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INTERVIEW

Risky Melody

2024.10.17UPDATE

2024年10月号掲載

Risky Melody

Member:ALICE(Vo) Asumi(Gt) HaRU(Ba) ayae(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

雨が降ったとしても地は固まる。来年1月17日に、Zepp Shinjuku (TOKYO)での"君と僕となら越えていける 10th Anniversary ONE-MAN LIVE「Love is ...」FINAL"を控えているRisky Melodyが、今ここで直面しているのは難局であるものの、これは勝機への過程とも言えよう。健気さとしぶとさを併せ持つリスメロ(Risky Melody)ならば、万難を超克するはずだ!

-Risky Melodyは今年2月にシングル『いたいいたいあい』でメジャー・デビューして以降、3月には台湾でイベント出演("Far Channel Records presents 「AWAKEN YOUR ENERGY 2024 SPRING」"、"2024 DIZLIKE LAND -Prelude-")をして、5月には"SHOW-YA PRODUCE『NAON のYAON 2024』"にO.A.として参加されていましたよね。また、8月には恒例"Hotty&Rhythm Summer Festival 2024 supported by 湘南ゴールドエナジー"を所沢航空記念公園 野外ステージにて開催されておりました。相変わらず目まぐるしい日々を過ごされてきているようなのですが、実はここに来て、AYA(Key)さんが心身の不調により脱退されることになってしまわれたそうですね。

ALICE:実は、7月からすでにAYAはライヴ活動をお休みしていたんですよ。状況的には、最後のライヴとかも全くできないままになってしまうのが本当に残念なんですけどね......。でも、私たちはAYAが脱退を決めるまでにすごく悩んでいたのもよく知っているし、無理はしないほうがいいと思ったから、休んでもらって事態が改善してくれればと願っていたんです。そして、2025年1月17日に決まっている、Zepp Shinjukuでの"君と僕となら越えていける 10th Anniversary ONE-MAN LIVE「Love is ...」FINAL"は、もちろんAYAも含めた5人のRisky Melodyとしてやりたいなと思ってました。だから、それが叶えられなくなってしまったというのはとてもつらい現実なんですが、それでも私たちは絶対にここで止まるわけにはいかないですからね。むしろ、今はAYAの分までこの4人でもっと頑張っていかなきゃ! という気持ちでいるんです。

-なるほど。AYAさんとしても、Risky Melodyとしても、これは苦渋の決断だったということなのでしょうね。実質的に4人体制での活動が始まってここまでの間には様々な試練があったと思われますが、メンバーの皆さんがそれぞれにここまでの日々をどのような心境で過ごしてきたか、ということを差し支えなければ伺わせてください。

ALICE:今年はRisky Melodyにとって10周年のタイミングであり、その節目でメジャー・デビューすることにもなったわけなんですけど、当初は"これまでいろんなことがあったけど、今がこの10年で一番バンドとしていい状態だな"って感じてたんです。でも、実際はそこから予想外のことが起きて今は試練の時期になってますね。AYAのこともそうなんですけど、私自身もこのところ喉のコンディションがあまり良くなくて、ライヴで迷惑をかけることもあるので、いろんなことがうまくいかないなぁって葛藤を感じているところは正直結構あります。ただ、これまでもリスメロは、メンバーの体調不良で一時的に3人で活動してたことなんかもありましたから、どんなことがあっても歩みは止めないっていうのが、バンドとしてのプライドなんですよ。今も来年のZepp Shinjukuに向けてどうしていくか、ってことを周囲の人たちも交えながら日々いろいろと練っているところですし、今はとにかく新しいメンバーを入れるとかでもなく、10周年の締めくくりに向けて、この4人でできることをここから最大限にやっていきましょう! というモードになってます。

-リスメロの2024年は、良くも悪くもドラマチックなものになっているのですね。

ALICE:いやもう、ほんとそうなんですよ(笑)。意図しないかたちでいろんなものを背負いながら進むことにはなっちゃってますけど、今はもう前しか見ていないです。

ayae:メジャー・デビューして、10周年のタイミングでもあって、ってもともと思い描いていたものとは程遠い現実と直面してはいるんですけど、その都度いろんなことを乗り越えてきているな、という実感はありますね。例えば夏の野外フェスも、今までだったらAYAちゃんと一緒にやってたことができなくなったんで、今年はまた別のかたちでやるとか。あとはやっぱり、ライヴの音の面では最初のうちAYAちゃんはあくまでもお休みのかたちだったので、次は出られるかもしれないとかいつか戻ってくるだろうとかいうのがあり、そこは私とAsumiはいくつかのパターンを用意して、同期を組んで対応してたんですよ。

-かなりフレキシブルな体制を取られていたわけですね。

ayae:やれることをやるしかないっていうのがここまでの3ヶ月ではありました。

ALICE:本当はね、ツアーで北海道とか沖縄とかにも行く予定があったんですよ。

ayae:今年のツアーはリスメロとしては最大規模になるはずで、10月の半ばくらいには海外公演のお話とかもいただいていたんです。でも、まさにそのスケジュールを調整していたときに状況が変わってしまいまして。とはいえ、海外の件は来年に持ち越しっていう話も出ていますし、年内は九州とか西のほうには行けることになってるので、ここからはこの数ヶ月で新たに見えてきたことを活かしつつ、この4人体制でのライヴをいいかたちですすめていければと思ってます。

-ちなみに、ayaeさんのおっしゃる"この数ヶ月で新たに見えてきたこと"は、具体的にどのようなことなのでしょうか。

ayae:同期を新たに組み直す必要が出てきたことによって、楽曲やサウンドについてより多角的に考えられるようになったんです。そして、各メンバーのテクニック的なところも併せて、バンドとしてのブラッシュアップを図ることができているのが今の期間だと感じているところがあるんですよ。ここからZepp Shinjuku公演に向けては、そのブラッシュアップの度合いをどんどん高めていくつもりです。

ALICE:そうやって音楽的なことを突き詰めて考えるようになったのは、より根源的なところで"自分たちは何者なのか?"っていうところを見つめ直すことになったからなんですよ。お客さんたちに喜んでほしいとか、楽しんでほしいとか、そういう気持ちがあるのは当たり前としても、じゃあそのために私たちがバンドとして全力でやるべきことはなんなのか? といったら、それは"何よりもいい音楽をみんなに届けること"だよねって4人で改めて話をしたんです。

-それはそれで、ある意味では貴重な機会だったのかもしれませんね。

Asumi:この3ヶ月は私たちも本当に悩みましたし、うまくいかないことがあったり、思うように動けなかったりして、まずはそれがとても悔しかったです。でも、だからこそ今の自分に何ができるのか、このバンドをどうしていきたいのかを真剣に考えました。5人から4人にはなってしまったけれども、Risky Melodyの良さ、私たちのやっている音楽の面白さを伝えたいっていう気持ち自体はずっと変わってません。ここからに向けてはこの4人で頑張っていく覚悟もできたので、あとは進むだけです。

-頼もしい限りです。

HaRU:いやいや、そんな。私たちなんてまだまだですよ。私もさすがに、最初はプツっと何かが途切れていきなり4人になってしまったような感じだったから、ちょっとショックを受けたというわけではないんですけど、やっぱり不安を感じたところはなかったわけじゃないですから。ただ、4人でのステージを続けていくときには、"この4人でどこまでやれるのか"っていうことを必死に追求していくしかないし、目の前にいるお客さんたちの期待に応えるためにも、私たちはリスメロをもっと大きく成長させていくしかないんですよね。だから、プレイ面でももっと頑張らなきゃと感じてますし、ライヴでいつもAYAさんがお客さんたちを盛り上げていた分も担いつつ、自分はこれまでよりもっとライヴで煽っていくようなポジションになっていかなきゃな! と考えるようになりました。もっと楽しいライヴにしたい、っていうプラスな気持ちが出てきたのは今の自分にとっていいことだと思ってます。自分の中から甘えっていうものがあったんだって気が付きましたね。バンドのことも、自分のことも見つめ直しながら、ここからもっと成長していきたいです。

-波風やら障害やらというものは、ないに越したことはないとしても、誰しも人生の中でなにかしらの予想しえない事態に遭遇することはそれなりにありますし、なんとかして修羅場を乗り越えたときには、スキルや胆力が増していることも多々あるかと思います。恐らく、Risky Melodyは今ちょうどその佳境を迎えているところなのでしょう。

ALICE:ですね。そういうことだと私たちも捉えてます。

-なお、今春からALICEさんとAsumiさんは、バンドと並行して"劇団たまゆら"を立ち上げられたのだとか。ここまでに2回の公演を経て、11月にも"ロボット-遥か彼方のミライの記憶-"を上演されることになっているそうですが、もともとALICEさんは以前から時折舞台出演をされていましたよね。

ALICE:私は前からやってましたし、Asumiもここ2年くらいやってきてるよね?

Asumi:はい、させてもらってます。これも全てはRisky Melodyのためで、舞台での経験を通して表現力を身に付けたり、パフォーマンスの部分を鍛えたりしていくために、ALICEさんに教えてもらいながら始めました。

ALICE:Asumiはリスメロに入ったとき"曲を作りたい"って言っていて、実際に曲も作ってるんですけど、まだ若いっていうのもあるし経験もそんなに積んでないから、当初はちょっと表情が薄い? ところがあったんですよね(笑)。

Asumi:ほんとに表情は乏しかったと思います(笑)。