INTERVIEW
MAZE
2023.04.10UPDATE
2023年04月号掲載
Member:ゴメス Reo アサギ UZUME
Interviewer:山口 哲生
2022年に始動した4人組メタルコア・アイドル MAZE。ゴメスとアサギによるツイン・スクリーム、Reoのラップ、UZUMEのクリーン・ヴォイスという強烈な4声と、超本格的なラウド・ミュージックを武器に、現在、様々なイベントに出演中。バンド・セットでの凄まじいパフォーマンスも破壊力抜群で、熱い注目を集めている。また、今年1月から3ヶ月連続で発表された楽曲は、Daisuke(SEVER BLACK PARANOIA)、寛-hero-(Another Story)、架神 -kagami-(DEXCORE)が担当し、ここからさらに躍進していく勢いに満ちた楽曲たちに仕上がった。今回のインタビューでは、3ヶ月連続リリースの楽曲についてはもちろん、始動から現在までを振り返ってもらった。
お客さんのおかげで今があると思っているので、 感謝の気持ちだけは忘れずに持ち続けたい
-2022年にMAZEとして始動されたわけですけども、この1年間を振り返ってみていかがでしょうか。
ゴメス:怒濤すぎてあまり記憶がないんですけど(笑)、最初の頃は、やっぱりできたばかりなので、他のグループからのお誘いも少なくて。そんななか、定期公演という形でほぼワンマンみたいな感じのライヴを結構な頻度でやっていたんですけど、それが一番大変だったかもしれないですね。
アサギ:夏の終わりぐらいまでは、定期公演をほぼ単独でやっていて......という感じで。
ゴメス:でも、自分たちしかいないからこそ、各々が挑戦してみる機会も多かった気がする。そこからだんだん誘われるようになってきて、フェスとかも出れるようになって。去年は"ZEPHYREN × SHIBUYA THE GAME presents『In The Family FEST 2022』"とか"FABLED NUMBER presents『DIE ON ROCK FES 2022』supported by SNAZZY TUNES"とか、バンド・セットのほうで結構大きなイベントにも出れるようになって。
-届き始めているなというのを少しずつ感じながら進んできたと。
アサギ:そうですね。当初はリリースとかも一切していなかったので、プロモーションも何もなく、イベントもあまり誘われないなかで定期公演をやっていたんですけど、メンタルは鍛えられたと思います。
Reo:お客さんも毎回来てくれるような人たちもいるから、その人たちも私たちと同じぐらいメンタルが鍛えられて(笑)、お客さん含めて一段とチーム力が高まっていったというか。やっぱりお客さんのおかげで今があると思っているので。感謝の気持ちは忘れずにいたいです。
UZUME:最初の頃は悩むことも多かったんですけど、人の温かさを知りましたね。MAZEを好きで、頑張ってほしいと思っているから助けてくれる、支えてくれる人たちは、ファンの人もそうですけど、いろんな周りの大人の方たちもそうですし、そういうことって当たり前じゃないんだなって。そのことを実感した1年でした。自分の考え方とかもすごく変わったと思います。
-今年の2月にはタイで開催された"JAPAN EXPO THAILAND 2023"にも出演されていましたが、現地の空気はいかがでした?
アサギ:温かかったです。他はアイドル! っていう感じの出演者の方たちの中で、こういうメタル寄りの音楽をやっているグループは自分たちしかいなかったと思うんですけど、お客さんに嫌な顔とかもあまりされなくて。それこそジャニーズの女性のお客さんとかも優しくて、ニコッとしながら観てくれていて。
Reo:しかも早朝で炎天下の中。
アサギ:2月でもめちゃくちゃ暑かったんですよ。
Reo:でも、面白そうに観てくれていて。
ゴメス:いつも私たちのライヴには、メタル好きとかロック好きの人が来てくれるんですけど、そうじゃない人たちに向けてやる機会がすごく新鮮で。でもみなさんすごく温かかったので、そこで新しい空気を作っていく感じがしてすごく楽しかったです。
-そもそも国外でもライヴをしたいという気持ちもあったんですか?
アサギ:めちゃくちゃありましたね。みんなで"海外にも行きたい"ってずっと言っていたので。
UZUME:私の従兄弟が海外のデスコアとかデス・メタルが好きで、私の活動を知ってMAZEの曲も聴いてくれているんですけど、"絶対海外に行ったほうがいいよ"って言ってくれていて。それもあって行けたらいいなと思っていたんですけど、タイに行ったら余計に行きたくなっちゃいましたね。私はMAZEみたいなアイドルを他で見たことないので、日本でもたくさん活動していきたいし、海外にもたくさん行けたらいいなって思ってます。
-現地でハプニングとかはありました? 初海外でメンバーの意外な一面が見れたとか。
アサギ:どうだろう......わりと別行動してた気がする。
ゴメス:結構自由な感じなんですよ。メンバー4人、それぞれ好きなものとかやりたいことが違ったりするので。だから基本的にライヴ以外は各々で行動して、各々楽しんでいるっていう感じです。
アサギ:夜ご飯は一緒に食べましたけど。
ゴメス:そうそう。でもお昼は"タイ料理食べたい"って言う人と、"日本料理が食べたい"って言う人と、"節約したい"って言う人がいて(笑)。
-でも、決めるときはバチッとやって、他はそれぐらいの距離感のほうが過ごしやすそうでいいですね。活動していくなかで、課題や目標など改めて感じたこともあったのではないのかなと思うんですが、そちらはいかがでしょうか。
ゴメス:私たちはバンド・セットでも定期的にライヴをしているんですけど、アイドル・ライヴとバンド・セットのときを比べられることが多くて。やっぱり音とかステージの迫力がかなり違うので、アイドル・ライヴのパフォーマンス力を上げるというのが、グループの課題かなと思ってます。バンド・セットにはバンド・セットの良さがあって、アイドル・ライヴにはアイドル・ライヴの良さがあると思うんですけど、でも、アイドルだけどバンドに匹敵するような力をつけていかないといけないのかなと思ってますね。めっちゃマジメに言っちゃいましたけど(笑)。
アサギ:でも、その通りです。本当にその通り。
ゴメス:最近本当にその話をしていて。お客さんもやっぱりバンド・セットのときが圧倒的に多いんですよ。その数字とかを見ても、やっぱりアイドル・ライヴはまだ足りないところがあるのかなって。
アサギ:アイドル・ライヴの良さをまだ引き出せていないというか、"アイドル・ライヴならではの"というものがちょっとまだないと思うので、そこをしっかり考えていきたいなと思って。始動してからもうすぐ1年になる(※取材は3月下旬)のもあって、今は結構いろんな話し合いをしてますね。
-Reoさんは、活動してきて感じた課題や目標と言うと?
Reo:私、メンバーの中で一番ドジじゃないけど、要領が悪くて。MCとか煽りもさせてもらっているんですけど、よく間違えちゃうんですよ。そこも話し合いで指摘されたりして(苦笑)、今後直していかなきゃいけない課題のひとつだなと思っているんですけど。もともと文章を組み立てるのが苦手なタイプというか。"なんでMCしてるんだ?"って話だけど、でも、やりたいっていう気持ちがあってやらせてもらっているので、伝えていく力をもうちょっと上げていかないとなって。
-伝えたい気持ちがあるぶん、それをうまく伝えられないのはもどかしいですね。
Reo:そうなんですよね。曲間で喋ったりもするんですけど、この短い時間でどう伝えようとか、もっと練習しないといけないなって思ってます。
-UZUMEさんとアサギさんはいかがでしょうか。活動していくなかで見えてきた課題とかはありました?
UZUME:私はやっぱり歌ですね。それこそ話し合いの中でいろいろ課題が出てきてるので、そこを取り組みつつ、この1年でしっかり成長していきたいなと思ってます。
アサギ:私はスクリーマーとしての部分ですね。周りにスクリーマーの友達も多いんですけど、自分よりうまいなとかすごいなと思うし、"女性スクリーマーと言えばこの子"みたいに名前を挙げられているのを見ていて、自分もいつかそうなりたいなって。"日本の女性スクリーマーと言えば"と言われたら、日本人からも海外の人からも名前を挙げられるようになりたいなと思ってます。
-そもそもスクリーマーとしての活動をしてみたかったんですか?
アサギ:そうですね。もともとメタルがすごく好きで、最初はシャウト自体はできなかったんですけど、やりたいと思ってやらせてもらって。
-シャウトを始めたのは、こういう活動をするようになってから?
アサギ:そうです。そこから練習するようになって。それまでずっとスタジオで練習していたんですけど、メタル・バンドの方と対バンするようになって、やっぱり筋トレが大事だなってことに気づいて。みんなムキムキなんですよ。なんか、スクリーム・ヴォーカルって、みんな腰にエニタイム(フィットネス)の鍵をつけてて(笑)。私も形から入ろうと思ってエニタイムに通い始めたら、結構定まってきたというか、自分のスタイルが見つかってきて。やっぱ筋トレだなって思いました。
-同じくスクリーマーのゴメスさんはいかがです?
ゴメス:私は逆に他をあまり知らずにずっと独学でやってきたんですよ。きっと他の良さもあると思うんですけど、やっぱりMAZEで、唯一無二のツイン・スクリーマーとしての面白さというか、武器を伸ばしていきたいなっていうところはあって。急に新曲の話になってしまうんですけど(笑)、一番新しい曲の「Grotesque Creatures」はふたりで掛け合いするパートが多くて、そこはまだまだもっと磨けるとお互い思っていて。なので、MAZEと言えばツイン・スクリーマーと言ってもらえるくらい、MAZEといえば「Grotesque Creatures」と言ってもらえるぐらい、この曲でふたりのスクリームを伸ばしたいなっていう気持ちはありますね。