INTERVIEW
ジエメイ
2023.10.03UPDATE
2023年10月号掲載
Member:黎鮫 ワナ 眠目 り汰 神代 ロゼ 八乙女 ニア
Interviewer:藤坂 綾
2022年結成、名古屋を拠点に活動する4人組オルタナティヴ・ロック・アイドルのジエメイが、初のCDとなる1stアルバム『LUNA4』(ルナフォー)をメジャー・リリース。数多くのアイドル・フェスやロック・フェスへ出演してきただけあり、その実力と勢いは見事なもの。彼女たちの等身大の姿と成長の過程がはっきり表れた今作に込めた想いとは――感情豊かな4人の素顔を探りつつ、グループへの想いとともにたっぷり話してもらった。
-メンバーと最初に会ったとき、それぞれどんな印象でした?
黎鮫:り汰ちゃんは大人っぽいというか、社会経験がある女性っていう印象でしたね。ロゼちゃんは滲み出るオタク感(笑)、それと育ちの良さ。お嬢様とオタクを掛け合わせたっていう感じ。ニアちゃんは健やか、朗らか、元気はつらつ、天真爛漫......そういう言葉がいっぱい出てきます。
八乙女:もともと顔見知りではあったんだよね。
黎鮫:そうそう、すれ違って、挨拶する程度はね。そのときからアイドルになるべくして生まれてきた子だなっていう印象でした。
眠目:私はみんなと初めて会ったとき、名古屋のドン・キホーテの前で集合だったんですけど(笑)、明らかにこの人たちだよなっていうちょっと厳つい人たちがいて、その中でもワナちゃんがめっちゃ厳つかったんですよ。髪色が銀か青で。
黎鮫:銀だったかな。
眠目:銀だったか。見た目は厳ついお姉さんだったけど、話してみたら人間味溢れてるというか、とにかくギャップがすごくて。私が今まで出会った人類の中で一番性格が良くて、びっくりしました。性格良すぎて人に騙されるタイプね(笑)。ロゼちゃんは......"私八百屋だから"ってずっと言ってて(笑)、八百屋さんでバイトしてたらしくて、ことあるごとに"私八百屋だから"って言ってるから面白いな~って。でも、育ちの良さが滲み出ちゃってるから、きっとどっかで拗らせちゃったんだろうなって(笑)。
神代:ちょっと、印象最悪じゃない? 今日は変なこと言わないようにって気をつけて来たのに、全然隠せてない(笑)。
眠目:大丈夫大丈夫。ニアちゃんは結成から3ヶ月後に入ってきてくれたんですけど、めちゃめちゃ細いし、めちゃめちゃ白いなって。初めて会った場所がライヴハウスだったんですけど、細くて白いから暗がりで発光してて(笑)。見た目は結構キラキラ系じゃないですか。だから、こんな子がジエメイに入ってくるかな? と思ってたら入ってきてくれて。見た目も性格も全部かわいくて、これぞアイドルっていう感じでした。
神代:ワナちゃんは、最初クール系なお姉さんだと思ってたんですけど、話すとふわーんとしてて、優しさの塊みたいな人でびっくりしました。り汰ちゃんは、私、姉がいるんですけど、ほんとの姉のような安心感があって、大人な方だなと思いました。そして八乙女は、最初2次元かと思いました。アニメ・キャラがそのまま出てきたみたいな。見た目がタイプで、喋ったら結構オタクで、"あ、同じ匂いがするぞ!"って親近感が湧きましたね。
八乙女:あはははは。私は、まずワナさんは自分にとってずっと憧れの人だったんです。最初に会ったのは前のグループで対バンさせてもらったときなんですけど、めっちゃかっこ良くて、一瞬で目を引く存在で、オーラが全然違ったんです。そのうえ歌も上手いし、"あー、こんなアイドルがいるんだ"って。初めてみんなで焼肉食べに行ったとき、めっちゃ話し掛けてくれて、こんなに優しい人だったんだって、その優しさにいつも助けられてますね。り汰ちゃんは、ライヴを観たときかっこ良かったから、最初は怖い人かと思ってたんです。そのライヴのときはお話しすることができなかったから怖い人の印象が続いてて、でも初めての顔合わせのとき、"何が好きなの?"、"これ食べられる?"とかめちゃめちゃ話し掛けてくれて、全然怖くなくて(笑)。だから"私にもお姉ちゃんができた!"って嬉しくて嬉しくて。私、お兄ちゃんがふたりいるんですけど、ずっとお姉ちゃんが欲しかったんです。だから、り汰ちゃんは一番家族にしたい人です。ロゼさんは、顔合わせ前にちらっとみんなのTwitterを見てたんですけど、ツイートがおもろくて......ロゼさん、オタクなんですよ(笑)。でもステージに立ったらかっこいいから、それも衝撃的で。その顔合わせの帰りにふたりで話してたら推しが一致しまして、そこから急激に仲良くなりましたね。
-なるほど(笑)。デビューから約1年半経って、それぞれ成長したところや変化したところを感じているかなと思うのですが、いかがですか。
黎鮫:私は、このグループはお互いにいい影響を与えられるグループだと思ってるんです。特に歌に関してはそれが強くて、結成当時から歌の上手いメンバーが集まっているっていう印象はあるし、上手くなりたいというのは全員がずっと思い続けていることなんですけど、結成時よりはできることが増えてるし、歌える歌も増えてるし、音域の幅も広がってきてるなっていうのはすごく感じてます。知識がないと、何がやりたいのかもわからないじゃないですか。でも、例えばこのメンバーがやってることを私もやりたいとか、あのパートの歌い方を私もやってみたいとか、そういうことをお互いに教え合ったり、真似し合ったりしながら、みんなで一緒にスキルアップしていってるなというのは、最近特に感じますね。
神代:メンバーがみんな褒め上手なんですよ。些細なことでもめちゃめちゃ褒めてくれるから、上手くいかないことがあっても頑張ろうって思えるし、次に繋げていこうって思えることが多いんです。そう思うと成長はたくさんあるし、お互い高め合える関係だなって思います。
八乙女:私は、ジエメイで初めてステージに立ったのが名古屋CLUB QUATTROで、ステージが広くて、この広いステージをどう使って、自分をどう見せたらいいんだろうって、そのときはそういう想いでいっぱいだったんですけど、今はどんなステージでも自分なりの見せ方がわかるようになったし、実際できるようになってると思うので、そこが大きな成長かなと思います。あとは精神の成長(笑)! 1年前は、悔しいこととかあるとすぐ泣いてたんですけど、今はもう"やってやるぞ!"っていう気持ちでずっと突き進んでます。
-そういう気持ちになったのは?
八乙女:やっぱりメンバーがプラスの言葉を掛けてくれることが多いからですね。ありがとう! いつも! だからもうメンバーには感謝しかないです。
-褒め合ったり、プラスの言葉を掛けたりっていうのは意識してのことなんでしょうか。
眠目:歌い方を真似し合ったり、うつったりって話がありましたけど、それと一緒で性格もうつってきてるんだと思います。ワナちゃんの性格がうつってきてるというか、さっきも言いましたけど、ほんとにいい人なんですよ。いつも穏やかに生きているというか。そういうワナちゃんのいいところがどんどんうつってきてるんです。正直、私ひとりだったらこういうふうには考えられないなって思うことが多々あるんですけど、ワナちゃんによって空気が浄化されてるんです。空気清浄機(笑)。いい影響しかないというか、お互いいいところをうつし合ってる感じですね。
八乙女:みんなお互いのいいところを見つけるのが上手なんですよ。
眠目:好きだからね。
八乙女:あ、なるほど!
眠目:ワナちゃんからはそういう優しいところがうつってきてるし、真面目なところはロゼちゃんからうつってきてるし。どうしても空気がどよーんとするときがあるじゃないですか、体調とかそういうことで。そういうときはニアちゃんがその空気を上手く崩してくれるんです。性格がアッパー系なんで、テンション高いし、人を笑顔にするのが得意というか、きっと意識してないんだろうけど、そういう性格なんですよね。
八乙女:ひとりでずっと大喜利してるしね。
眠目:そうだね。面白いよね。空気を変えてくれる存在。
-り汰さんがみなさんのことおっしゃってくれたんで、みなさんから見たり汰さんもお聞きしたいです。
眠目:えー、ちょっとそれは困っちゃうな(笑)。
黎鮫:冷静な判断と優先順位のつけ方がめちゃめちゃ上手。あれもやらないといけない、これもやらないといけないっていうときに"あれやってる?"、"これは準備した?"ってみんなの見えないところで全部組んで、ちゃんと確認してくれたりね。私は結構忘れものが多いタイプだったんですけど、しっかりしなきゃというか、自分を律するきっかけをいつもくれてる人ですね。
神代:メンバーの変化に気づくのが早いです。ちょっと落ち込んでたりすると相談に乗ってくれたり、"大丈夫?"って声を掛けてくれたり、優しいです。
八乙女:人の感情を汲み取るのが上手というか、空気読むのがめちゃめちゃ上手。自分があんまり空気読めないタイプで、よく"え? 今?"って言われるんですけど。
黎鮫:"ニアちゃん、ちょっとそれ今じゃないよ"ってね(笑)。
八乙女:そうそうそうそう(笑)。ほんと、お姉さんって感じでみんなのまとめ役ですね。レッスンの日程を決めてくれたり、り汰ちゃんがいなきゃっていう感じです。
眠目:それ以外のことはやってないんで......って、恥ずかしいですね(笑)。
-ふふふ、ありがとうございます。話を戻して、内面的、精神的な成長という点で何か感じてるところはありますか。
眠目:私は感情が豊かになった気がします。ファンの方たちが感情豊かな人が多くて、周年のライヴとかそういう記念のときに泣いてくれたりっていうのはわかるじゃないですか。でも、通常のライヴでも泣いてくれたりするんですよ。
黎鮫:MCとかもないのにね。
眠目:そう、私たちのライヴってMCがそんなにないので曲と歌がすべてなんですけど、そのライヴで大号泣する方がすっごく多くて。自分たちの歌と歌声でここまで号泣してくれるって、やりがいももちろん出るし、そういうファンの姿を見て、もっと素直に感情を出していいんだなって自分も思ったんです。
-なるほど。
眠目:今までは泣いちゃダメっていうんじゃないですけど、弱いところを見せちゃダメみたいな気がしてたんです。だけど、みんな自分の生活に歌詞を当てはめたりして泣いてくださるんだなって思ったら、弱いところも見せていいんだなって。だから今はそれを見せるのが恥ずかしいとも思わなくなったし、逆にそうやって心を動かせてることがすごいなって。みんなが大号泣してる姿を見て感動したし、私がそれによって心を動かされたし、そういう全部の感情を歌で消化することができるようになったので、そこがメンタル面の成長だと思います。