INTERVIEW
零[Hz]
2021.11.26UPDATE
Member:ROY(Vo/Lyric) Rio(Gt) Leo(Gt/Prog) TEIKA(Ba) RYOGA(Dr/Mani)
Interviewer:杉江 由紀
今ここでみんなに素直な感謝の気持ちを曲として届けたかった
-それにしてもですよ。零[Hz]が今ここにきて、そこまでファンの方々に向けて率直な気持ちを届けたいと思ったその背景には、何があったのでしょうね。
ROY:それはもう、これまでライヴのMCとかでも何回となく言葉にしてきたことですし、夏からのツアーやそのファイナルでやった恵比寿LIQUIDROOM公演にしても、このコロナ禍でのお客さんたちの立場で考えてみると、本当によくみんなライヴに来てくれるよなって僕らはすごく感じてるんですね。いやほんとにそれはもう心から。もちろん、それぞれの人にはいろんな事情もきっとあって、中には職場から止められてるけど、来てくれてるとか、ライヴに来るためにワクチンを打ったとか、来たら家族に何か言われるかもしれないとか、たくさんいろんなことがあるなかでも、リスクをおかしてまで僕ら5人の音を選んで聴きに来てくれたり、僕ら5人に会いに来てくれたりするわけじゃないですか。それこそ、時間や交通費も使ってくれてるわけですよ。その事実と直面したときに改めて感動してしまったので、僕らとしては今ここでみんなに素直な感謝の気持ちを曲として届けたかったんです。僕らとみんなにとっての大切な待ち合わせの場所は、やっぱりライヴハウスだよねっていう歌にしたかったし、これはここから続けていく"零[Hz] ONEMAN TOUR「RENDEZVOUS CHORD」"や、そのファイナルとしてやる来年1月11日のO-EAST公演にも繋がっていくものなんですよ。
-ということは、表題曲の「RENDEZVOUS」のみならず、今回のシングルは「ROYAL RAMPAGE」(A type収録)、そして「リアン」(B type収録)といったカップリング曲もすべて含めて、ここからのライヴ内容を見据えて作られたものになるわけですか?
Leo:その通りです。「ROYAL RAMPAGE」はライヴでブチあがる系の曲にしたかったし、「リアン」はライヴの最後のほうでやりたいなと思って作った曲なんですよ。
-「ROYAL RAMPAGE」は、だいぶ音も詞もアグレッシヴな雰囲気ですよね。
ROY:攻撃的だしちょっと邪悪で厳つい空気も漂ってる曲ですね。だから、この詞での僕は珍しく俺様......いや、王様になろうと思いました(笑)。
-フロントマンでいらっしゃいますから、もともと統率力はお持ちでしょうけれど、ROYさんに王様願望があったのは初めて知りましたよ。
ROY:というか、今までは別にそういう意識はなかったんです。前にライヴに来てくれた自分の母親に"ファンのみんなは、あなたの言うことに従うのねぇ。すごいじゃない"って言われて初めて"あぁ、あれって僕がみんなを従わせてることになるのか......!"って今さら気づいたんですよ。そんなわけで、この曲は、意図してみんなを従わせるような王様の僕が主役っていう斬新な詞にしていきました。曲タイトルにも、わざと自分の名前を入れたんですよ。"「ROY」AL RAMPAGE"って。
Rio:そのダブル・ミーニング、いいよね。
-ところで。ライヴを見据えての曲という面が影響しているのか、この「ROYAL RAMPAGE」はドラムの金物の音から始まりますよね。そこも斬新ではありませんか?
RYOGA:チャイナ2発から始まるのは、たしかに珍しいかもしれませんね。デモの段階から入ってたんで、あれはそのままやりました。
Leo:ライヴ感を出すという意味で、あれは必要だったんですよ。
RYOGA:あと、こっちの曲は完全にラウド寄りな音づくりですね。音数としては少ないくらいだけど、ひとつひとつの音を力強く出してます。
-かと思うと、ベースに関してはソロがあるのもこの曲の特徴ですよね。
ROY:あのソロはカッコいい!
TEIKA:まず尺自体が長いんだよ。Leoから入れてって言われて、この曲で初めて独立したベース・ソロというのをレコーディングしました。
Leo:ここでも初めての要素を入れてみたかったんですよ。TEIKAは目立つの好きな人だし(笑)、今度のツアー・ファイナルのO-EASTでこのソロを弾いたら映えるだろうなって。
TEIKA:この間初めてライヴで弾いたら思ってたより難しかったけど(苦笑)、弾き甲斐あるソロだしやってて楽しいんで、今回のツアーとかO-EASTでもこれはいいかたちでやっていけるようにしたいです。
-それから、もう1曲の「リアン」は仲間という言葉が出てくる曲となっていますから、これは零[Hz]のリアルなメンバーシップについて描いたものと解釈してよろしいですか?
ROY:そうですね。この曲はLeoからデモを貰ったときに、タイトルを決める前に歌詞を先に書きたいなと思った曲で、もともとは兄弟愛について書きたいなと思って作り出した歌詞だったんですよ。これも自分にとっては初めてのアプローチで、書いていくうちに兄弟愛だけではなくて、僕らメンバー間についても表現したものになっていきました。
TEIKA:この詞は共感できたわー。ここまでみんなで活動してきて理解し合えてきた今だからこそ、この詞がわかる! っていう感じになれた気がする。
RYOGA:自分たちのための歌っていうのは俺も感じた。曲としてもすごく好きで、ドラムも歌うように叩けたから、この曲はほんと気に入ってます。
-この曲では、ギター・ソロも聴き応えのあるものになっていますよね。
Rio:レコーディングで弾くのはちょっとめんどくさかったですけど(笑)、最終的にはとってもいいソロになりました。
Leo:このソロは、ツアー・ファイナルのO-EASTでフロントみんながROYの周りに集まってるシーンを想像しながら作ったんだよね。
Rio:あぁ、ギターはふたりで、背中合わせで弾く感じね(笑)。
-きっと胸熱な光景になるに違いありません。それに、この曲はメロディの中に漂うポップ・センスが冴えているところも実に素敵ですよ。
Leo:ポップス感はあるんですけど、ギター・ロック感もある歌モノになったかなと思います。さっきも言いましたけど、ライヴのラストあたりにやるような楽しく"聴かせる"曲で、なおかつメッセージ性を持ったものにしたかったんです。ROYもすごく温かみのあるいい歌を歌ってくれました。ここでもROYの新しい部分が見えたよね。
ROY:そうだね。いい意味でこれはヴィジュアル系っぽくない歌をかたちにできた曲かな、と思います。タイトル的に言うと絆っていう意味をフランス語で"リアン"と表したことで、表題曲の"RENDEZVOUS"と少しシンクロできたところも、シングルとしてのトータリティが出せて良かったです。
-なお、この記事が世に出る頃には、すでに"零[Hz] ONEMAN TOUR「RENDEZVOUS CHORD」"が始まっていることになりますが、零[Hz]としては1月11日に開催されるファイナルのO-EASTまでに、ライヴ・バンドとしてどのような歩み方をしていきたい、と目論んでいらっしゃいますか。
Leo:O-EASTは大きいステージですし、僕らにとってはこれまでで最大キャパの場所という意味でひとつの挑戦になるんですけど、振り返ると本当なら2020年5月14日には、自分たちで独立したタイミングでマイナビBLITZ赤坂でのワンマン("Oneman Tour -UNCONTROLLABLE DISTURBO-")をやるはずだったんですね。それがコロナの影響でなくなってしまって、当時は俺らも目標としていた夢を失って、どうしても先が見えなくなっていた時期もあったなかで、それでもここまでこの5人でずっと未来を信じてやって来たうえで臨むのが、今回のファイナルのO-EASTなんですよ。だから、自分たちにとってこれまでで最高のライヴをしたいと強く思ってますし、そんな僕たちのことをひとりでも多くの方に観に来ていただいて、成功させたうえでさらにその先に進んでいきたいと思ってます。O-EASTはひとつの目標ですけど、そこで終わるつもりはまったくありません。
RYOGA:今回のシングル『RENDEZVOUS』で表現した出会いとか絆とか、そういうものを今度はライヴの空間の中でお客さんたちと共有していきたいですね。零[Hz]とチームゼロヘルツで共に最高の空間を作っていきたいと思います。
Rio:昔、バンドを始めたての頃は、根拠もなくわけのわかんない自信を持ってたこともあったんですけど、最近はまだO-EASTなんてやったこともないのに、ここまでいろんな経験や大変だった時期とかも経てきて、そのうえで"いけるんじゃないかな"って手応えを感じてる自分がいるんですよね。今の5人なら、チームゼロヘルツのみんなとなんでも成功させられるはず! っていう気持ちが今はとにかく強いです。
TEIKA:これまでファンのみんなには前の事務所から独立するにあたって心配をかけたり、コロナでライヴができなくなって迷惑をかけちゃったりもしてきましたけど、前のLIQUIDROOMもそうだったし、今回のO-EASTにしても、俺らが大きな目標を立ててそれに向けて一生懸命進んでいくと、みんなはそのたびに必ず喜んでくれるんですよ。俺らがバンドとして成功していくことが、みんなにとっての楽しみや幸せにも繋がっていくんじゃないかって、自分は勝手に思っているところがあるので、ここはやっぱりどうやってもO-EASTはやり切りたいですし、その先に向けてもどんどん進んでいきたいなと思いますね。俺らは絶対、バンドとしてデカくなってくしかないです。
ROY:今回のツアーやO-EASTでは、もっとなりたい自分になっていきたいです。うちのメンバーはみんな僕の歌を"いい!"って褒めてくれますし、ファンのみんなも"ROYの歌がいい"、"好きだ"って言ってくれていてそこは本当に感謝しかないんですけど、自分自身ではまだ満足していないところがあるのも事実なので、そこをクリアできるようにここから自分の歌を進化させていきたいです。O-EASTはたしかに大きいステージですけど、当日は前回のLIQUIDROOMのときみたいに"いや、俺らこのくらいは全然余裕よ? むしろ似合うでしょ!"くらいのスケール感で、圧倒的なステージングをしていきたいと思ってます!