DISC REVIEW
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2019年12月15日に母国フィンランドのヘルシンキにて行われた、CHILDREN OF BODOMの解散ライヴがついに音源化された。2020年末にフロントマンのAlexi Laiho(Gt/Vo)が急逝したため、残念ながら彼がCOBとしてプレイした最後の公演となったのは周知の通りだが、そんなCOBとAlexiの遺した偉業を改めて体感できるのが本作だ。全10作のスタジオ・アルバムから選曲されたセットリストはほぼベストと言ってよく、キャリアを俯瞰できる内容。それらが張り詰めた空気のなか、時には渾然一体となり、時には火花散らすバトルを繰り広げながらパフォーマンスされる様は、痛快でありながら悲痛でもある。特に後半の流れは凄まじく、原曲より遥かに速いテンポで畳み掛けるように演奏される名曲の数々は圧巻。活動に終止符を打つ「Downfall」には、思わず熱いものが込み上げてくる。圧倒的カリスマ性を誇ったギター・ヒーローと、偉大なるメロデス・バンドが遺した最後の炎は、これからも燃え尽きることはないだろう。 菅谷 透