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INTERVIEW

HEAD PHONES PRESIDENT

2014.08.05UPDATE

2014年08月号掲載

HEAD PHONES PRESIDENT

Member:Anza (Vo) Hiro (Gt) Narumi (Ba) Batch (Dr)

Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)

-「I Mean It」ができたタイミングはいつ頃ですか?

Anza:結構早かったですね......といっても今年に入ってからですが。

-「The One To Break」よりはかなり後ということですよね。

Hiro:そうですね、完成したのは2014年ですけど2013年にデモは作ってました。

-なるほど。Track.2の「A New World」は今作の中では1番荒々しい曲ですね。あえてスラッシーな粗野な荒々しさを残しているのが伝わってきます。また荒々しさの中のサビのキャッチーなメロディが際立っていますね。

Anza:そうですね。伸びのあるサビがいいなってずっと思ってて。なかなかそれって自分の中で100%フィットすることができてなくて。特にこういうスラッシーな曲って、今まではスラッシーな要素はあっても、ここまで振り切った曲は初めてで。今までの作品ではメロディは全部書いてきたんですけど、今回は新しい要素を入れるにはメンバーからのアイデアも必要だから、Anza節を捨ててみようと思って結構メンバーに投げたんですよ。それで返ってきた良いものを取り入れていった感じです。

-なるほど。この曲は良い意味でコントロールされてる曲ですよね。スラッシーで荒々しく、破天荒に向かっているように見えつつも、きっちりとサビで落とすというか。

Hiro:こういう速い曲調って前からチャレンジしたくて、でもやっぱりやってみると難しいんですよね。バンドのコアな部分、HPPらしさがどうしても薄れてしまうというか、諸刃の剣なんですよね。ありがちなメタルの曲になるか、HPPのコアを残しながらフックのある曲になるのかっていう、そのギリギリの調整が難しかったですね。タフな感じのテイストのままずっと行くと古臭くなっちゃうし。なのでサビ以外のAメロ、BメロとかはタフなイメージでPhil Anselmo(PANTERA、DOWN etc)をAnzaが歌ったらどうなるのかな?って感じで。今までは音楽的に言うとブルー・ノート(※ジャズやブルース などで使われるメジャー・スケール(長音階)に、その第3音、第5音、第7音を半音下げた音を加えて用いるもの)を多用したメロディってあんまりなかったんですけど、タフな感じを出したかったからブルー・ノートを入れた雰囲気のメロディをAメロ、Bメロに入れて、サビは思いっきり突き抜けさせた感じですね。メリハリも出せたし、スピードもダブル・ベースやハーフ・テンポになったりしつつ場面を変えていってまとめた曲なんです。当初ギター・ソロの部分もずっと突っ走ったままの感じだったんですけど、どうしても普通のメタルになっちゃうので、思い切って逆にドゥーミーな感じにして、ものすごいスロウなパートに落としたアレンジに変えたりして、なかなか面白い感じに仕上がったかなと思います。

-この曲を挟んでTrack.3「I Mean It」が来るのも面白いのかなと思いました。この3曲目までは解放的な雰囲気で、4曲目から大きく方向性が変わってきますね。この意見は狙いどおりですか?

Anza:そうですね。ただ、曲順を決めた時、私はTrack.4の「Breeze」はこの位置に置く予定ではなかったんですけど、レーベル担当から"早くこの「Breeze」を聴かせたい!"って意見が出たので(笑)。"いいんじゃない別に4曲目でも"って。さらに最初はこの曲をMVにしようという話も上がっていて(笑)。どちらかと言うと今までのHPPらしい曲ではあるんですけど、実はメロディ・ラインは結構冒険してるんです。サビのメロディの付け方は今までにはない感じですね。いつも低いキーからいくんですけど、今回は自分のギリギリの高いキーのところまで突っ走ってるんです。メロディがパッと早く浮かんだのはこの曲だけですね。あとの曲はかなり難航しました。

-このTrack.4からTrack.5「Wait」~Track.6「Miss You」と沈み込んでいくイメージの曲が続くなと思いました。Track.3までのアガッて行く雰囲気に対して、その後ダーク・サイドが続くというか。更に言うとTrack.7「Dance With Shadows」のチルアウト・ミュージック的なトラックを挟んで、Track.8「Far Away」以降はダークだけでなく怒りや憤りが加わってくるなと。

Anza:まぁウチららしいですね(笑)。ライヴでも前半は明るいテイストのものをやって、最後はなんとも言いがたいダークな雰囲気で終わるということがよくあります(笑)。ただそこまで曲順は気にしてないんです。でもみんな違う曲順を言ってきたんで揉めましたけどね(笑)。

-個人的なHPPのイメージとして世界観重視のバンドなので、他のバンド以上に曲順をシビアに考え曲順に意味を持たせているのだろうと思っていました。話は変わりますが、歌詞に関して今作で意識したところは?

Anza:歌詞の部分でいうと今作では本当の意味でダークなことは全然言ってなくて。どちらかというと、より身近なことというか、人生初の私なりのラヴ・ソングも入ってますし(笑)。

-歌詞も"あなた"に対して訴えかけるものが多くなりましたよね?

Anza:そうですね、相手に対して歌うものが多くなりました。ダーク・ソングとは言ってても、怒ってる曲はありますけど、昔みたいなネガティヴなものではなくてポジティヴな感じでまとまりましたね。

-個人的にはTrack.5「Wait」が好きなんですが、ギターもハイセンスでテクニカルですよね。

Hiro:そうですね、クール・ビューティーというか(笑)。

Anza:なんだよ、それ (笑)。

Hiro:冷たい感じの雰囲気というか、そういうのもずっと出したかったんですけど、それをすごく分かりやすくしたのがこの曲ですね。