INTERVIEW
AGGRESSIVE DOGS / EDGE OF SPIRIT
2009.04.20UPDATE
Member:UZI-ONE(AGGRESSIVE DOGS / Vo)・SHO(EDGE OF SPIRIT / Vo)
-ではバンドで集まってスタジオに入ったりということはほとんど無いんですか?
S:もう全然無いですね。他のバンドから、あいつらはサボってるなといわれても仕方が無いくらい入ってないですね。それはどうしてかというと、メンバー全員揃ってスタジオに入ることに対してあまり意味を感じてないんですよね。たまに週3回とか入ることがあるんですけど、途中でやめたりするんですよ。あんまり意味が無いなと感じてしまって、俺は帰るから気になるところがある人はやって帰ったら?って感じになっちゃうんですよね。
U:ボーカルって結構そんな感じなんだ。俺の場合は結構忙しくしているからスケジュール的に練習に顔を出せないことって結構あるんだよね。でも、まぁそれは各自自分のパートはしっかりと練習して本番前に1回合わせればいいじゃん的なところはあるよね。
S:極論、というかいやらしい言い方をするとね、バンドのライヴを観に来ているお客さんはこのバンドはいっぱい練習しているんだな、なんてことは考えないでしょう?だから極論を言えばライヴで上手く演奏できればいいんですよ。確かにやり方は色々あると思うんで、たくさん練習しないと技術を保てないのであればそれは練習しなければ仕方が無いし、けれどうちのバンドはあんまりそういうタイプのバンドじゃないのでね。レコーディング前だけガッツリ入りますけど、それ以外は全然ですね。ユルいですよ、意外と。みんな想像するところはSHOが超スパルタで無理やりやらされてるんやろな、くらいの勢いだと思うんですけど・・・
U:正直俺よりSHOの方がスパルタだと思ってた(笑)こんなんも出来んのかぁって檄を飛ばしているイメージがあるけどな。
S:そんなのはまったく無いですね(笑)UZIさんは分かると思うんですけど、長いことバンドをやっているとやっぱり誰かしら辞めて行くんですよね。でも、それはしょうがないですよ。自分の人生ですからね。やっぱり22、3歳から27、8歳位の年齢っていうのは一番危ない時期で、どうやってこれから生きていこうと考えるときにバンドっていうもののプライオリティが下がっていくと辞めるという選択をしてしまうんですけど、僕はその必要はまったく無いと思ってるんですよね。一つしか選べないわけじゃないですからね、人生は。たくさん選択肢があってたくさん選択肢を選んで良いと思ってるんですよ。で、やれる範囲でやれれば良いと思っているし。
一番大事なのは自分が納得して出来るかどうかやと思ってるんですよ。ヘタで良いと自分で思っているんだったらヘタでも良いんですよ。ヘタでも良いと思っているメンバーを選んだ俺にも責任があるんで。しょうがないなと思うんですけど、やるからにはどうしてもみんなプレイヤーなんで、上手いって言われたいし、格好良いことをやりたいと思うんですよね。で、そう自分が描いた理想があるんだったらそうなれるように努力してくださいっていうだけの話なんですよね。
U:俺はSHOとも年が離れてるけど、この考え方っていうのが凄く好きで、俺と気が合うんだ。俺も何年も音楽やってきたけどさ、メタルじゃ、ハードコアじゃってこういった特殊な音楽は絶対にこうじゃなきゃ駄目だって決め付けみたいなものがあるじゃん?なんかこう頭ごなし的なものがさ。時々そういうものの代表みたいに思われることがあるんだけど、意外にそういうことも無いんだよね。逆に言えば結構色んなことを考えつつオープンにさせる。けど、傍から見るとそういう風に見られているんだけどね。
だけど、俺が思うのは結局、こうじゃなきゃ駄目なんて固定観念に縛られている間は本当の自分の目指す場所まで行けてないんだよね。じゃあどうやったら行けるのかというとやっぱり努力して苦しい思いとか、悔しい思いとかを経験しないと辿りつかないんだよね。
やっぱりSHOとかっていうのは若い時期からバリバリやってきて、東京に引っ越してきてからも色々あったと思うし、けどやっぱりこういうことを経験して分かっているからこそ、この若さでこの深みのある話が出来るわけなんだよね。このSHOの凄みっていうのをこのインタビューを読んでいるみんなにもっと感じてもらいたいと思うんだよね。
だから、こうじゃないと駄目だなんてことは一切無いと思う。自分が聴く側にしても、プレイする側にしても自分はこうだよね、こうありたいんだよっていう強い意志を持ってもらいたいと思うんだよね。これだけ永くバンドをやっていると特にそう思うね。日本っていう国自体、絶対にこうじゃなきゃっていう固定観念が強いじゃない?そこがアメリカに劣っているところなんだと思うよ、新しいジャンルやカルチャーっていうものは常にアメリカから発信されているじゃない?それはそういうものの考え方から来ているものなんだろうね。
S:でも、やっぱり俺が殴ってると思ってたんや?
-ぶっちゃけ、少し思ってました(笑)
S:ないない(笑)それは無いよ。だってそんなことしてたら、分かると思うけど、ボーカルに毎日殴られてギター弾きたいと思う?絶対無いよ、全然楽しくないもん。
U:EDGEは結成して何年になるん?
S:12年です。
U:それだけ長くバンドを続けようと思ったら殴ってたら続くもんも続かんよ。殴るのは時々にしとかんと(笑)
S:(笑)殴ることはほとんど無いんですけど、怒ることはありますよ。ただ怒るときっていうのは僕らの中でルールを決めているんですよ。ひとつは頭に来て怒らないこと。ムカついたから怒るっていうことは絶対にやめようと思っているんです。そうじゃなくて、本当は頑張れるのに頑張らなかったとき、本当は納得するために頑張らないと行けないのに頑張らなかったとき、頑張れてないのに頑張ったフリをしたとき、自分に対して自分を欺いたとき、そういうときに怒るようにしています。
ちゃんと努力できていれば、結果ダサくてもOKなんですよ。自分が出来る努力を100%できたんやったらそれでええやんけって僕たちは思っているんで。
U:いやー、さすがやね。さらにこの男の右腕にはYamakenがいてるのよ。これはもう素晴らしい男や、最高やね。ここは強調しておこう(笑)
S:ありがとうございます(笑)俺はもともと高校球児だったんでそのやらされる感覚っていうのが本当によく分かるんですよね。しかも、それがいかに無駄なものかっていうのも。練習前に今日も一日嫌だなと思いながらユニフォームに着替えて練習した日っていうのは結果何にも身についてないんですよね、だけど例えば短い練習時間しかなくて自分はバッティング練習をしたいのに順番がまわってこなかったとしたら、どんなにサボりな奴でも居残りしてバッティング練習をするんもんなのよね。
そういうことを自分は高校球児の時にすごく味わったから、そういうことをさせる監督、バンドの中での監督にはなってはいけないと思っているんですよ。やりなさいって言われてやったことっていうのはそいつにとっては俺に言われて出来たことっていう認識になってしまうから、それって物凄く悲しいことじゃないですか。自分で気付いて、自分でやろうと思ってやったということをもっともっと増やしてあげたいなと思っています。
U:SHO、お前いまいくつだっけ?
S:30です。
U:30でこれが言えるっていうのは本当に凄いよな(笑)
S:意外と僕、まだ30なんですよね(笑)
U:見た目は38歳くらいだけどな(笑)
S:バンドを12年もやってるんで、もっと年がいってると思われがちなんですけど意外とまだ30歳なんですよね。
U:野球で得た経験ってものも結局は自分の人生どこで生かされるか分からんもんね。
S:まさかUZIさんとの対談で野球の話をすることになるとは思わんかったけどね(笑)
U:でも音楽ってその人の通って来た人生が見えるよね。不思議とね。音だけじゃなくて、歌詞だけじゃなくて自分が通ってきたものが見えるんだよね。これが凄く面白いんだよね。音楽のパワーって本当に凄いものがあるよな。
S:その通りですね。話は少し変わるんですけど、最近僕が見つけたドラムに良いキックを踏ませる方法っていうのがあるんですよ。
U:なにそれ?聞きたいね。
S:うちのドラムはこの方法で頑張れるようになったんですけどね。その方法っていうのはドラムにトリガーを付けるぞって言うんですよ(笑)今のままのレベルだったらトリガーを付けるぞって脅すんですよ。トリガーを付けたいドラマーなんて絶対に居ないんですよ。本当はみんな付けたくないんですよ。だからこのままやったらトリガー付けるぞって言ったら凄く頑張りよるんですわ。
U:(笑)でも、それで結局頑張って練習してできるようになるんだから凄いよね。普通は妥協してみんなトリガーをつけるよね?トリガーを付けたら結局は自分の音では無くなってしまうからね。伸るか反るかギリギリの勝負みたいになって気合が入るんやろうね。
S:そう、そこで燃えるんですよ(笑)
U:他のメンバーはみんないくつなの?平均は?
S:僕とギターが30歳であとは全員25歳なんですよね。だから平均したら27歳ですね。
U:それに比べてうちのバンドは年食ってるで(笑)
S:DOGSが凄いのは、はっきり言ってみんなベテランですよ。だけど、ライヴになるとめちゃくちゃ動くんですよね。それが凄いなと、曲がどうこうよりも最近はUZIさんの動きばっかり見ちゃうんですよね。よー動くなぁって思うって(笑)
U:俺の年で俺ぐらい動ける奴はそうそうおらんよ。世界で五本の指に入る自信はあるよ(笑)