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INTERVIEW

夕闇に誘いし漆黒の天使達

2024.06.04UPDATE

2024年05月号掲載

夕闇に誘いし漆黒の天使達

Member:小柳(ブス担当/Vo) YUMA(GOD/Gt) ともやん(Ba/シンガロンガー) にっち(Dr/飯食い) パーティーモンスター(Party)

Interviewer:フジジュン

-過去音源を聴いて"ああしとけば良かった"みたいなことを思う人も多いようですから、過去曲を今の形で再録できるって、うらやましいと感じる人も多いと思いますよ。

ともやん:そうですね。疲れましたけど(笑)。僕はトラックのレコーディングとアレンジとミックスと監修をやったんですけど、僕が作った曲が多かったんで。"今だったらこうするけどな"を実現するいい機会になったんですけど、アレンジをガラッと変えた部分もありましたし、元音源ならではの良さを残しつつ今のスキルでのアレンジを加えたんで、そういうところに気づいてくれる人が多いといいなと思います。

-まずスピーカーから流れてきたときのサウンドの質感から全然印象違いますよね。

ともやん:そうですね。エンジニアも違うんで雰囲気も変えられて。もうちょい時間があれば、もっとできるんですけど。納得のいく仕上がりにはなりました。

にっち:俺は新曲の話で、エンジニアさんがドラマーで、フレーズを作ってもらったんですけど、それが難しすぎて"勘弁してくれ!"という感じでした(笑)。

-YUMAさんは、自分で弾いたギターで過去楽曲が生まれ変わっていくという経験はいかがでしたか?

YUMA:レコーディング自体が初めてだったし、ギター・アレンジも結構変わって難しくなったりもしてるんですけど、さらにカッコ良くなってると思います。もとの楽曲ももちろんカッコいいんですけど、さらに進化しているのは感じてもらえると思うし、音の重さとかも増してすごくカッコ良くなってると感じます。

-パーティーモンスターさんは全曲スタジオで踊ってたんですか(笑)?

PM:行ってもいないです(笑)。まったくと言っていいほどアルバムには触れてなくて、発売日のみ知ってるので、お客さんと同じ目線で楽しもうと思っています。

-完成したアルバムを聴いてはいるんですか?

PM:聴いてもいないです。だから発売日が待ち遠しいです(笑)。

-わはは、本当にただのファンじゃないですか! 作品におけるスタンスはよくわかりました(笑)。今回ベスト盤収録曲の選曲はどう進めていったんですか?

小柳:"録り直すなら初期の曲がいいか"って話から、1年間にシングルを4枚出した年(2018年)があったので、その4曲を入れて、残りはくじで選びました。

ともやん:あはは(笑)。残りはライヴでやることが多い曲をメンバーで選んで決めていった感じです。意外な曲だと「時間が戻ったら抱きしめて...」はピアノ・アレンジで入ってて。

小柳:1回ピアノ・アレンジでやったらすごく良くて、"バラードらしいバラードがないから、これがいいんじゃない?"って。

-1曲目がこのメンバーになってからの曲「パーティー・イン・ザ・ダーク」で始まって、ラストを新曲「ビューティフル・ティーンエイジャー」で締めくくってるのがすごく良くて。「ビューティフル・ティーンエイジャー」はお客さんの声が入って完成する、ライヴを想定した楽曲になってますが、自分たちだけじゃなくて、お客さんと一緒に作った10年だったというのをこの曲で表してるなと思ったのと、"生きてるだけで美しい"という楽曲テーマに、ベスト盤に収録されている夕闇楽曲の根幹にある、一貫したテーマみたいなものを感じたんです。

ともやん:あ~、嬉しいですね。

小柳:危なかった! 最初は逆で、1曲目が「ビューティフル・ティーンエイジャー」で最後が「パーティー・イン・ザ・ダーク」だったんです。

-"みんなで騒ぐのが一番楽しい"ってテーマもどちらの曲にも通ずる部分だから、どちらでも良かった気もしますけど、最後が新曲の方がメッセージが伝わる気はしますね。10周年記念ソングとも言える「ビューティフル・ティーンエイジャー」はどんな経緯でできた曲だったんですか?

小柳:とりあえず新曲を入れたかったんですが、あんまり"10周年"って曲にしたくなかったんです。使いにくいなと思って。なので普通に新曲を入れた感じではあったんですけど、気持ち的には10周年を踏襲したみたいな感じでした。ライヴで盛り上がる曲を作ろうみたいな話から、メンバーが歌うところとかみんなが口ずさめるところとかは"いらんやろ!"くらいバカみたいに入れて、あえてマシマシにしてるんですけど。

-MVでも"一緒に歌う箇所が多く含まれております"って注意喚起が出ますからね(笑)。

小柳:そう。だから、あえてライヴにフォーカスした曲になってるし、メンバーでやってる感じでもライヴだと10倍、100倍盛り上がるだろうなという気がしてます。

ともやん:書き手としては今できる最大限のアプローチが詰め込めてるなと思ってて、自分の手癖とかもあえて生かしつつサビに行きそうで行かないとか、感情の揺さぶり方を意識して書いて、"自分だったらこういうのアガるな"と。

-曲展開にツンデレを生かして。

ともやん:そうです(笑)。で、最後は一気に駆け抜けるみたいないい展開が作れて、いい歌も乗ったので、ライヴではキラーチューンになるんじゃないかな? と期待してます。新曲はすでに解禁していて、"今までピコピコした曲が多かったから、そのギャップに最初は動揺した"みたいな意見もありましたけど、"早く慣れてください!"って感じで。

-逆に言うと、ピコピコに頼らないバンド・サウンドの強さと自信を見せられた曲になってるわけですしね。演奏面で苦労したと言うにっちさんは新曲いかがですか?

にっち:まだライヴでやってないんで、なんとも言えないですね。未知数です。

小柳:なんなら全然盛り上がらなくて一生やらなくなる可能性もあるからね。"あれ? 全然盛り上がらないじゃん。いつもの「酒ナイト(ウォウウォウイェイイェイ酒ナイト)」やろうぜ"になる可能性もあるし。

にっち:あはは(笑)。だから早くライヴでやりたいですね。

小柳:ライヴで何が盛り上がるか、わからないからね。賛否両論あるくらいの曲の方が良かったりするんだよ。「ウォウウォウイェイイェイ酒ナイト」なんて俺らからしたら60点くらいの曲だからね。今やっと平均超えたくらいだよな(笑)?

ともやん:そうだね。シンセとかアレンジ入れて、やっと70点くらいかな? みたいな。でもライヴではウケるっていう。

小柳:今回の曲で言うと「ラブソング」とかが一番変化してるんですよ。2回進化してるくらいの感覚があるんですけど、結局最初のやつが根強い人気ありますからね。よくわかんないんです(笑)。

-わはは(笑)。レコーディングは、Crystal Lakeの田浦 楽(Gaku/Dr)さんがREC、マスタリング、ミックスを担当してサウンド面にかなりの影響を与えてます。

ともやん:前のエンジニアさんも良かったし、楽さんは楽さんで良くって、どちらの良さもあるんですけど、新鮮さだけじゃなくてフランクさもあったのでやりやすかったです。

YUMA:楽さんはCrystal Lakeなのでヘヴィなアレンジが得意で、厳ついサウンドになったなと思って。テクすぎてビックリしましたし、すごく勉強になりました。

ともやん:僕もアレンジを一緒にやっていくうえで、(楽さんは)自分の持ってない引き出しをたくさん持ってたんで、今回学んだことは今後も生かしていきたいなと思います。

-小柳さんは楽さんとの作業はいかがでしたか?

小柳:俺のやりたいことをわかってくれて、寄り添ったレコーディングをしてくれて、やりやすかったです。5日で13曲録ったんですけど、まだ余裕があったくらいで。歌い慣れてる曲とはいえ、そのハイペースさがやりやすかったという証拠なんだろうと思います。大変だったのは新曲くらいですかね? 新曲は一緒にメロディを詰めて5回くらい書き直して、アクシデントもあったんですけど、一緒に苦労したことで新しい信頼関係もできたんで結果良かったです。