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LIVE REPORT

ジエメイ

2023.11.14 @代官山UNiT

Writer : 長澤 智典 Photographer:ヤギタツノリ

アルバム『LUNA4』を手に、ジエメイが11月に東名阪で行ったワンマン・ツアー"LUNA4 TOUR"。ここでは、11月14日に代官山UNiTで行った公演の模様をお伝えしたい。

胸を騒がす雄々しきSEが流れだす。舞台の上へメンバーが次々と姿を現した。重厚な音を響かせ爆走するサウンド。そして......ライヴの冒頭を飾ったのが、感情的な歌声をリレーする「愛する」。4人は目の前にいる愛しきひとりひとりへ向け、想いをまっすぐに届けてきた。彼女たちが突き上げる拳に向け、オーディエンスも同じように拳を突き上げる。流れるように楽曲は「ワタシスタイル」へ。エモくメロディアスな歌を続けながら、でもしっかりと場内の熱気を上げてゆく。その場で飛び跳ねながら甘くキャッチーな楽曲を歌う彼女たちは、みんな笑顔だ。この場に輝きが降り注ぐことを、4人は素直に楽しんでいる。その空気がフロアにも広がり、場内には無数のカラフルなペンライトの光の海が生まれていた。

"ちょっと勘違いしないでよね"の言葉を合図に飛びだしたのが「ツンからデレまで5秒前」。"全員飛ぶよ"の声に合わせて、フロアの人たちが飛び跳ねだす。身体を前のめりに、煽るような姿で歌うメンバーに向け、観客たちも気持ちを前のめりに思いをぶつけ返していく。軽やかな曲調の中にも、攻めた表情を見せるメンバーたち。舞台の上の4人は、もちろんツンな姿勢だ。でも、チラチラと見える甘えた表情にデレな面も覚えずにいれない。飛び跳ねる4人の動きに合わせ、会場の人たちも一緒に飛び跳ねる。その景色が胸を熱く騒がせる。

凛々しくもパワフルなダンス・パフォーマンスに続き、声を奮い立て「泥だらけヒーロー」を歌いだした。サビで大きく手を振りながら雄々しき様で歌うその姿は、数多くのライヴ経験を通して、たくさんの擦り傷と共に確かな自信と仲間を増やしてきた"泥だらけのヒーロー"の姿そのもの。緩急巧みに表情をつけながら歌えば、後半にはフロアからクラップを導きだすなど、腰をズンズンと刺激する強烈なダンス・ビートに乗せ、終始攻めたパフォーマンスを見せていた。

"信じられる仲間たち、心をぶち上げて暴れようか"。「オートフィリア」が飛びだすのに合わせ、場内から荒くれた絶叫が轟いた。これまで以上に雄々しい声を響かせ、この空間に歌声と音の嵐を吹き荒らす。彼女たちの歌声と感情、歌詞に込めた強い生き様が、自らの気持ちとシンクロするたびに、心が熱く高ぶり続ける。"強く"、"強く"、"誓え"、"誓え"と歌声を交わし合う様も胸アツだ。フロアではリフトして思いをぶつける人も登場。荒ぶるこの感情、拳を突き上げ、声を張り上げ、思いをぶち撒けずにはいられない。魂を奮わせて歌を響かせる4人の気迫満載の姿に、心と身体が熱く揺さぶられ続ける。

ジエメイにとって、この日が東京で初のワンマン公演。4人とも興奮を隠せない様子で"最後には、みんな立てなくなっているでしょ"の言葉が示すように、彼女たちが楽しんでいる気持ちが手に取るように伝わってきた。

"私たち姉妹の曲"の声を合図に歌ったのが「シスターイグジスター」。"描いた未来はそういつも/切り開いた現実も/棘になって"と歌う声から始まり、そこへサウンドがガツンと乗っかった途端、激しさと心地よい緊張感が生まれる。黎鮫ワナと八乙女ニアが交互に歌声を交わしながら、気迫漲る歌声を突きつけ、この場にスリリングな空気を作り出す。ふたりが歌声を交わし、時にハモらせるたびにフロアが熱い視線を舞台へ向けていた。メンバーの気迫に満ちた歌声やパフォーマンスへ、同じように気迫をぶつけるように会場からも熱い声が響き渡る。挑むように、声で感情を突き刺すように歌う姿に触れ,気持ちが奮い立つ。続く「OVERDRIVE」に合わせ、絶叫が飛び交う。

「シスターイグジスター」から「OVERDRIVE」の流れは、2曲を収録したシングルと同じ展開。その嬉しさも、興奮を導き出した要素。観客たちの熱情したパワーも4人はエナジーに変え、さらに気合いと迫力を漲らせた歌声にしてぶつけ返す。ステージとフロアが、熱した感情同士を歌声と叫び声に変えてぶつけ合う。メンバーも今にも舞台の上からダイブするような前のめりの姿勢で、時に拳を振り上げて歌声を届けていた。間奏でオーディエンスから生まれた"ウッ! ハッ!"の熱い掛け声。"もっともっとテンション上げて最高のワンマンにしていきましょう"と叫んだ気持ちも、わかる気がする。

"躍れ!!"の声を合図に、ラウドでデジタルなダンス・ビートが炸裂。早口で次々と言葉の弾丸を撃ち放つように「な?」を熱唱。勢い溢れる音を唸らせ爆走する楽曲の刺激も加わり、気持ちが高ぶる。サビではフロアがその場で大きく飛び跳ねる。暴走し続けるジエメイという列車に乗り込んで、限界を超える勢いで上がっていきたい。彼女たちは、"後ろ指差されても なあ 嗤ったモン勝ちだろ?"と、自分たちの信じた生き様を、一言一言に強い意志と気迫を込めて歌っていた。魂の入ったひとつひとつの言葉がフロアへ解き放たれるたびに、熱くならずにいれない。

新機軸を打ち出した新曲の「MASH!!」でジエメイはトリッキーな楽曲を通し、この空間をマジカルでパワフルな色に染め上げる。黎鮫ワナと八乙女ニアというふたりの歌姫が荒ぶる声をガツガツと突きつける。眠目り汰と神代ロゼも舞台上で全力ではしゃいでいた。次々と転調してゆく楽曲の上で、雄々しく叫びながら、この空間に身体を揺らす景色をしっかりと作り上げていった。

"手拍子でいこうぜ"という声から、中毒性の高いダンス・ビートに乗せてメンバーが気迫満載の歌声をリレーする「DigDigDig」へ。曲が進むごとに、どんどん感情がエモく上がっていく。躍動するビートの上で、華やかに歌い踊りながら観客たちを煽り立てる。スケールの大きな景色を、彼女たちは描き上げていく。胸を熱くくすぐるキャッチーでエモーショナルな歌と重厚な音が絡み合う展開が、気持ちをハッピーに染め上げる。転調した落ちサビでは、美しい旋律の上で歌い上げるメンバーに向けてケチャする様やクラップをする景色も誕生。いつしか会場中の人たちが、4人の動きに合わせて一緒に腕や身体を揺さぶっていた。

この日は、デビューから1年半の中で生まれた全曲を披露するライヴ。ここでは、初めて東京遠征に来たときの思い出などを語り合っていた。ほかにも、"自分自身を信じていこうというのがジエメイとしての姿勢"という、自分たちの生き様も話していた。その言葉を受けて歌ったのが、「オートフィリア」のアコースティック・バージョン。切々としたピアノの音色に乗せ、ひとりひとりが歌声に感情をグッと込め、触れた人たちの魂を揺さぶる歌声を、喉を震わせ、心を奮い立てながら届けていた。"大事なモノ守りたいんだろ?/どんな時だって/前を向いていたいから"など、強い意志を持った言葉のひとつひとつが、熱情した声の矢となり、フロアにいる人たちの心を突き刺していた。この曲に詰め込んだすべての言葉が、気持ちをずっと揺さぶり続けていた。

「ラ・ラ・リバース」が始まった途端、4人とオーディエンスが一斉に声を張り上げ、"ラーララ"と歌いだす。心地よい緊張感を持って走り出した楽曲の上で胸を熱く奮い立て、"このままで終われないから"と、自分たちとこの場にいる人たちの気持ちを鼓舞するように雄々しく歌っていた。フロアから響き渡る絶叫、剥き出しの感情の刃を突きつけるように歌う。彼女たちの身体中から溢れ出す歌声に心が揺さぶられずにいれない。これは戦いだ、互いに本気で感情をぶつけ合い、高め合いながら、熱狂の極みを目指してゆく。お互いが裸の魂でぶつかり合う、最高のバトルの場だ。

「Mew」では開放的なサウンドに乗せ、心地よくもエモい衝動を与えるように歌っていた。身体を大きく揺さぶり、この場にいる人たちと一緒に拳を突き上げ、思いをぶつけ合う。緩急巧みに感情の揺れを変えながら、しっかりと前を見据えて歌声を響かせていた。その姿へ向け、フロアで次々とリフトし、想いをぶつける観客たち。互いが本気で求め合い、熱狂した景色が目の前にしっかりと広がっていた。

4人はさらに激しく重厚な音を轟かせる「召命コーリング」へ飛び乗り、その場で大きく高く飛び跳ねて熱唱。その姿に触れ、観客も大きく飛び跳ねれば、メンバーと一緒に拳を突き上げ、熱情を全身で受け止めていた。轟音の上で飛び跳ねながら、身体中から次々と沸き立つエナジーを、剥き出しの感情と歌声に乗せていた。後半には、4人に向かってフロアから"オーオ! オオー!"と声が上がる。熱気を帯びた声と気迫と魂のバトルがめちゃめちゃ胸を熱く騒がせる。
黎鮫ワナの熱い歌声を合図に「孤月」に突入。ビートに合わせ、会場から起きたクラップ。メンバーはひと際エモい歌声を響き渡らせ、フロアへ向けて叩きつける。切れ味鋭いパフォーマンスと情熱滾る歌声をぶつけ、気持ちも身体も前のめりに、感情的に声を張り上げていた。

"気持ちをぶつけようか"、「レアリゼ」に合わせ、フロアから歓声が湧く。メンバーの歌声と掛け合うように、場内中の人たちが"カタストロフィー"など声をぶつける様も嬉しいインパクトだ。気迫どころか、鬼気迫る様で歌声やパフォーマンスをぶつけるメンバーたち。細かいひとつひとつの動きから、熱気にも似たオーラを感じずにいられない。喉が張り裂けんばかりに歌い上げる声に、身体中がビリビリと奮い立つ。切れ味鋭くも繊細なひとつひとつの動きが、心を奮い立てる歌声が、魂を燃やし尽くすように身体を揺さぶる姿が、理性をぶっ壊し、興奮を呼び起こす。こんなにも全身全霊で、己の命を削る勢いでぶつけるライヴはほかにはない。その様を、ジエメイは眼前へと知らしめてくれた。

止まぬ絶叫。アンコールを通して最後に突きつけたのが「IRIS」だ。エモーショナルで感情的な声を魅力に、メンバー同士で絡み合いながら歌っていた。"幾千の痛みを繰り返して/明日の自分を描いて/光を求めていた"と歌う声を通し、4人はこの場に、未来を照らす大きくて眩しい光を生み出していた。"幾千の痛みを繰り返して/明日の自分を願って/光に向かうだけ"と歌う言葉が、強い輝きを持って心に突き刺さり、身体中に力を漲らせていく。ジエメイの歌は、誰かを引っ張ってゆく歌ではない。同じ思いを持った人たちに寄り添い、横に並びながら、明日へと続く道を共に歩んでいく。そんな心許し合える親友のような歌だ。だから彼女たちと一緒に、また明日へ向かって駆けだす勇気をチャージしたくて、ジエメイのライヴに足を運んでしまうんだ。


[Setlist]
1. 愛する
2. ワタシスタイル
3. ツンからデレまで5秒前
4. 泥だらけヒーロー
5. オートフィリア
6. シスターイグジスター
7. OVERDRIVE
8. な?
9. MASH!!
10. DigDigDig
11. オートフィリア/acoustic ver.
12. ラ・ラ・リバース
13. Mew
14. 召命コーリング
15. 孤月
16. レアリゼ
17. IRIS

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