DISC REVIEW
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紅一点カリスマ・フェメイル・ヴォーカリスト、Anza擁するHEAD PHONES PRESIDENTが2年ぶり4枚目となるフル・アルバムをリリース。4人編成となって初の作品である前作でポピュラリティに向き合いストレートなサウンドを鳴らした彼らだが、今作ではその方向性をさらに突き進めている。リズミックでダンサブルなTrack.1「The One To Break」やTrack.3の「I Mean It」がその代表的な曲だろう。またスラッシュ・メタルさながらに突っ走るTrack.2の「A New World」も過去の彼らにはないタイプの曲だ。とはいえ現代の流行に擦り寄るわけではなく、HPP特有のヘヴィ・ロック・サウンドとの絶妙なシンクロ具合はさすがである。個人的にはDAFT PUNKのサントラ『TRON : LEGACY』にインスパイアされたというTrack.5「Wait」がおススメ。ダークな質感とテクニカルでハイセンスなギター・サウンドが無性に心地いい。 村岡 俊介(DJ ムラオカ)