COLUMN
工藤晴香のKDHROCK(くどはろっく) vol.1
激ロックマガジン読者の皆様、初めまして!工藤晴香です。"くどはる"と呼んで下さいな。
私は声優業を中心に活動をしているのですが"キャラクターを演じる声優が、実際に楽器を演奏してステージに立つ"というメディアミックスプロジェクト『BanG Dream!』の出演をキッカケにギターを本格的に弾くようになり、2020年3月からソロアーティストとしても活動を開始しました。
有難いことに今年は2枚のミニアルバム『KDHR』『POWER CHORD』をリリースさせていただき、この激ロックマガジンさんにて連載コラムを担当することになり声優でありながらも音楽漬けの日々を過ごしております。
(バチバチのROCKアルバムですので興味がある方は、是非!聴いてください)
さて、コラムの記念すべき第1回目ということで私の音楽の目覚め・初期衝動について書かせてください。
小学生の時はJ-POPを中心にラジカセやウォークマンで音楽を聴いていましたが、中学に進学してからは専ら邦ロックばかり聴いていました。ASIAN KUNG-FU GENERATION、BUMP OF CHICKEN、椎名林檎、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT......ギターロックばかりですね。HIP-HOPも聴いていましたが、ギターの音に私は夢中でした。
音楽と並行して映画もたくさん観ていたのですが、こちらは洋画ばかり観ていましたね。高校生になり多少のお金(といってもお小遣い程度)を手にしてからは、毎日のようにレンタルショップに赴き、映画のDVDをレンタルしていました。学校が終わってから借りて翌日の通学前に返却する......という、当日レンタルだと料金がびっくりするくらい安いのです。そんな生活が続いていたある日、私は気付きました。「CDも当日レンタルしたら安いのでは!?」と。
そこから映画のサントラをたくさんレンタルし、店員さんのおススメコーナーをチェックしたり、60年代、70年代、80年代の名盤を一通りレンタルしたりと音楽探求が始まりました。そして、90年代の名盤コーナーで運命の出会いを果たします。
NIRVANA 『NEVERMIND』です。
1曲目のSmells like teen spiritを聴いた瞬間、「ん??あれ??なんか......音楽の歴史変わった??!?なにかが違う!」......イントロのギターリフを聴いた瞬間、私の中で何かが目覚めました。
リリースは1991年。60年代から90年代と律儀に洋ロックの歴史を辿ってきた当時16歳の私は、約14年前に発表された名盤をリリース当時のROCKキッズ達と同じ気持ちで聴けたことの贅沢さに胸が高鳴りました。
「間違いない!音楽の歴史が変わった!すごいバンドが出て来た!今このバンド、何してるんだろ?新譜出てるのかな?」とワクワクを抑えきれぬまま、インターネットで調べてみると......衝撃の事実に私は打ちのめされました。
ギターヴォーカルのカート・コバーンは1994年 27歳の若さでこの世を去っていたのです。
彼が駆け抜けた時間、残したもの、鳴らした音、それらは今もなお多くのアーティスト達に受け継がれています。もちろん、私もその中の一人です。
カートよりも年上になり、31歳になった今でも、カートみたいなファッションに身を包み、FenderのMustang(私が持っているのは色違いの黄色ですが......)を鳴らし、『NEVERMIND』を聴いてあの日の気持ちを思い出しながら、私は表現者として彼とともに生き続けています。
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