INTERVIEW
Risky Melody × FullMooN 座談会
2025.03.10UPDATE
2025年03月号掲載
女子力全開! この4月から12月にかけて全国各地で開催されることになった"GIRLS ROCK REVOLUTION"は、6バンドの集う大規模イベント・ツアーとなる。ここではその首謀者たるRisky Melodyと、約13年のキャリアを誇るFullMooN、両バンドのメンバー全員に顔を揃えてもらうことが叶った。ガールズ・ロック・バンドのシーンを、より隆盛させていくことを目的とした革命。今それが始まったのだ。
Risky Melody:ALICE(Vo) Asumi(Gt) HaRU(Ba) ayae(Dr)
FullMooN:ねね(Vo) えれん(Gt) りん(Ba) 葵(Dr)
Interviewer:杉江 由紀 Photographer:小澤 貴也(Deep Forest 1999)
-このたびはRisky Melodyが音頭を取るかたちで、総勢6組のガールズ・ロック・バンドが全国を行脚していく"GIRLS ROCK REVOLUTION"の開催が決まりました。今回はその参加バンドの中からFullMooNの皆様にお越しいただいたわけですけれども、これだけの規模でのイベント・ツアーというのはなかなかにレアですよね。
ALICE:もともとRisky MelodyとFullMooNは以前からよく対バンもしてきていて、お互いの事務所の社長同士も仲がいいということもあり、実はコロナ禍の頃から合同ツアーをしたいという構想はずっとあったんです。今回はそれぞれの事務所から3組ずつのガールズ・ロック・バンドが参加するかたちで、4月19日の下北沢VOICE FACTORYから12月にかけてのツアーがようやく実現することになりました。
HaRU:具体的にプランを練り出したのが1年くらい前からですね。
ねね:出会った頃はそこまで仲がいいバンドということではなかったのですが、今やこれだけの間柄になったっていうのは結構感慨深いことじゃない?
ALICE:特にコロナの時期にはめっちゃ助けてもらったんですよ。
HaRU:あの頃は無観客じゃないとライヴができないっていうことで、リスメロ(Risky Melody)もホーム・グラウンドである下北沢VOICE FACTORYでのライヴの配信というかたちでしか活動ができない状態だったんですけど、そのときにFullMooNさんが一緒に出てくれたりしたんですよ。あれはとてもありがたかったです。
ALICE:今思うと、あの時期を境にFullMooNとの付き合いはより深まりましたね。お互いにいろんな話をよくするようになりました。
-キャリアの面ではRisky Melodyが今年で11周年、FullMooNが今年で13周年ということですので、両者は先輩/後輩の関係でもあるわけですよね。
ALICE:はい、私たちからみると2年先輩です。
ねね:そっか。じゃあ、今日はちょっと先輩風吹かせてもいいんだ(笑)。
-最初に交流が生まれたのはいつ頃のことだったのでしょうか。
ねね:初めてちゃんと喋ったのは、目黒鹿鳴館でのイベントで一緒になったときだったと思います。
ALICE:あれはまだうちが今のメンバーになる前だから、8年か9年前くらい?
ねね:だと思う。まずは私から声を掛けて話した後、ALICEとツーショットの写真を撮ったんですよ。その日のリスメロが海賊の衣装で、"それすごいねー"っていうところが始まりでした。
ALICE:うん、なんかあの頃のことって懐かしい(笑)。そして、そこからはほんとにいろいろあったなって思います。
ねね:お互いのバンドがいろんなことを経験してきてるけど、リスメロはメンバーが一気に抜けてALICEだけになったこともあったしね。
ALICE:ちょうどその頃に、渋谷La.mamaでやった私のバースデー・ライヴ("Hotty & Rhythm vol.29")があったんですよ。そうしたら、ねねちゃんが楽屋で私を抱きしめて、一緒に泣いてくれたんです。"大丈夫だからね"って言いながら。
ねね:FullMooNも前に2人になっちゃったことがあったんで、なんか私もすごい切なくなっちゃって。あのときはALICEと本番前にボロ泣きしたよね(笑)。
-それって青春バンド漫画にでも出てきそうな名場面ではないですか。
ALICE:FullMooNとRisky Melodyはここまで一緒にいろんなことを乗り越えてきたし、私としてはFullMooNに支えられながら生きてきたところも大きいと思ってます。
-ということは、このたび"GIRLS ROCK REVOLUTION"の企画が持ち上がった時点で、Risky Melodyからは真っ先にFullMooNへのお声掛けをされたことになりますか。
ALICE:声を掛けたというよりは、話をしているうちに自然と"やろうよ"っていうことになってました。お互いに信頼し合えている仲だし、絆も深いので、FullMooNとRisky Melodyだったら絶対に面白いことができるよね、という気持ちがお互いの中にあったんです。それとFullMooNじゃないと恐らくこんな企画できないんじゃないかと思ってます。
ねね:もはや、我々は仲間というよりも親戚みたいな感覚の間柄ですからね。2つ違いの従姉妹みたいな関係性に近いような気がします。
-ちなみに、現在の両者はお互いをどのようなバンドとして認識していらっしゃるのでしょうね。
ALICE:ガールズ・ロック・バンド同士ではありますけど、それぞれの個性は全然違うと思います。FullMooNの持っているあのエンターテイメント性は私たちには打ち出すことができないものなので、すごく面白いなと思っていつも観てるし、同時に"やるな! 悔しい!!"って思うこともよくあります。うちのお客さんたち=リスメラーは、そういうFullMooNのライヴをうちとは全くの別モノとして楽しんでくれてる人が多いですね。逆に、FullMooNの満月團って呼ばれてるお客さんたちも、Risky Melodyのライヴを別モノとして楽しんでくれてるみたいです。
りん:私たちからするとRisky Melodyはとても頼もしいバンドだし、対バンで一緒になると"今日リスメロいるじゃん! 良かった!!"って安心できる存在ですね。
-では、ここからは良き機会ですので、個々のパート同士についてのお話も伺えたらと思います。お互いをいかなる表現者として見ているのか、ということを語り合っていただけますと幸いです。まずはドラマーからということで、先攻はどちらにいたしましょう。
葵:じゃあ、私から行きますね。ayaeちゃんは、とにかくテクニカルなタイプのドラマーだと思います。前にリスメロの曲をコピーさせてもらったことがあって、フレーズが独特で叩くのが難しかったんですが、その分とても勉強になりました。おまけに、パーカッションまですごい上手でびっくりしますね。私もちょっとカホンとかは叩いたことがありますけど、全然あんなふうにはリズムをキープできなくて大変でしたから。年明けのZepp Shinjuku (TOKYO)でのライヴ("メジャーデビューシングル「いたいいたいあい」Release Tour Risky Melody 10th Anniversary Tour 「Love is...」Final ONE-MAN LIVE「君と僕となら越えていける -10th Anniversary -」 at Zepp Shinjuku")を観に行かせてもらったときも、ウィンド・チャイムとかを使いこなしながらオールマイティにプレイしていて、ほんとに素晴らしかったです。あと、ayaeちゃんはミュージシャン以外のバンドに関する仕事もたくさんしていて働き者です。ずーっと働いてるイメージですよ。
ayae:いやいや、そんな(苦笑)。
葵:しっかりしてて姉御肌に見えるけど、背はちっちゃくてかわいいところがギャップ萌えですね。
ayae:いろいろ褒めていただいてありがとうございます。
-ayaeさんから見た葵さんはどんなドラマーですか?
ayae:まずはパワーと迫力が圧倒的なドラマーですね。そのパワーのせいで、よくヘッドがお亡くなりになるくらいなんですよ。そして、FullMooNさんはここまで何度かドラマーが変わっていらっしゃるんですが、葵さんが入られたことで私は個人的に"一番しっくりきた"感じがありました。パワフルなプレイもそうですし、葵さんの人柄とかキャラクターも、バンドのエンターテイメントな部分にすごくフィットしてると思うんですよ。
葵:そう言ってもらえると嬉しい~! 照れるけど(笑)。
ayae:あと、私もFullMooNさんの曲をコピーしたことがあるんですけど、葵さんは強いタッチでパワー感のあるドラムを叩きながらも、細かいところにテクニカルな部分が織り込んであることを改めて発見しましたし、バス・ドラムに関しても聴いていてズシッと来るパターンになっているんだなと思いました。