INTERVIEW
HEAD PHONES PRESIDENT
2015.11.12UPDATE
2015年11月号掲載
Member:Anza(Vo) Hiro(Gt) Narumi(Ba) Batch(Dr)
Interviewer:荒金 良介
-今年バンド結成15年目に入りますね。改めて結成当時にやりたかった音楽をお訊きしてもいいですか?
Anza:もともと私はアイドルとして活動してたんですよ。それからソロ・アーティストになるということで、バック・メンバーが必要になって。そこでHiroと出会ったんです。私は母親がBON JOVI好きなくらいで、そこまでロックを聴いてなくて。で、HiroからいろんなバンドのCDを聴かせてもらい、ヘヴィな音楽にハマッていきました。それでもっと感情を出せるバンドを作りたいなと。
-HiroさんからはどんなCDを薦められました?
Anza:ギター・キッズが喜びそうなものばかりです(笑)。LAメタルとか......。
-えっ、そうなんですか?
Anza:逆にそっちばかりでしたね(笑)。彼(Hiro)はHAREM SCAREMとかそのあたりが好きなんですよ。最初は5人編成でやっていたんですけど、脱退したHiroの弟のMARがKORNやDEFTONESが好きで、それを聴いたときにロックの深さにやられて。"こんなにかっこいいことができるんだ、それを女性ヴォーカルでやったらどうなるだろう?"っていうところから2000年の結成に至ります。
-じゃあ、Hiroさんよりも弟さんの影響が大きかったと。
Anza:ははは、弟でしたね。
Hiro:だって、LAメタルのテイストはないじゃないですか。
-ええ、そのキーワードが出るとは思わなかったです(笑)。
Hiro:当時は完全にそういう音楽が下火で、ミクスチャーの波が来て、ギター・ソロはいらないという風潮でしたからね。ほんとはメタル好きで、ギター・ソロも大好きなんだけど、それを隠してリフに徹してました(笑)。
-Hiroさんの好みはLAメタルですか?
Hiro:それとギターのインストものですね。Joe Satriani、Steve Vaiとかに夢中でした。そういう音楽が好きな一方で、AnzaはNINE INCH NAILS、WHITE ZOMBIE、hideさんとかインダストリアルなテイストの方が好きみたいで。初期は音楽性を模索していたので、そういう曲もありましたね。
-Anzaさんがヘヴィ/インダストリアル・ロックに惹かれた理由は?
Anza:1stシングル(2000年リリースの『escapism』)を出したときに、"女版KORN"とよく言われてたんですよ。それこそ7弦ギター、5弦ベースを使ってましたからね。とにかく、私はJonathan Davisが大好きで。あんなに感情をまき散らして、音楽として成立するんだなと。ネガティヴな要素って、あまり歌の中に入れないのにトラウマ的なものを含め、メロディに乗せて歌うんだって。ずっとアイドルをやってきたので、他人に言われたことをやるのが苦痛で仕方なくて。
-ああ、その反動もあるんですね。
Anza:私も人間だし、ネガティヴな気持ちを吐き出す場所がなかったから。KORNとJonathan Davisに出会って、こんな表現をやってみたいなと。当時はかなり意識してました。"KORNみたいだね?"と言われても、"好きなんで、ありがとうございます!"という感じでしたね。
-でも当時はKORNっぽいバンドは多かったですからね。
Anza:周りにギター・ソロやってるバンドも一切いなかったし、ギター・ソロなんて時代遅れでしょって。メタルっぽいことには大反抗してました。今思えばそれをやれば面白かったかなと思うけど、あのときはそれで良かったのかなと。当時メンバーもメタルやプログレが好きだったから、いろいろ大変だったんだろうなって。
-Anzaさんのテイストで押し切っていたんですね?
Anza:かなりワガママを言ってましたね。
-KORN的な色合いは今のバンドの音楽性とも通じますね。
Anza:そうですね、軸としてありますね。
-そして、2002年にNarumiさんが加入しますね。
Narumi:当時は商業ベースでは成功してないけど、周りに面白いインディーズ・バンドがたくさんいたので毎日発見がありました。CULT OF PERSONALITY、TITTYTWISTERとかいた時代ですね。で、ある日電話がかかってきて、ベースを弾いてくれと言われて。メンバーの中ではKORNを1番聴いてたし、ミクスチャー創世記のRED HOT CHILI PEPPERS、FAITH NO MORE、BEASTIE BOYSとか大好きで。その流れでSYSTEM OF A DOWN、RAGE AGAINST THE MACHINE、KORNが出てきて、その流れをずっと追っていたから。バンドに入ったときは1番フィットしていたかもしれない(笑)。逆に1番音楽性を理解してるみたいな。
全員:はははは。
-それからBatchさんが2005年からサポート・ドラムで入りますよね。
Anza:知り合いのバンドから、HEAD PHONES PRESIDENT(以下:HPP)に合うすごくいいドラマーがいると紹介されて。で、こんな感じなので......。