INTERVIEW
SABLE HILLS
2022.06.02UPDATE
2022年06月号掲載
Member:TAKUYA(Vo) Rict(Gt) UEDA(Ba) Keita(Dr)
Interviewer:荒金 良介
日本のメタル代表として必ず爪痕残して未来に繋げたい
-では、今作を作るうえで何か明確なテーマはありました?
Rict:前作(2019年リリースの『EMBERS』)でギターがひとりになったので、ライヴのことも考えずに、自分の好きなことを詰め込んだんですよ。そしたらライヴで再現するのが大変だったんです。今作はシンプルに、かっこいいことをやろうと。曲の時間も短くなったし、展開もシンプルに仕上げました。6月からジャパン・ツアー("DUALITY TOUR 2022")が始まり、そのあとにヨーロッパツアーもあるので、そこでブチ上げられる楽曲が欲しいなと思ったんです。だから、ライヴを想定しました。
-ライヴ感を意識したのは今作が初めて?
Rict:曲単位ではあったけど、アルバム単位で意識したのは初めてですね。全曲、ライヴでやれたらいいなと。
-とはいえ、コロナ禍でライヴもできなかった時期も多かったと思います。今作で描いたライヴのイメージとは?
TAKUYA:モッシュ、シンガロングだけで盛り上がっていたのが、今はそれができなくなったので、また違う魅せ方を意識しなきゃいけなくて。楽曲の完成度もそうだし、単純な盛り上がり方だけではなく、感情をいかに伝えるかが大事だなと。モッシュ、シンガロングありきから、いかにヘドバンさせるかに変わったかもしれない。
-リフやリズムなどフィジカルに訴える要素を大事に?
Rict:そうですね。大振りになっているかもしれません。とはいえ、モッシュ・パートもあるんですけどね(笑)。
TAKUYA:そのうちモッシュが解禁される日を信じて、そういうパートも入れてます。「The Eternal」はステージ・ダイブ・ソングですね。
-「The Eternal」は今作の中でも異色のナンバーですね。
Rict:最初は入れるか悩んだけど、メンバーにデモを聴かせたら、絶対に入れたほうがいいと言われたんですよ。すごく昔に作った曲なんですけどね。
Keita:曲が流れた瞬間に全員がブチ上がりましからね。
Rict:歌詞はコロナ禍で、ライヴができない状況下を歌っているんです。だから、随所にモッシュ、シンガロングできるパートを入れようと。
-"俺たちは道を作らなくてはならない"(「The Eternal」和訳)の歌詞にはどんな思いを込めているんですか?
Rict:世間的にはまだライヴに行きやすい状況じゃないし、世界をもう一度作り変える必要があるなと思ったんです。
TAKUYA:お客さんもモッシュ、シンガロングの仕方を忘れてきちゃっているから。2019年までの世界をまた作り直さなきゃいけないなと。
-あと、「Crisis」で"これは俺のカルチャー/トレンドなんかじゃない"と歌詞(和訳)で言ってますが、これは?
Rict:さっきの曲とテーマは似ていて、この曲を書いているときはまさにライヴハウスが叩かれている時期だったんですよ。好きなものは胸を張って言っていいんだよと歌いたかったんです。それプラス、今は重い音楽が商業化されている気がして、この曲はそれとは違うし、トレンドではなくて、カルチャーだ! という気持ちを伝えたくて。
TAKUYA:Crystal LakeのRyo(Vo)さんが俺たちのことを"メタルの未来"と言ってくれましたからね。あと、今作では今まで中音域のスクリームを使っていたけど、ローも、ダーティなスクリームも出せるようになったんです。「Bringer」のサビ前ではメロディのあるシャウトにも挑戦したので、そこも聴いてほしいですね。
-わかりました。そして、6月は"SATANIC CARNIVAL 2022"を皮切りに、8月は"Wacken Open Air"(ドイツ)、"BRUTAL ASSAULT"(チェコ)、"The Ultimate Summerblast Festival 2022"(ドイツ)などヨーロッパのメタル・フェスへの出演も決まってますよね?
Rict:"SATANIC CARNIVAL 2022"ではラウド・キッズにメタルのかっこ良さを伝えたいですね。
TAKUYA:"Wacken Open Air"は去年のオーディションで選ばれたけど、コロナで延期になりましたからね。この1年は準備期間だったんですよ。"Wacken Open Air"でかますために何をするべきか。その答えのひとつが今作なんです。あっちで得たものを日本に発信したり持ち帰って伝えたいし、日本のメタル代表として必ず爪痕残して未来に繋げたいです。