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INTERVIEW

AS I AM

2023.07.06UPDATE

2023年07月号掲載

AS I AM

Member:Shiro(Vo) Yuki(Gt) Kenta(Ba) Ko(Dr)

Interviewer:フジジュン

ロックに海外ポップスにEDMにヒップホップにと、様々なジャンルを織り混ぜた、ハイブリッドなバンド・サウンドが話題のAS I AMのアルバム『AS YOU ARE』が完成! ライヴ活動と並行してハイペースな配信リリースを行い、Spotify公式プレイリストなどにも楽曲が連続選出。楽曲制作はもちろん、MVなどの映像制作やデザインと、トータルプロデュースを自身で行い、SNSを通してのプロモーションの効果もあり、バンドへの注目度は急上昇中だ! 海外の音楽シーンのトレンドもしっかり取り入れつつ、ポジティヴなヴァイブスや秘めた熱量がしっかり伝わる唯一無二のサウンドを聴かせる今作について、メンバーに話を訊く。

-アルバム『AS YOU ARE』を聴かせていただいて、ロックに海外ポップスにEDMにヒップホップにと、とにかく幅広いジャンルの音楽要素を含む、AS I AMのハイブリッドなサウンドが新鮮に刺激的に響いたのですが、アルバムが完成しての感想はいかがですか?

Yuki:今年に入って、これまでやってこなかった、ポップ要素を意識しながら曲を作るようになって。いずれはアルバムというのは考えながら、新曲をシングルでリリースしていってたんですけど、今回アルバムを作るというのも唐突に決めたんで、これまでの流れがアルバムって行程に繋がっていった感じがありました。

Shiro:AS I AMは僕とYukiがコンポーザー的な動きをしていて、最初に曲を作るんですけど、ふたりとも曲を作るのがめちゃくちゃ早くて。アルバム制作も楽曲をどんどん作っていくなかで、"曲も増えてきたし、アルバム行っちゃおうか?"みたいな感じでした。

Yuki:アルバムを見越して作っていったというよりは、流れで入っていった感じがあって。アルバムが完成したって実感はありつつ、強い実感を持ってないのが正直なところです。

-"アルバムを作ろう!"とコンセプト立てて、組み立てていったんじゃなくて、一曲一曲作ってきた歩みが今作だったと。でも、こうしてまとまった作品ができたことで、改めて自分たちのバンドと向き合うタイミングにもなりましたよね。

Yuki:たしかに、これまでシングルはたくさん出してきて、合間でEPとか5曲入りとかで出してはいたんですけど、アルバムという形になったとき、振り返ったときの距離感もEPとは違うんで、これまでやってきたことも感じ取りながら制作に向き合えました。

-そこから見えてきた"AS I AMとは?"というところでの感想はいかがでした?

Yuki:"いろいろやってんなぁ"と思いました(笑)。メンバーそれぞれ、聴く音楽の好みがあって。その4人がアレンジして、いろんなジャンルから要素を取り入れて、曲を仕上げていったんで、曲ごとにいろんなジャンルからのアプローチを与えられたぶん、これまで自分たちがいかに複雑なことをやってきてたか? ということや、上手くハイブリッドにできていたんだなというのを、アルバムを通して感じることができました。

-でも、それがアルバムとしてまとまったとき、バンドとしての芯の部分を感じて。それを繋ぐのはShiro君の歌やメロディ、メッセージ性もあると思うし、4人の人間性の部分がしっかり出たバンド・サウンドであることが大きいと思いました。

Shiro:"僕のメロディがあって......"というのは、まさに今自分で言おうと思ってたんですけど(笑)、ぐちゃぐちゃやれてるのは、僕が"最後はキャッチーにまとめる"ってところを徹底しているからというのもあって。悲しい曲もアップテンポな曲も、そこを徹底しないとごちゃごちゃになるし、チャレンジだけして上手く溶け込めていないバンドになるなと思ったからで。しっかり聴けてもらえてるのがすごく嬉しいです。

-根っこにあるポップ・センスみたいなところが絶対に曲に生きていて。AS I AMの曲は"このサウンドはちょっと聴いたことないな"と思うような新鮮なアプローチも、スッと耳に入ってくるんですよね。

Shiro:ありがとうございます。僕ら、配信のみでシングルを出し続けてたのも、正直意図的なところがあって。コロナ禍になってからは、バンドの知名度を上げるのに、SNSとSpotifyやApple Musicの公式プレイリストというのがすごく大きくて。EPやアルバムを出しても、公式プレイリストに申請できる曲が1曲だけなので、シングルをリリースするたびに公式の曲数が増えてきてて、そのタイミングもあったんでアルバムをリリースしたというのもあります。

Ko:今年に入って、ポップ寄りの曲を一曲一曲出していって。アルバムとして聴いたとき、"あ、どれもちゃんと俺たちの曲になってるな"という実感も湧いたし、たくさんの人に聴いてほしいと思える自信作になりました。アプローチが一曲一曲違うので、バンドが好きな人もポップスが好きな人もきっと興味を持ってもらえるアルバムになったと思います。

Kenta:そうですね。いちリスナーとして聴いたとき、一曲一曲に個性はあるけど、アルバムとしてすごくまとまってる作品になったと思います。あと、僕はオリジナル・メンバーではなかったんですけど、それまでShiroと一緒にやってた名残りもあったし、曲が好きだったので一緒にやってきて。今までやってきたバンドでもアルバムを作ったことがなかったので、こういうアルバムを作れたことが本当に嬉しいです。

-あと、アルバムを通して強い熱量や向上心とポジティヴなヴァイブスをすごい感じて、"すごい熱いバンドだな!"という印象を受けて。AS I AMのサウンドって、打ち込みやサンプラーやオートチューンも多用していて、いわゆるロック・バンドのサウンドメイキングじゃないけれど、楽曲に込めた熱量を伝えるため、土台には絶対に生音がなきゃいけないんだなと、バンド・サウンドである必要性を感じました。

Yuki:そこは当然、意識しました。音数が多いぶん、生の楽器の音をいかに馴染ませて前に出すか? というのをどの曲も意識してやって。実際、できた曲の中にはあまりに楽器の数が少なくて、増やした曲もあったんですが(笑)。ポップスを意識しながらも、バンド・サウンドはすごく大事にしました。

-「理想」のMVを観たら前半、まったく楽器を弾いてなくて。"このまま弾かずに終わるの!?"と思ったら、ちゃんとバンド・サウンドが効果的に入ってきたから安心しました(笑)。

Yuki:まさに「理想」は"ギターをもっと入れたい"とか話し合いながら、時間をかけて作り進めていって。後半に行くに連れてギターやベースの動きも出していきました。

-そこが面白いところで。音数が多いから、逆にバンド・サウンドの重要さが伝わるし。

Shiro:おっしゃっていただいた"熱量"という部分は、完全に僕の持ってるところです。このバンドで僕ひとり、熱苦しいんです(笑)。メンバーに深夜電話して、ずっと説教したり。

-そうなんだ(笑)。でも、AS I AMは熱苦しさをストレートに表現するバンドでもなくて。クールに聴こえる曲からも、ちゃんと熱量が伝わってくるのがすごくいいです。

Ko:アレンジは、"変な熱苦しさはないアレンジにしよう"ってコンポーザーのふたりと何度もやりとりしながら楽曲制作を進めていって。

Shiro:曲はバンバン作るんですけど、"このアレンジはうっとうしい"とか、サウンドの足し算引き算みたいなところにめちゃくちゃ時間をかけてやるので。

-熱苦しくならないように熱量を伝えるってすごく難しいと思うんだけど、ラスト「Fight song」を聴き終えたとき、ワッと熱いものが込み上げてきました。

Yuki:そこが伝わったのであれば、あの曲を最後に持ってきたのは間違いなかったです。

Shiro:曲順でいうと、ライヴのセトリも意識しましたね。リリース・ツアー("1st Full Album『AS YOU ARE』Release Tour")はこのままの曲順でライヴやろうか? みたいな並びになっていて。僕らはアルバムを配信してから、ツアーが始まるまでにSNSでどんどん告知して、みんなに知ってもらえてる状態でライヴに挑みたいなと思ってるんです。