INTERVIEW
HEAD PHONES PRESIDENT
2014.08.05UPDATE
2014年08月号掲載
Member:Anza (Vo) Hiro (Gt) Narumi (Ba) Batch (Dr)
Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)
-怒り続けるというよりはそこはかとない悲しみや寂しさというか。
Anza:そのとおりですね。実はこの曲の歌詞はUNITEDの横さんに対して書いたので......。すごくよくしてもらってた方なので......。実は当初は全然違う歌詞だったんですけど、それが私の中では嘘くさくてリアルさを全然感じなくなってしまって。それで、歌詞を英語にしてもらう時にこういう感じにしたいってNarumiに無理矢理お願いして。
Narumi:作業してても横さんのことしか考えられなくて。
Anza:本当にあの1週間はもうひどくて。
Narumi:ただただその時の気持ちをそのまま入れたんだよね。
-この曲は特に寂寥感を感じるんですけど、Track.4の「Breeze」にも感じます。
Anza:「Breeze」は台湾に対して歌ってる曲なんです。つい最近までひまわり学生運動ってあったじゃないですか。その運動に参加してた台湾の友人がすごい多くて、私たちにとっても衝撃的でした。台湾って私たちにはとても特別な国で、ちょうど曲を書いてる時にそれが起こって、でき上がった曲とメロディを聴いた時に、バイクがすごい多い国なんですが、そのバイクのエンジン音がずっと頭の中で鳴っていて。これはたぶん私に台湾のことを書けって言ってるんだなって。今まで全くそういう風に思って書いたことはなかったんだけど、好きな場所、好きな国のために1曲残したいなという思いで書いた歌詞なんです。今までは過去の私の苦しみを書いていましたが、"NOW"を書けるようになったのはすごく大きいですね。日常的なリアルです。
-そしてTrack.7の「Dance With Shadows」は、Track.6「Miss You」までの流れとTrack.8「Far Away」からの流れの間に、あえてひとつブレイクを置いたように感じたのですがいかがですか?
Hiro:今仰ったとおり、クッション的な役割の曲が必要だったので入れました。あまりにも曲のテイストの落差が激しくて、前半ノリノリ、後半堕ちていくみたいな感じになってるので、場面転換が必要になってきて。そういう理由があったのと曲自体レコーディングに入った段階で足りなくて、レコーディングに入った時にスタジオに置いてあったマンドリンで作ったのがこの曲なんです。なので着手したのが1番最後で、みんながドラムやベースや歌を録ってる間に空いてるスタジオに入って、自分のMacでマイク立てて録ってたんですよ。こういうテイストの曲が絶対必要だなって思ったんで。意外と伝統的なHPPサウンドになりました。
-もともとHPPはトライバルな雰囲気もありますもんね。
Anza:久々に出したかったんですよね。
-トライバル感は特に4人編成になってから消えてきてますよね。
Hiro:バンドのコアなファンの人にはこのテイストちょっと懐かしいなって思ってもらえるかもしれないですね。この曲では自分もちょっと歌ってます。
Anza:そうなんです!また良い声しててねぇ(笑)。
Hiro:仮歌の時に歌ってて、歌詞はAnzaがその場で書いてくれたんですけど、譜面を印刷したりメロディ・ラインを入れて伝えるのが面倒で、歌って伝えようとしてたら、"それ録音しちゃえばいいんじゃない?"ってなって。それで、下の低音のハモリの部分を全部歌うことになりまして。低音部分なんであんまり目立ってないですけど、実はうっすら歌ってるんです。
-でも男性ヴォーカルが入ってるのは分かりましたよ。
Hiro:あれ?分かりましたか?
Anza:分かるよ!
Hiro:自分の声聴きたくないから聴こえないのかな(笑)。そんなに聴こえてるのか......。言わなきゃよかったな(笑)。
Anza:"Hiroです!"ってバッチリ書いておいてください(笑)。
-この曲から次に繋がるTrack.8「Far Away」、Track.9「Left Alone」は寂寥感に加えて、怒り、憤りが加わっているように感じました。
Anza:「Far Away」はそこまでブチギレてはないです。この曲は今までありそうでなかった感じで、気持ちがあっち行ったりこっち行ったりしてるんです。三重人格ぐらいの感じですね。
Hiro:もう展開がぐちゃぐちゃなんで(笑)。もともとAnzaとNarumiが送ってきたデモに好き勝手にギター入れた結果がこの音なんです。
Anza:本当はもっとダーク寄りで作ってたんですけど全く違う曲になって返ってきたんです。
Hiro:ドゥーミーなどんよりした感じ。
Anza:逆に驚きすぎてイヤとは言えず(笑)。よく聴くと面白くて。予想外でしたよ!
Hiro:もう真逆のアプローチをしてやろうと思ったんです(笑)。思いつく限りのいかれたギターをどんどんくっ付けていって。