INTERVIEW
HEAD PHONES PRESIDENT
2015.11.12UPDATE
2015年11月号掲載
Member:Anza(Vo) Hiro(Gt) Narumi(Ba) Batch(Dr)
Interviewer:荒金 良介
-どんな感じですか(笑)?
Anza:第一印象はぽーっとしてる感じで、ハードなドラムを叩くようには見えなくて。でも叩かせると、スティックはでかいし、パワー系ドラムだったから、HPPの音楽的な重さを補ってくれるなと。前のドラムも手数が多かったけど、彼(Batch)は低い部分を支えてくれるタイプで、そういうドラムが欲しいと思っていたんですよ。
-ピッタリだったんですね。
Anza:でもベースが何度もメンバー交替していたということもあって、ちゃんと気持ちを持ってくれる人じゃないと、正式メンバーにできないなと思っていたんです。自分たちからというより、本人にその意志があったらメンバーにしようかなと。
-それで正式メンバーになるまで4年間かかったと。
Anza:えっ、4年もサポートしてたの(笑)?
Batch:言うタイミングがなかったんだよね。今さら言うのもなって。
Anza:実はメンバー間で"いつ言うんだろう?"って話してたんですよ(笑)。
Batch:きっかけは"LOUD PARK 08"に出たときですね。そのときに本腰でやろうと決心しました。当時別にバンドをやっていたんですけど、音楽的に自分のやりたいことはHPPの方が近くて、もともとKORNが好きだったこともありましたし。あと、僕の師匠でもあるEARTHSHAKERの工藤さん(工藤"KUDO"義弘)が、"おまえはこっちのバンドだろ?"と言ってくれて、自分の気持ちが固まりました。
-Batchさんが加入して、バンドのボトムは強化されました?
Anza:スタイルが全然違うので、幅は広がりました。ドラムの手数が多いと、歌をジャマするし、彼が入ったことでメロディのつけ方が自由になりましたね。あと、Narumiのベースとも面白い絡みをするから、歌ってて気持ちいいんですよ。
-Narumiさんはどうですか?
Narumi:前のドラムは上手かったし、"ベースはこうあるべきなんだよ"といろいろ教えてくれて。でもそれをあまり消化できないまま、Batchが入ってきたから、こんなに違うんだって。ようやく前のドラムが言ってることが理解できて、自分も試行錯誤できるようになりました(笑)。それからベースとドラムの兼ね合いを考えるようになったんですよ。音数が前より減ったぶん、わかりやすくなったのかなと。
Hiro:よりシンプルでロックになったよね。隙間も増えたので、ギターのフレーズも吟味するようになりました。曲の視界が開けたので、1音1音で構築しないと説得力に欠けるなと。
Anza:私もBatchが入ってから、ギター・ソロを求めるようになりましたね。隙間があるから、ソロもかっこよく映えるんじゃないって。
-結成当時と真逆じゃないですか。
Anza:はい(笑)。だから、メンバーが替わることで意味のある変化ができた。ああ、これで自分たちの方向性が見えてくるなって。
-上には上がいますけど、HPPのようにヘヴィな音楽を15年やり続けてるバンドも希少ですよね。
Anza:同期のバンドは見事にもういませんね。あの時代のミクスチャー・バンドもいないですからね。
-バンドをこれだけ続けられた理由は?
Anza:ある意味この人たちは音楽バカなんですよ。心はキッズのままなんです。お酒も飲まないんです、ウチら打ち上げが大っ嫌いだから。
-そうなんですか(笑)?
Anza:自分たちは音楽的な話をいろんなバンドとしたくて。打ち上げに行っても、メンバーだけで固まってます。周りからはあのバンドは付き合いが悪いからって、さんざん言われました(笑)。
Narumi:当時、打ち上げはバンドと関係なかったから。
-打ち上げはそういうものじゃないんですか? 親交を深めるというか。
Narumi:いや、今はまた違うかなって。
Anza:今の若い子は機材の話とかするんですよ。
Narumi:昔は大学生のサークルのノリで、とにかく飲め!みたいな(笑)。
Anza:昔は私もタバコを吸ってたけど、喉をやられて、タバコをやめないと歌えなくなると医者に言われて。もちろん歌を選ぶじゃないですか。そのときにメンバーも一緒にタバコをやめてくれたんですよ。若干、隠れて吸っていたメンバーもいたみたいですけどね(笑)。