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LIVE REPORT

LOUD PARK 09|HATEBREED

2009.10.05 @幕張メッセ -BIG ROCK STAGE-

Writer KAORU

95年、コネチカット州にて産声を上げた、泣く子も黙るメタル/ハードコアの雄、HATEBREED。
恐らく今日のLOUD PARKでは、彼らを観る為に集まったファンもかなり多くいただろう。特に、"MTV HEADBANGER'S BALL"の司会も務める、ヴォーカルのJamey Jestaの兄貴分的カリスマ性に憧れるキッズの数は計り知れない。
筆者はLOUD PARKが初めて開催された年にもHATEBREEDのライヴを観たのだが、その攻撃的なサウンドとは裏腹に、意外にもサラっとした印象の演奏に少し違和感を感じたのを覚えている。その時、筆者が勝手に期待していた、ハードコアの表現としての表情が、メンバーの顔に見えなかったのだ。しかし今日、彼らのライヴを観た後、私はあの時、彼らのライヴの醍醐味のなんたるかというものをちっとも理解していなかったのだなと反省した。
そう、HATEBREEDのライヴの醍醐味は、ピースフルな一体感にあったのだ。一言で表せば、"ユニティー"そして"リスペクト"。ハードコアのライヴと言えど、感情過多な表現や、虚仮威しは、彼らのライヴには必要のない要素なのだ。

「Destroy Everything」でスタートしたこの日ライヴは、期待を全く裏切らない素晴らしい盛り上がりとなった。フロアは、ジャンプや、巨大なサークルピットや、激しいWall Of Deathで応戦。ヒップホップのライヴのように、手を左右に振る場面も見られた。
Sean、Frank、Chris、Mattの4人のプレイは淡々としては見えるが、さすがに安定感のある演奏。リズムが乱れることがなく、先走ったりすることなんて全然ない。ファンが安心してリズムに身を任せて暴れられるのは、この4人のしっかりとした演奏のおかげなのだなと、しみじみと感じた。彼らの曲がライヴにおいて、どのくらいのBPMで演奏されるのが一番気持ちいいのかということも熟知しているのではないかと思う。厚みがあるグルーヴ感も、とても心地よく感じられた。
そして何よりも、笑顔でステージを動き回るJamey。彼の立ち姿は文句なしにかっこよく、フロアの端の端にいる人にまで届くような、素晴らしい統率力を見せてくれた。ヴォーカリストとしても、以前に観た時より、確実にパワーアップしていたのも嬉しい驚きだ。サイドプロジェクトであるICEPICKや、 HATEBREEDとしてのカヴァーアルバムにおいて新しい挑戦をしたことが、ヴォーカリストとしての彼を、より進化させる要因となったのではないだろうか。
ニュー・アルバム『For The Lions』を引っ提げて、ツアーに勤しんでいるHATEBREED。彼らは今この瞬間も、数多のキッズに、ピースフル・マインドと、救済を与えているのだろう。

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