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INTERVIEW

Risky Melody

2023.08.17UPDATE

2023年08月号掲載

Risky Melody

Member:ALICE(Vo)

Interviewer:杉江 由紀

今年で3回目を迎える野外ガールズ・フェス"Hotty&Rhythm Summer Festival"のオーガナイザーを務めるのは、Risky MelodyのフロントマンであるALICEだ。ホットな女性アーティストを集めた夏祭りをしたい! という、彼女の熱い想いから始まったこのフェスはノンジャンルなアーティストが集うもので、今年は来たる8月26~27日の2日間にわたり所沢航空記念公園 野外ステージにて行われるという。10月には2年ぶりのアルバムにしてラスト・インディーズ作となる『Reflection』をリリースし、来年2月にはいよいよメジャー・デビューを控えたRisky Melodyは、この夏を"Hotty&Rhythm Summer Festival 2023"で駆け抜ける!


一度あの野外フェスならではの感覚を味わっちゃうとヤミツキになっちゃいます


-来たる8月26~27日の2日間にわたり、Risky MelodyのリーダーであるALICEさんがオーガナイザーを務められる"Hotty&Rhythm Summer Festival 2023"が所沢航空記念公園 野外ステージにて開催されることになっておりますが、今回はその件についてうかがう前に、7月3日に川崎CLUB CITTA'で行われたリスメロ(Risky Melody)の"Risky Melody 9th Anniversary ONE-MAN LIVE~君と僕となら越えていける 2023~"についてのお話からまずうかがいたいと思います。あのワンマンを終えてみて、ALICEさんとしてはどのような手応えを感じられたのでしょうか。

あの日はもう......とにかく感動しました。配信のアーカイヴが当日から2週間残っていたのもあって、ライヴが終わってからもその2週間はずっと余韻を引きずっていたというか、私たちメンバーもなんですけど、SNSで繋がってるファンの人たちもみんな、しばらくあのワンマンについての話ばっかりしてました(笑)。

-バンドとファンとスタッフの方々が一体となっている様がとても素晴らしかったですし、あのライヴではALICEさんが自ら企画されたというプロジェクション・マッピングを取り入れた演出も素敵でした。あらゆる意味での総力戦だっただけに、それが無事終わったときの達成感は相当に大きかったのでしょうね。

ここまで9年Risky Melodyをやってきて、あの日あれだけの景色を見ることができたというのはすごく嬉しいことでした。もちろん、これからはそれを当たり前にしていかなきゃいけないとも思ってはいるんですけど、やっとここまで来られたんだなという実感があったのも事実ですね。そして、すべては私たちを支えてくれているファンのみなさんのおかげなんだなということも強く感じました。私たちとしても最高に楽しかったですし、ほんとに感謝しかないです。

-そして、あの日のステージ上では来年2月にRisky Melodyがメジャー・デビューすることもついに発表されました。その件について、ALICEさんは今どのような心境でいらっしゃるのかも教えてください。

あの発表に対しては、いろんな反応があったんですよ。もちろん、私たちと一緒になって喜んでくれた方たちもたくさんいたし、その反面で"これからのリスメロはどういうふうに変わっていくんだろう?"っていう不安を感じた人も多少いたみたいなんです。でも、総合的にみると私たちがバンドとして前に進むっていうことを肯定してくれる方が多かったですし、ここまで一緒に進んできたからこその達成感を感じてくれたり、これからまた一緒に進んでいこうねっていう気持ちで受け止めてくれた人もたくさんいてくれたので、私たちとしては何よりそれがすごく嬉しかったです。みんな仲間なんだな、って改めて感じましたね。

-なお、客観的に現在のシーンを見渡してみると......今やメジャーとインディーズの間にはそう大きな隔たりがないように思えるところもあるのですけれど、ALICEさんはここからのメジャー展開について、いかなるヴィジョンをお持ちなのでしょうか。

10周年が始まるタイミングでメジャー・デビューできる、ということはRisky Melodyにとって大きな節目になると思ってます。そもそも、普通だとガールズ・バンドが10周年でデビューっていうこと自体も業界的には異例ですからね(笑)。

-たしかに、あまり聞いたことがありません。

私たちにはこれまで着実に歩いてきたなかで身につけてきたものがたくさんありますし、ここまでずっと自力でやってきたなかで新しい会社と関わっていくというのはメリットも当然ありますけど、場合によってはある種のリスクを考えなきゃいけないところもあると思うんですよ。ただ、今回に関してはいいご縁があって、私たちのこれからに期待してくれるメーカーと出会えたという事実も大きいと感じているので、リスメロにとってのメジャー・デビューというのは、未来に向けたより大きい夢を叶えていくためのポジティヴな業務提携、として捉えている感覚です。

-なるほど。つまり、Risky Melodyとしては"メジャー・デビューにこぎつけた! やった!!"という浮かれたモードではないということなのですね。

ほぼほぼ10年やってきてるんで、今さらデビューしたこと自体に対してはしゃぐようなことはないです(笑)。私たちとしてはメジャーとタッグを組むことで、より大きなプロジェクトをまたここから始めていこうという気持ちなので、リスメロにとってのメジャー・デビューはひとつの手段と言ってもいいくらいですね。

-ちなみに、今年の10月にはこれまでライヴで温めてきた曲や、新曲が入った2年ぶりのアルバムにしてラスト・インディーズ音源となる『Reflection』のリリースも決定しているそうですが、そちらの制作状況は現在どのようなご様子なのでしょうか。

今のところ作業は順調で、7割くらいまでレコーディングが進んでます。前からCDとして出したいと思ってた曲たちばかりだし、新曲も入れられるので、デビュー前にこのアルバムを出せるのも私たちとしてはすごく嬉しいことなんですよ。みなさんにもぜひ楽しみにしていてほしいです。

-そのアルバムに加えて、年内には2018年に発表された現体制での初シングル『希望の旗』の再販も予定されているそうですね。

ギターのAsumiが加入する前の、4人で作った音源が5thシングル『希望の旗』だったんですけど、しばらく入手不可能な状態が続いていたので再販することにしました。こっちは再録とかではなく完全にジャケットとかも当時のままの再販盤です。

-承知いたしました。では、ここからはいよいよ8月26~27日の2日間にわたって行われる"Hotty&Rhythm Summer Festival 2023"についてのお話をしていくことにしましょう。まずは、オーガナイザーであるALICEさんがこのフェスを立ち上げた理由についてお聞かせください。

もとを辿ると、Risky Melodyが3年目のときに私が"夏に野外でガールズ・フェスをやってみたい!"と思い立ちまして、何バンドか集めてイベントをやりだしたのが始まりだったんですよ。でも、そのときはまだこのタイトルではなかったんですよね。その後、2019年から"Hotty&Rhythm Summer Festival"として開催するようになって、コロナで2020年と2021年はできなかったものの、去年からはまた再開したので、今回で実質3度目になるのが"Hotty&Rhythm Summer Festival 2023"なんです。

-ノンジャンルのガールズ・イベントということで、今年もなかなか多彩なメンツが集うフェスとなっているようですね。

世の中的には夏と言えば野外フェス! みたいなノリがありますけど、野外でやるガールズ・イベントって意外とないんですよ。老舗的なところだったら"NAONのYAON"があるとはいえ、そこに出られるアーティストってだいぶ限られますしね。敷居としては結構高いんですよ。

-日本でもフェス文化が成熟してきたといういい面がある一方、各フェスの門戸そのものは意外と狭いという状況もありますものね。

それはほんとに若手のバンドとか、そこまで規模がまだ大きくないバンドにとって難しいところで、リスメロも動き出してから数年はガールズ・イベントに限らなくてもフェスに呼ばれるっていうこと自体がなかなかなかったんです。それで、だったら自分たちでフェスを作っちゃおう! 夏なんだからお祭りしようよ! っていうノリで始まって今に至ってるんですよね。しかも、やるなら特定のジャンルとかで縛ったりせずに、アイドルでもバンドでも、ノンジャンルでホットな女性たちが集まるフェスにしたかったんですよ。中には男性がメンバーにいるアーティストもいますけど、その場合もうちのフェスは基本的にヴォーカリストは女性なんです。

-ALICEさんがオーガナイザーであるということは、参加アーティストもALICEさんが集めていくことになるわけですよね?

身近にいる知り合いとか、ライヴ活動を通して知り合った人たちもいますし、SNSを通じて繋がった人たちとか、口コミを辿って声を掛けさせてもらった人たちもいるんで、いろんな方向から集まってくれた人たちが参加してくれてます。リスメロは普段からライヴ本数がとても多いんで、その活動の中で拡がってきた人脈っていうのもかなり役立ってくれてるんですよ。わかりやすく言うと、仕事とかビジネスっていう感覚で成り立っているフェスではなくて、音楽で繋がってる有志の仲間が参加してくれてる夏のお祭り、っていう感覚で続けてきてるフェスですね。

-そんなフェスのオーガーナイザーとして動いている中では、時に大変なこともあったりはしません?

どうだろう? 特に大変だと思うことはあんまりないかも。野外フェスで大変なことがあるとすれば、男手がないなかでもみんなでテントを建てたりする力仕事があったりとか、あとは天候の心配くらいですかね(笑)。でも、所沢航空記念公園の野外ステージは客席にも屋根がついてるんで、多少の雨とかは全然大丈夫なんですよ。今年はちょっと暑かったりしますけど、ちゃんとそのへんは対策をとっておけば暑いのも夏らしくて楽しいんじゃないかなぁ。野外って独特の開放感があるから、今年もみんなにはそこをたっぷり味わってもらえたらいいなと思ってます。

-では、ALICEさんがオーガナイザーとして感じる醍醐味というのはどのようなものだったりします?

当然、今回の"Hotty&Rhythm Summer Festival 2023"でも2日間ともRisky Melodyとしてのライヴはしっかりやるんですけど、出演する側としてだけじゃなくて、私はライヴとかフェスの空間自体がすごく好きなんですよね。いろんなアーティストを観るのも好きだし、フェスを作っていくことも好きだし、お客さんたちが楽しんでくれてる様子を見るのも嬉しいから、オーガナイザーとしてはずーっと好きなことに携わっていられるのが醍醐味ですね。細かいところでは大変なこともないわけじゃないんですけど、それでも一度あの野外フェスならではの感覚を味わっちゃうとヤミツキになっちゃいますよ。どうしてもやりたくなっちゃう。