DISC REVIEW
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3ヶ月連続新曲リリースを含む全11曲入りの1stアルバム。不穏なイントロを配した「箱庭」から「Velvet Rose」の冒頭でグッと心を鷲掴みにされる。前作と比べて、彼女の本領発揮とも言えるメロスピ・ナンバーが増え、重心の低いヘヴィなサウンドで攻めている1枚。特に「Inferno」は過去最速とも言える振り切れた曲調で、この手の音が好きな人にはたまらないだろう。また、今作は吸血鬼伝説のモデルにもなったエリザベート・バートリをテーマに据え、女性ならではの闇に焦点を当てた歌詞内容となっており、サウンドと歌詞とリンクさせて聴けばよりいっそう味わい深く聴けるはず。リフとメロディ・ラインが耳に残る「Stargazer」、ストーリー性に長けたミドル・テンポの「蒼色真珠」など佳曲が揃っている。 荒金 良介