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INTERVIEW

locofrank

2012.10.11UPDATE

2012年10月号掲載

locofrank

Member:木下 正行 (Vo/Ba) 森 勇介 (Gt/Vo) Tatsuya (Dr/Cho)

Interviewer:吉羽 さおり

-ちなみに、お互いがぶつかるのはバンドの方針の面なんですか?

森 勇介 (Gt/Vo):四六時中一緒にいるわけでもないから、バンドで歩んで行く上で僕しか見えてないもの、彼ら2人にしか見えてないものっていうのは絶対出てきますよね。例えば、正行がアンチなものが僕はアンチじゃなかったりっていう時は、そのままにしてしまうと活動していく上で時にぶつかってしまうので。そういうのはなるべくないように、こうなんだよああなんだよって話したりはしますね。それが音楽じゃないことでも、ちがくね?っていうことは絶対に出てくるし。多くは、人としてっていうことじゃないですかね。

-意見がぶつかって、お互いの言い分や気持ちがわかった上で、歌詞や音楽に反映されるということですね。

木下:だと思ってます。でも意見がそれぞれあるのなんて、誰でもあるものですよね。ただ、自分が間違ってるなり、合っているにしても、わかって欲しいというか。こいつと合わねえなと思っても、どうでもいいヤツだったらどうでもいいわけじゃないですか。共に闘いたいと思っているやつらなので。わかってもらいたいし。間違ってるなら気づかせてほしいから、ぶつかるんでしょうね。どうでもいいことは言いませんよ? 惚れた女のことを俺がとやかく言うとか。

森:それは言いません。

木下:たまに言いますか?

森:はははは! ごくたまにね。

-アルバム・タイトルともなった「ONE」はアルバムのなかでも力強い曲ですね、この曲が生まれた背景は?

木下:『STANDARD』ができて。その後、3.11があって。それを題材に書いたとは言いませんけども、あの出来事があって、自分たちも実際に触れてみてlocofrank自体が変わったところはあるんです。そういった中で、今書きたいもの、今作りたいものっていうのが5曲通してあるんですよね。人って弱いものだし強いものだなって、両方を再確認できたし。生きていくとか、前進していくっていうことを、考えさせられたんですよね。俺たちの生活で言えばいろんな問題があったり、いろんなところでいろんな問題を抱えている人に直面したことも含めて、生きていく中で、たとえひとりだと感じても孤独じゃないんだなっていうのは、俺たち自身感じたことだったので。うわべだけじゃなく繋がっていけたらいいなと思うし、絶対に誰かは見ている。そういうことを歌ってみたくて。

-今までも前進するというのはテーマにあったと思いますし、そのために闘うということもやってきたことだと思うんです。そのベクトルは変わった感じがありますね。

木下:変わりましたね。自分たちに対しての前進はずっと持ってきたことですけども。たとえばバンドで進んで行くにあたって、メッセージ性を持って歌いたいのかとか、誰がどう思ってほしいからやるのかとか、何をどうしたいからやるのかとか、そういうところにベクトルが向いてなかったというか。そこに重きを置いてなかったので。そういった意味ではベクトルは変わりましたね。

-3.11があって、さまざまなことに触れて、被災地でライヴをして。そこで得た気持ちは大きかった?

Tatsuya:とくに3.11ではみんな、“自分、何ができるやろう?”って思っていたと思うんですね。俺らも実際、よくわかってなかったんですけど。被災地に行ってボランティアをして、現実を見た時に、別に背伸びをしてやる必要性はないし、自分ができることを最大限やればいいと思った。その時に気づいたのは、音楽しかなかったなって。そこに俺らが行って、たとえば1曲ライヴやるだけで、ひとりでも元気がつくとか。俺ら目当てで被災地に来て、それによってそいつがその町に現金でもなんでもいいんですよ、落としていって、少しでも町が元気になれば。それも俺は十分に復興やと思うし。そういうことができるのはたぶん、音楽やってるやつしかできないと思うし。じゃあ、それを最大限の武器にすればいい。それは、行ってみて初めて気づいたことなので。それが俺らの活動であったりとか音楽性というよりは、いろんな考え方という意味で大きく持てるようになったかなと思いますね。人としてすごく大きくなれたと思いますね。

-音楽をやる意味っていうのも変わったでしょうか。

木下:そうですね。これまで真剣にやってなかったわけじゃないですよ(笑)。でも、ベクトルが変わって、言い方が合ってるかわからないですけど、充実しているというか。明確になった。Tatsuyaも言ってましたけど被災地のことで言えば、そこに音楽をしに行って、ひとりでも喜んでくれて。そのひとりを10人にしたいし、10人を100人にしたいし。まあ、俺らがあそこに行って気づかされることのほうが多いから、俺たちのほうがもらってばっかりなんですけども。ただね、それじゃ悔しいので。ちゃんともらった分以上のものは返したいと思ってます。でもほんと、みんなタフですよ。後ろ向きな人はいなかったですからね。

-そういった体験して、曲作りのハードルは上がったりしませんか?

木下:そういう時期もあったんです。そういうことも踏まえた上で作らなあかんのかなっていう。でも、そうじゃなかったんですよね。それはウソになるし。