にマスクを作ってもらって写真を撮ったんだ。でも白地に白いマスクというアイディアは即全員一致だったよ。このジャケットはアルバムの内容を集約していると思う。クラシックでありモダンなんだ。昔のバンドみたいにジャムりながら曲を作りつつ......まぁそれがバンドのあるべき姿だと思うけど、それと並行してツアーではPCも駆使したり、最新のテクノロジーを使って録音したりして、モダンなものも活用する。そういうのをミックスするというのが今回のアルバムでの目標だったんだ。ジャケットがアルバムの内容を理想的な形で集約したのは今回が初めてじゃないかな。

-だからアート・ワークが特に幻想的で非常に面白い見せ方に見えたのかも知れませんね。日本の能面にも近い感じがしますが。

あれを作ったヤツは日本の伝統芸術にとても傾倒していて、彼が手がけるタトゥーもほとんどがジャパニーズ・スタイルなんだ。俺たちがアイディアを相談したら、あのデザインで応えてくれた。普段から、伝統的な面にインスパイアされたデザインが多いんだ。まさに俺たちの欲しかったデザインだったよ。今ではTRIVIUMを象徴するイメージでもあるんだ。Tの字のロゴは今でも使っているけど、これもメインのロゴとして使うことにした。

-ぱっと見アンビエントですけど、よく顔を見ると結構攻撃的ですよね(笑)。あのギャップも面白い。

だよね! オール白なのが攻撃的なところをミュートしてくれているような気がする。クールだね。みんなの解釈を聴くのが好きなんだ。音楽と同じで、その人の考え方や経験次第でいろんなふうに解釈できるものだと思うからね。