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INTERVIEW

HEAD PHONES PRESIDENT

2014.08.05UPDATE

2014年08月号掲載

HEAD PHONES PRESIDENT

Member:Anza (Vo) Hiro (Gt) Narumi (Ba) Batch (Dr)

Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)

-ではこれはメンバー皆さんから発信したアイデアなんですね?

Anza:いやこれは私です。私のわがままでしかないですね。ただこのジャケットにはちゃんとメッセージがあるんです。闇に向かって行くのか、光に向かって行くのかは自分たち次第っていう。この2年ってすごい濃くて、今後どういうヴォーカル・スタイルでやっていくかも悩みましたし、このレコーディングの最中もメンバーがどんどんレベル・アップしていって。今までは"Anzaの好きにしなよ"って意見がすごく多かったんだけど、今回特にHiroから来る難題が私の中ではすごく自信をなくすことが多くて。それはメロディ・ラインだったり歌い方だったり......それでずごく葛藤しちゃって。私、HPPのヴォーカルとしてもうダメなのかなってところまで落ち込んだこともあって......。辞めようかって時もあって。でも実際、また1つ引き出しが増えて、今までのAnzaのスタイルを破るチャンスを与えてくれたのかなって。"HPPのヴォーカルのAnzaだから、こういう格好で、こういう歌い方で、こういう感情で歌わないといけない"っていう固定概念を取っ払うチャンスを与えてくれたアルバムかなって思います。これからはより自然体でいたいなって。自分で作ったイメージだけど、だんだんそれが苦しくなってきてるのも事実あって。ライヴ中も喋りたいのに喋れない、衣装もどこかドレッシーじゃないといけない、って。でもどこかで私は"おはようございます、じゃあ歌います"ってラフな感じで衣装もラフなパンツ・スタイルで歌いたいって気持ちもあって。だから今後のライヴではドレスの時もあるだろうし、パンツ・スタイルのラフな格好もあるだろうし。私の中ではそうやってオープンになれた作品、その意味も込めてこのジャケットにしたかったんです。でもちょっとビックリされるだろうなって。

-僕もビックリしました(笑)。またアルバム・タイトルである『Disillusion』は、直訳すると"迷いから覚める"とか"本当のことを教える"という意味がありますが、実際どういう意味で付けたのでしょう?

Hiro:これはまさに"迷いから覚める"という、今までのHPPのイメージを持ってる人からしたら、聴いてビックリするんじゃないかなって。こんな1面があったのかって。そのイメージがすごいピッタリな言葉だったんです。みんな1発で気に入りましたね。

-では最後にメンバーそれぞれこだわった点を教えてください。

Narumi:僕は歌詞ですね。以前は自分と戦うような歌詞がすごく多かったんですけど、今回は日常生きてれば起こるようなことを書いてるので、共感できる人がたくさんいると思うんです。ですので、対訳も見て欲しいですね。

Batch:最初ドラム・パートは打ち込みで進んでいたのでドラム・フレーズを組み立ててたんですが、やっぱりうまく表現できないんですよね。ヴェロシティとか音量で作っててもやっぱり呼吸がないリズムになってるので。自分でドラム叩く時に1番気を付けてること、追求してることがパルス、呼吸だったんで、改めてそれを認識できて、ちゃんと考えて演奏することができた作品になりました。そこを聴いて欲しいです。

Hiro:僕はピアノのプレイです(笑)。実は自分で弾いてます。あれが1番つらかったです。前作でも少し入ってるんですけど、あれは打ち込みでやってたんで、間違っても直せたんですけど、今回はよせばいいのに前回を越えるには生ピアノだろうと思いまして(笑)。レコーディング中に生ピアノのあるスタジオを探して押さえて(笑)。でもエンジニアさんを連れて行くわけにはいかず、MacとProToolsを持っていって自分で録って。1発録りなんですよ、途中から直すとかできないんで。専門のエンジニアさんがいればできるんですけど、全部1人なんで無理でしたね。まぁ生ピアノをナメてましたね (笑)。キーボードとかってどんなタッチでもそれっぽくなるんですけど、生ピアノって本当にタッチを正確に一定の力で弾かないとツブが揃わないし、サスティーン・ペダルの足さばきなんかも重要で。繊細な曲なので、ペダルを踏む音までもマイクが拾ってしまうので結構難しくて、何度も失敗してイライラしてきてAnzaに八つ当たりして(笑)。2時間しかなかったんですけど、そこで間に合わないと1曲収録できなくて成立しないというプレッシャーと戦いながら録ったんです。だから感動の名曲になってるはずなんですけど、自分的にはあの時の怒りがこみ上げてきて、真逆の曲なんです(笑)。しっとりしてるけど、ピアノは怒ってるんです(笑)。そこを感じ取って欲しい!

-そこを感じ取るのは難しそうですね(笑)。

Anza:そこはあんまり気にしないでください(笑)。

-もう1回聴いてみます(笑)。最後にAnzaさん、いかがですか?

Anza:いろいろ苦労はありましたけど、HPPの新たな側面を出せたっていうのが1番ですね。解散危機を乗り越え、個々のクオリティもすごく上がったし、これから自分たちが進む道が楽しみになってきた作品になりました。とにかくライヴでこの作品がどんな変化をみせるのかを観に来ていただきたいです。もちろんHPPを知ってる方はその変化を楽しんで欲しいし、知らない人は"HPPってこんなこともやるんだ"ってことを感じ取ってもらいたいと思います。