MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

HEAD PHONES PRESIDENT

2014.08.05UPDATE

2014年08月号掲載

HEAD PHONES PRESIDENT

Member:Anza (Vo) Hiro (Gt) Narumi (Ba) Batch (Dr)

Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)

-今作のお話の前にまず前作を振り返っていただきたいのですが、前作『Stand In The World』はレーベル移籍、メンバー編成が変わってから初めてのアルバム、そしてフル・アルバムとしても5年ぶりと、非常にトピックの多い作品だったと思いますが、今振り返ってみてHEAD PHONES PRESIDENT(以下HPP)にとってどんな意味を持った作品でしたか?

Anza:5人編成から4人編成になったことで、世界観重視でドロッとした楽曲から、少し扉を開けて新たに少し光の部分を出せるようになったアルバムであったと思います。

Hiro:そもそも4人になって初めての作品だったんで、やり方も全く分からなかったし、試行錯誤の連続の中でできたアルバムでした。何ができるのか自分たちでも分からないまま突き進んで完成した作品です。

Anza:だからある意味縛りがない、ゼロからスタートできた作品ですね。

-今まではその"縛り"があったからこそ作りやすかった部分もあるんじゃないかなとも思うんです。"縛り"がなくなることで、新たなサウンドを模索するという産みの苦しみはありませんでしたか?

Anza:前作の制作時は何にも苦しくなかったです。逆に早かったですね。曲を持ってくるメンバーもそうだし、メロディや歌詞もそうですけど、今作の方が苦しかったですね。

Hiro:今まであえてポピュラリティの部分を避けてきたところがあって。それを素直にやってみたアルバムとも言えると思います。今まで無理にダークに難解にとアイデアをひとひねりしてたものを、ストレートに表現したアルバムだったと思います。

-Hiroさんの楽曲制作に関してもスムーズに行きましたか?

Hiro:そうですね、今まで自分がやりたかった、自分のルーツとしてメロディがしっかりした音楽の影響をHPPで表すとどうなるのかなってことはずっとやってみたくて。それを具体的にできた初めてのアルバムでもあるんです。そういう意味では今まで温めてたアイデアもすんなりと入れることができたと思います。

-過去にたくさんの作品を出してきてはいますが、1stアルバムが完成したときと近い感覚ですか?

Anza:そうですね、新生HPPという意味で、正にその通りだと思います。

-振り返っていただきありがとうございました。さて今作の話に移ります。前作から2年という間隔で今作『Disillusion』が完成しましたね。今作は制作が遅れていたというお話を小耳に挟みましたが実際のところいかがでしたか?

Anza:本当はこのアルバムは去年出す予定だったんです。去年はOZZFESTの出演機会もあったので、そのタイミングで出したかったんですけど、『Stand In The World』を超えるものを!という思いが頭から離れなくて産みの苦しみがありましたね。私自身のことですけど、前作を作ったあとに創作意欲がなくなって......燃え尽きてしまったというのが本音で。前作を超えるものが全然降って来なくて。同じことをしてもつまらないしって考え込んだりなかなか前に進めなかったんです。

-楽曲は早い段階では完成していたんですか?

Hiro:なるべく早く出したかったので、結構早いタイミングで着手はしてました。今まで5年とか普通に開いちゃってたんで、そういうイメージを変えてもっとコンスタントに出せるバンドになりたかったんで。曲作りは早い段階でやってたんですけど、前作の完成度にみんな満足していたので、その分自分たちでハードルを上げてしまって、並みの曲では満足できなくなってしまったんですよね。以前だったら"あ、この曲いい感じだね!いけるよ!"って進めていたものでも今作では"これじゃあフックが足りない"って、どんどんボツになっていって。そのプレッシャーに苛まれて、今度は全くアイデアが思い浮かばなくなっちゃって......。そういうところもあって2年かかってしまいました。

-ボツにした曲も多かったんですか?

Anza:今までで1番多かったですね。

Hiro:Anzaからいろんな情報か来るんですよ。今はこういうのが主流だとか、市場調査に余念がないんですよ(笑)。

Anza:いやいや(笑)。まぁDJもやるようになったので。

Hiro:"シンセの同期にヘヴィなリフが絡んで、こういうのが今人気なんだよ"とかそういう情報をくれるんですよ。で、"なるほど、こういう要素が流行ってるのか、じゃあHPPにこういう要素を取り入れてみよう"と、いろいろ曲を作ってみるんですけど、やっぱり急にそういうことをしてもフィットしないので、現代の流行のテイストを取り入れつつ、今までのコアな部分を残した曲を作るのに時間がかかりましたね。

-馴染ませるというか、現代の流行のテイストに寄り切らず、自分たちの音を残しつつということですよね。

Hiro:あまり現代の流行のテイストがメインになってしまってもバンドとしての説得力がなくなってしまうし、すべて排除してしまっても時代にフィットしないし。新しいファンを開拓することも大事ですし、できるだけたくさんの人に聴いてもらいたいというのは前作からのテーマだったので、そこはこれからも継承してやっていきたいです。