INTERVIEW
HEAD PHONES PRESIDENT
2015.11.12UPDATE
2015年11月号掲載
Member:Anza(Vo) Hiro(Gt) Narumi(Ba) Batch(Dr)
Interviewer:荒金 良介
-でもAnzaさんの前では吸わなかったんですよね?
Anza:だから、それは偉いなと。このバンドがなくなるまで、私も頑張ろうと思いました。かっこ良く言えば、バンド愛ですよね。
-いい話じゃないですか。
Anza:これは絶対書いてください(笑)。
-バンドの結束力は強いんですね。
Anza:15年間は山あり谷ありで、何度も解散危機があったんですよ。
-そうなんですか?
Anza:特にここ(AnzaとHiro)は仲が悪くて。
Narumi:大体、3ヶ月に1回は解散しかけてます(笑)。
Anza:もちろん音楽的なケンカですけどね。ほんとに犬と猿の関係です。
-ふたりはオリジナル・メンバーなのに、よくここまで続きましたね。
Anza:自分でもよくやってると思います(笑)。
Narumi:でもそのズレが面白いんですよ。ズレてるアイディアをくっつけることにやりがいがある。
Anza:たまに光ることを言ってくれちゃうから。
-含みがありますね。
Anza:そう言っておかないとね(笑)。当然ひとりひとり違うけど、Hiroさんだけはまったく違うところにいるから。
Narumi:年齢も少し違うから、そこがいいのかなと。
-それが音楽の幅に繋がりますよね?
Anza:そう! それがこのバンドに確変を起こしてくれるんですよ。ケンカしながらも、仲はいいですからね。私たちの楽しみはツアーで健康ランドに行くことですからね。誰もタトゥーを入れてないのは健康ランドに行けなくなるから(笑)。
-そうだったんですか! では、音楽の話に戻しましょう。
Hiro:ウチは音楽的なバックグラウンドは全員バラバラなんですよ。要求したものに対するレスポンスもイメージと違うし、その意図をひとつひとつ汲み取るのは困難だけど、その価値観の違うメンバー全員が気に入ったときには光るものができるんですよ。そこを妥協せずにやれたから、今まで続けてこれたのかなと。全員が納得しなかったから、やりませんからね。それを誠実にやってきたのでケンカもするんですよ。自分が想像しないような閃きを出してくれると信じてますからね。
Anza:この4人で初めて作った『Stand In The World』(2012年リリースの3rdフル・アルバム)という作品から、今までの技術だけでは足りないと痛感して。ツイン・ギターで埋めていたものを4人だけでやるとなると、歌のラインもメロディアスになるし......メンバー全員、お互いの求めるものが高くなって、宿題が増えたみたいな感覚ですね。
-2010年にギターのMARさんが脱退して、4人編成になったことで責任感が増したと。
Narumi:違うバンドをやるぐらいの感覚でしたからね。
Hiro:そこが今回のアルバムの起源なんですよ。4人になって、自分が今まで弾かなかったところを弾くことになり、何もかもが変わったんですよ。分担する作業が増えたから、ここ2年は試行錯誤してました。まず音の薄さに驚愕して、イチからアンサンブルを見直しましたからね。
-そして、今作でようやく4人のバンド・グルーヴを作品化できたと?
Hiro:5人時代の曲を4人でやったら、どうなるかなと。15周年という節目でもあるし、過去の人気曲を今のテイストでアレンジしようと。
Anza:なおかつ、かつてないダブステップとかをリミックスでリクエストしましたからね。15周年の区切りとして、新曲も入っているけど、この4人でやったらどうなるのかを見せたくて。このタイミングを逃したら、遊べないよねって。ベスト・アルバムを出すことを嫌うメンバーですし。だったら、曲を改造しちゃおうって。昔の曲でも4人でやると、これだけ変わるんだという再発見もありました。
Narumi:5人時代の曲を今やることで15年の歴史を繋ぐことができるのかなと。そういう意味でやって良かったですね。
-今作を聴くと、他の何でもないオリジナリティが出てますね。
Anza:そう言ってもらえると、嬉しいですね。HPPはどこにも属せなくて、いつも一匹狼的な感じで、どこに行ってもアウェイだったけど今はそれが武器だと思ってます。ただ、今までは自分たちを貫き通すという感覚だったけど、4人になってもっと喜怒哀楽を外に出していこうと。HPPが作ってきたものにこだわりすぎないように気をつけてます。明るい曲も好きだし、世界を広げていけたらなと。そう意識しても最終的にHPPぽいものができるんですよ。だからこれからは自由にやれる、どこでも行けるじゃんって。今回で縛りがなくなりましたね。