Risky Melody 2025.01.17 ＠Zepp Shinjuku (TOKYO) | 激ロックライヴレポート

2025.01.17 ＠Zepp Shinjuku (TOKYO)

Writer : 杉江由紀　Photographer：Tomoya Omae

1つの区切りでしかないのだとしても、バンドにとって10周年という節目はそう簡単に迎えられるものではない。同じ志を持ち、切磋琢磨しながら、メンバーたちが共に夢に向かって邁進していく途中には半ば必然的に紆余曲折が発生し、いい意味でも悪い意味でも、予想しえないアクシデントやサプライズも勃発するのが当たり前。そうした万難万障を乗り越えた先でしか、10周年の慶事を祝うことはできないのだ。

先だって1月17日にZepp Shinjuku (TOKYO)で"メジャーデビューシングル「いたいいたいあい」Release Tour Risky Melody 10th Anniversary Tour 「Love is...」Final ONE-MAN LIVE「君と僕となら越えていける -10th Anniversary -」at Zepp Shinjuku"を開催したRisky Melodyの場合、この1年間はまさに激動の日々であったと言えるだろう。2024年2月にシングル『いたいいたいあい』で晴れてのメジャー・デビューを果たして以降、台湾公演や"NAONのYAON"への出演、毎年恒例となっている主催フェス"Hotty&Rhythm Summer Festival"を次々とクリアしていった反面、昨秋にはAYA（Key）が心身の不調を理由に活動から引退することに。

しかし、そうした難局にあっても、Risky Melodyは同期システムの変更等で対応しながら"メジャーデビューシングル「いたいいたいあい」Release Tour Risky Melody 10th Anniversary Tour「Love is...TOUR」"を続行。その上で辿り着いたのがこのZepp Shinjukuでのツアー・ファイナルであっただけに、各メンバーはもちろんのこと、彼女たちを支え続けてきた"リスメラー（※ファンの総称）"にとっても、今宵はさぞかし記念すべきものだったに違いない。

"Risky Melodyはもう私たちだけのものではなくて、みんなが一緒に作ってくれているもの、みんなの愛がかたちになったものだから。（中略）ここからの2025年は、また新たな道を進みたいです。みんなと愛に満ちた、みんなと私たちだけにしか作れないオンリー・ワンの道を進みたいと思います。もっといい歌を、もっといい曲を、ライヴを、より情熱をもって今年はイチから作って行きたいと思います"（ALICE／Vo）

その言葉を実践するかの如く、今公演では楽曲演奏と併せて、"バクの夢"という絵本を下敷きにした朗読劇や映像演出が挟み込まれるという、今までにないスタイルのロック・ショーが展開され、Risky Melodyとしての新機軸を見せつけてくれたのだった（ちなみに、このたび演劇面で主にゲスト参加してくれていたのは、ALICEとAsumi（Gt）が起ち上げ、演者および音楽制作でも参加中の"劇団たまゆら"に所属する、サイバー・ロック・ユニット RAIDEN-雷電-の星守歩姫（AYUKI）と鈴木玲那（RENA）、2期メンバーの桜咲みる）。

むろん、充実していたのは演出面だけではない。精緻なリズム・ワークのみならずダイナミックなドラム・ソロもキメてみせたayaeや、指弾き5弦ベースを唸らせ、時にはスラップも披露していたHaRU、タッピング駆使のギター・ソロから繊細なアコギ・プレイまでオールラウンドにこなしていたAsumi、凛としたスタンスと貫録ある歌声で観衆を深く魅了していたALICE。4人体制となったRisky Melodyは、もはや盤石さを漂わせていた程。 "こんな世の中、決して楽しい夢ばかりじゃない。誰もがつらい夢、怖い夢を思い浮かべながら生きてる。Risky Melodyは、バクのように、みんなの嫌な夢を喰い尽くして、いい夢だけを残せるようなアーティストになりたいです！"（ALICE）

この言葉の後に聴けた新曲「貘-BAKU-」と、アンコールで聴けた頼もしきアンセム「Risky Melody」。そこには、リスメロ（Risky Melody）の内に燃える熱き信念と誇りが見て取れた。1つの区切りを経て、Risky Melodyにはここからさらに力強く飛翔していってほしい。

[Setlist]
1. いたいいたいあい
2. アイのカタチ
3. Defy the fate
4. UNITE
5. OUT THE JOKER
6. ALL AS ONE
7. PHOENIX
8. 閃光よりも眩しいヒカリ
9. Binary Code
10. To Survive
11. VOLCANO
12. 記憶の岸辺
13. BLOOM
14. Place of Destiny
15. Love is...
16. 貘-BAKU-
En1. Risky Melody
En2. いたいいたいあい