LIVE REPORT
Risky Melody
2023.07.03 @川崎CLUB CITTA'
Writer : 杉江 由紀 Photographer:大前智也
無謀に終わることもありえた彼女たちの大胆なる挑戦は、むしろ大きな成果だけを生み出すかたちでRisky Melodyの歴史に新たな1ページを刻むこととなった。
このたび、7月3日に自身最大キャパのワンマンとなる"Risky Melody 9th Anniversary ONE-MAN LIVE~君と僕となら越えていける 2023~"を川崎CLUB CITTA'にて開催することになったとき、彼女たちは自身でそのことを"かなりの背伸び"と認識していたという。だがしかし、実際に蓋を開けてみればこの夜の彼女たちは背伸びどころか、等身大のRisky Melodyをその場で存分に見せつけることになったのだ。
ひとつには昨年だけでも130本、今年に至っては路上ライヴも含めると計200本を突破しそうな勢いで精力的に行ってきたという地道なライヴ活動を通じ、Risky Melodyが演奏力およびパフォーマンスの面で揺るぎない底力を培ってきたことが確かな担保となっていたものと思われる。また、このライヴではプロジェクション・マッピングやレーザー・ビームを導入したライティングなどの演出が効果的に仕込まれていたところも印象的で、これらについてもRisky Melodyはすべて直接的に意見を出すなど関与していたそう。
もちろん、どれだけ彼女たちがこのライヴに懸けていたのか、ということはセトリの内容および演奏の完成度にも顕著に表れており、各メンバーは自身最大キャパのワンマンであることを感じさせないほど、伸び伸びとしたステージングを展開していたのである。
派手なドラム・ソロに加え、中盤のアコースティック・コーナーで音大&オーケストラ仕込みのパーカッション・プレイをも披露したのはayaeであったし、タッピングや速弾きを見せつつアコギの腕前まで光っていたAsumi、巧みな指弾きで思いっきりベースをブイブイ言わせていたHaRU、ツインテールでキュートさを振り撒きながらもショルダー・キーボードまで駆使して攻めの姿勢を提示していたAYA、そして細身の身体から出ているとは思えないほどにパワフルな歌声を聴かせていたALICEのフロントマンぶりも、実に見事であったと言っていい。また、ALICEに関してはセクシーな衣装をクールに着こなすヴィジュアル番長然としたところに魅了されたオーディエンスも多かったのでは??
なお、充実の本編のあとにはアンコールにて映像を用いた重大発表がされることになり、この場面では場内から大きな拍手と祝福の声援が上がることになった。
"先ほど発表がありました通り、10月にはみんなとライヴで温めてきた曲や、新曲が入った2年ぶりのアルバム『Reflection』を出します。私たちにとってはインディーズ最後の作品です。(中略)そして......来年2月にRisky Melodyはメジャー・デビューします!! 10周年でメジャー・デビューができるというのは、みんなのおかげです。本当にありがとう!! だけど、Risky Melodyは変わりません。みんなと頑張ってきた路上ライヴとか、ツアーとか、みんなで一生懸命に護ってきた小さいけど大切な私たちのホーム=ライヴハウスでの活動をこれからも大事にしながら、私たちの夢に向けてメジャーへ行きます。みんなと一緒に最高の景色を見に行きたいです!!"(ALICE)
この言葉のあとに新衣装で演奏されたのは未発表の新曲「PHOENIX」と、リスメロにとってのアンセムである「Risky Melody」。ここで歌われた"君と僕となら超えていける/もうすぐ分かるはず/道なんて作ればいいさ/Risky Melody"という歌詞が本当の意味で強く大きく響き出すのは、きっとここから先の未来であるに違いない。
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