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COLUMN

THE STARBEMS 日高 央の激トーク!! 第壱回

THE STARBEMS 日高 央の激トーク!! 第壱回

TAKUMA:歪んでないギターはみんな死ねっ! 重くない音も今すぐ死ねっ!と思ってたけど、サッカー部のクワタが僕の部屋にウーハーを持ってきて、コンポに繋いでレゲエをかけたら......いままでPANTERAが絶対ヘヴィやと思ってたけど、棚のものがトントン相撲みたいに落ちて。

日高:ウーハーだからね(笑)。

TAKUMA:このヘヴィさはなんやと。俺らが聴いてきたメタルよりも7万倍重いぞって、毛穴が開いた感じですね。

日高:いわゆるレゲエが好きな人とは真逆の出会い方だよね?

TAKUMA:ダンスホールのヘヴィさにやられたから、Bob Marley聴いたのいちばん最後ですからね。

日高:そういう意味ではSiMの乗りに近いかもね。ヘヴィさに引かれてる感じでしょ? 海やビーチとかハッピーな意味でのレゲエじゃなく、レベル・ミュージックとしてのダンスホールな感じがあの人たちにもあるもんね。でもそこからすぐ10-FEETにはならないでしょ?

TAKUMA:最初は4人編成で、当時のギターはメタルもパンクも何でもござれだったけど、ライヴの1週間前にドーンと辞めて、メンバーに"おまえが弾きながら歌え"と言われて。当時METALLICAのフレーズ3、4種類ぐらいしか弾けないのに。

日高:ヴォーカルがたまに弾くギターみたいな?

TAKUMA:いや、それも無理でした。いざ弾いて歌おうと思うと、全然できなくて。1回目のライヴは口とギターの動きが一緒でしたからね。

日高:はははは、気持ちはわかる。

TAKUMA:少しずつ弾きながら歌えるようになると、すごく楽しくて。でもギターでミクスチャーぽいことはできなくて、一旦全部メロコアっぽくなったんですよ。2枚目のアルバムでレゲエっぽいこともできるようになったけど。

日高:それはギターのスキルの問題だったんだ。

TAKUMA:ギター弾かない前提で10-FEETやってたら、今ある曲は全部ないんじゃないですか。

日高:「RIVER」は生まれなかったと。

TAKUMA:かもしれない。もっとメタルの方に寄ってたでしょうね。

日高:意外とメタラーなんだね? こんなに激ロック向きのバンドとはみんな思ってないでしょ(笑)。いや、いいストーリーでした。そんなTAKUMAさんがリスナーに叩きつけたい1枚は?

TAKUMA:何叩きつけようかな、激ロックのリスナーさんでしょ?

日高:じゃあ、俺から行こうか? まずはこれ自分の宣伝ね。

-椎名林檎の新作『逆輸入』(※日高はアレンジャーで参加)ですね。

日高:上田剛士(AA=)と日高央が重鎮に混ざって呼ばれて。俺の聴きどころはハッチャケ感を出そうと。林檎ちゃんのパンクはガレージ寄りだから、もう少しメロディック寄りにして。で、私が突きつけたいのはASYLUM。日本のインディーズ・バンドだったけど、これはメジャー・デビュー盤(『ASYLUM』)で、多分世界で1番早いグランジ・バンドですよ。裏のメンバー写真を見るとわかるけど、X JAPANと同期の人たちね。

TAKUMA:あっ、日本人ですか?

日高:そう。当時の80'Sインディーズって、スラッシュもあるし、ハードコアもあるし、ニューロティカみたいな今で言うところのメロディックみたいな人たちもいて、何でもありだったのね。でもX JAPANがスラッシュとパンクを近づけて、このバンドもその流れの中で逸早くメタルとパンクをやってると。

TAKUMA:へえ~、聴いてみたい。

日高:聴いてみましょう(音源を流す)。メタルっぽい始まりから、歌うとゴス入ってて、コード感はハードコアぽいぞと。

TAKUMA:確かにグランジっすね。

日高:そうなのよ、NIRVANAがまだいないときに。ルックスはキレイめだから、当時は女の子しかいなくて。男は俺とカジ(ヒデキ)君ぐらいで、ゴスやポジパンのつもりで聴いてたからね。

-日高さん自身、影響を受けてます?

日高:ブリッジで急に出てくる変拍子とか、サビのシャウトの仕方はTHE STARBEMSで作る曲にも影響を受けてます。俺の予想だけど、この世代の人たちはプログレも通ってるから、自然に変拍子や長い曲があってね。

TAKUMA:これ凄いっすね!かっこいいですわ。

日高:じゃあ、これに対抗するものを叩き付けてもらって?

TAKUMA:WHITE ZOMBIEの『Astro Creep:2000』にしよ。

日高:日本では過小評価されてるよね?

TAKUMA:MARILYN MANSONがガッと売れたから、惜しかったんちゃいます? 僕の中ではTHE WILDHEARTSと同じくらい、なぜこんなに知らない人が多いんだろう、と思うほどかっこいいバンドですね。どちらも全作品いいのに。「Super-Charger Heaven」、「More Human Than Human」の2曲は特にお薦めですね。「Super~」は速いけど、「More~」は当時僕らノシノシ系と呼んでて、あの異様な感じは良かった。

日高:それいいプレゼンですよ。京都大作戦のお客さんも見直してますよ。

TAKUMA:そうですか? これはWHITE ZOMBIEを"源氏の舞台"(京都大作戦のメインステージ)に呼ぶしかないですね。

日高:ははははは。



【日高 央の1枚】

ASYLUM
『ASYLUM』
(1989)

【TAKUMAの1枚】

WHITE ZOMBIE
『Astro Creep:2000』
(1995)