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LIVE REPORT

"激ロックpresents LIVEHOLIC 9th Anniversaryseries~Burning Blue vol.2~"

2024.09.03 @下北沢LIVEHOLIC

Writer : 横山 開 Photographer:小山田祐介

激ロック/Skream!プロデュースの下北沢LIVEHOLICにて、ライヴ・イベント"激ロックpresents LIVEHOLIC 9th Anniversaryseries~Burning Blue vol.2~"が開催。LIVEHOLIC 9周年を兼ねて行われた今回は、激ロック編集部が選んだ5組が出演。ラウド・ミュージックという共通項を持ちながらもそれぞれカラーの異なる多彩なサウンドを奏でる、まさにこれからのシーンを担っていくであろうバンドたちが一堂に会する一夜となった。

1番手で登場したSEEK US NEEDは、荘厳なイントロで始まり、Kodaiのハイトーン・ヴォイスとDaiki(Gt/Cho)のコーラス・ワークが響き渡る「POSTSTANDARD」で口火を切るやいなや、ブレイクダウン・パートでヘッドバンキングも飛び出す。「TWENTY EIGHT」で一気にダークな世界観に誘った後は、Say(Dr)が強烈なビートを叩きつけるド迫力なサウンドと、"Nobody knows"というShige(Ba)の魂を震わすシャウト・コーラスが耳を惹く「Dark Blood」を投下し、フロアのボルテージを上げていく。MCパートを挟み、揺るぎない彼等の信念を綴ったメッセージ性の強い「WE ARE GOING DOWN」をドロップ。Shogoがエモーショナルなフレーズの光るギター・ソロで魅せ、シンガロング・パートでは会場全体を包み込むような一体感が生まれる。そしてヘヴィネスで重厚なDjentサウンドが繰り出される「THE DIRTY HERO」に繋ぐと、まだまだ足りないと言わんばかりに「Secret Game」を急遽追加。Kodaiがフロアに降り立ち隅々までオーディエンスを焚きつけ、他のメンバーはステージ上を暴れまわるカオスな空間へと変化させて、熱気が最高点に達した後は、アッパーなサウンドの中に強い信念を感じる「Faith」をプレイ。終始エネルギッシュな圧巻のパフォーマンスでトップバッターとしての役目を完遂した。

続いてredmarkerがステージに登場。パワフルでヴィヴィッドな「young blood」を打ち鳴らすと、ダンサブルな「mado」で会場全体を揺らしながら観客の心を掴んでいく。続く「teenager 4ever」は青春の焦燥感に駆られるようなスピーディなナンバーで、会場の温度をグッと高めた。いっ太(Gt/Vo)が同イベントの1回目([激ロックpresents"Burning Blue"])に遊びに来た際に、"なんで俺らが出てないんですか!"と主催者に直談判してから交流が生まれて今回の出演に至ったという経緯を話し、"自ら言ったからにはヤバいライヴをしたい。楽しい1日にしましょう"とフロアに投げ掛けた後は「popstar」、「love」とキャッチーなメロディが光るナンバーが投下され、ダンサブルなサウンドにステージも観客も熱気を増していく。この日唯一の3ピース体制のバンドだが、いっ太の歌声はもちろん、斗夢(Ba)、サネトモ(Dr)と共に奏でる、ダイナミックながらルーズさも持ち合わせた3ピースならではのアンサンブルが心地よい。"このイベントをこの先も絶やさず繋いでいきたい、続けていってほしい"。いっ太がアツい想いを述べてから"今できることが/明日できなくならないように/繋いでいこうよ"と歌い、大きなシンガロングも巻き起こした「nami」は、多くの観客の心に響いたことだろう。

イベントも中盤に差し掛かるなかステージインしたMASSCLOWZは、初っ端からSAKの咆哮が響き渡る「AGAIN」でライヴをスタート。メロディアスな進行に英語詞と日本語詞を合わせたリリックが乗り、開幕早々フルスロットルで轟音を叩きつけると、ニューメタル色の強い「PuPPet」ではクールなムードを纏いながらRod(Gt)、 Naoya(Ba)による強力なアンサンブルでフロアを揺らした。"今日のラインナップの中で一番取りに来ました"というRodの気合十分な煽りから続いた「Wilderness Blooms」では、疾走感のあるサウンドの中、シャウトとクリーン・ヴォーカルのコントラストでオーディエンスを圧倒する。その後のMCではSAKが"激ロック......やっと気付いたか俺らに! ずっと待ちわびてたぜ......!"、"「激ロックpresents」......? どう考えても俺らだろうがよ!!"とさらに一段階ギアを上げるように想いのたけをぶちまけた。ラップ・パートも飛び出した「CLOWN」で観客をさらに巻き込んでいくと、ラストはエモーショナルに疾走する「Nothing to Obey」でシンガロングを生み出し、最後まで観客を昂らせる。"俺たちが東京ラウドロック・バンド、MASSCLOWZでした"とSAKが締めくくり、自らがシーンを担う存在であるという強い矜持を見せつけていった。

どこか民族的な雰囲気を感じさせるSEで登場した MIGHTY HOPEは、HARUTOの妖艶なベースラインとクールなRicoのヴォーカルが際立つ「Bound」で始まり、続く「Vision」ではハードコア・スピリットも感じさせる骨太な一面も披露。Ricoが"調子どうですか? ちょっとずつでいいよ"とラフにフロアへ語り掛ける。ポップ・ナンバー「Sweet Dew」、「Groove」という広大な自然を連想させる楽曲と、RYOMA(Gt)が弾けるような笑顔でプレイする姿でバンドの持つ優しい空気感に説得力を持たせていき、冒頭のヴォーカル・ハーモニーが特徴的なメロディアス・ナンバー「Bleaching」へと続けた。MCパートではステージ上でランタンを灯し、虫の鳴き声を響き渡らせて、まるで森の中にいるような世界観を醸し出しながら、Ricoが中学生の頃に読んでいた激ロックのフリー・マガジンが貴重な情報源だったと述べる。"今日の出演バンドはいろんなロックの形の中でそれぞれの色があって、ジャンルで括りきれない想いやスタイルがあるから、自分にフィットする音楽を見つけてほしい"と伝えると、"生命の木"や"奇跡の木"と呼ばれる木の名前を曲名にした「Moringa」を届けた。オーディエンス一人一人に寄り添いながら、拳を上げさせ、シンガロングも生み出し、最後のAS I AMへとバトンを託していった。

ステージ上で気合を入れる掛け声を行い、男気を感じさせたAS I AM。オートチューンを使用したShiroの歌声とギターのアルペジオが特徴的な「Tomorrow tonight」で幕を開けると、洒脱な歌声と幻想的な演奏によりこれまでのフロアの空気を一変させ、オーディエンスは楽曲の持つ浮遊感に酔いしれる。続く「It's too late...」ではYuki(Gt)のタッピングが耳を惹き、儚く淡いメロディとピアノ・アレンジが加わったポップ・ロックを提示。Kentaのうねるようなベースラインが特徴的な「Starry eyes」では、"俺たちは俺たちのやり方で盛り上げていく"というShiroの宣言も飛び出し、グルーヴィなダンス・ビートで自然とフロア全体を揺らしていく。EDMを軸に、強い意思表示を感じる歌詞と激しくも繊細なブレイク・パートが耳を惹く「FIRE」で、より多彩なサウンドを提示し、フロアが一気に情熱的なムードになった後は、エモーショナルな「繋ぐ」でフィナーレへ。 Ko(Dr)がエネルギッシュななビートを叩きつけるなか、"一緒に歌ってください"というShiroの掛け声のもとシンガロングも生まれ、大団円に相応しい壮大な空気でイベントは幕を閉じた。 

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