－さて、続いて『UPDRAFT』の収録曲についても聞いていきます。本作は、ガールズロックバンド革命の王道的な1曲「VOLTAGE」から幕を開けます。

ASAKA：毎回1曲目は自分たちの王道を持ってくるように決めていたんです。リード曲がこの曲なんですけど、いつもは1曲目にリード曲を入れることはなかったんですよ。だけど今回は自分たちの王道をリードにしようと思って。1曲目って全員が聴くじゃないですか（笑）。

－そうですね（笑）。そして2曲目の「RUNNERS HIGH」でさらに加速していく感じで。

JUNNA：テンポ・チェンジが激しい曲なんですけど、無茶かなと思うようなフィルインも妥協せず取り入れました。それ以外にも、前作で挑戦してなかったリズムを入れたり、ツインペダルを前回よりテクニカルにしてみたりとか、挑戦できた曲かなと思いますね。

SERINA：ベースも毎回難しいことは取り入れてやっていて、今作はスラップが入る曲が多いんです。身につけていった技術をそのままタイムリーに出すような曲にしていて、それをライヴでやって、よりうまくなれるように、挑戦的なことをいっぱいしてます。

ASAKA：ランナーズハイって、ずっと走っていたらしんどさを超えて高揚感が出るような感覚なんですけど、しんどさや乗り越える感じがリズムとか曲で表現されています。このアルバムを勢いづける、一番疾走感がある曲ですね。

－「STEP BY STEP」は、ややスロー気味に始まって、ジェットコースター的な曲展開をしていく作品のアクセントとも言える1曲に仕上がっています。

ASAKA：自分たちに向けた曲でもあり、夢を追っている人に向けても書いた曲なんですけど、一歩一歩進んでいるような感じをローテンポなリズムで表現できたなって思っています。アルバムの制作では挑戦曲というか、普段の私たちとは違う曲を入れるようにはしているんですけど、今回はこの曲がそれになるのかなと。

－特にドラムの手数の多い間奏と、そこからの裏を取る跳ねるギター、サビへのテンポ・チェンジという一連の流れが気持ち良くなっちゃいました。

ASAKA：テンポ・チェンジは前作で挑戦して、幅が広がったという感じがありました。前回は1回のテンポ・チェンジだったんですけど、"これ、何回してもいいんじゃないか？"って（笑）。で、今回は3回入れました。

JUNNA：テンポ・チェンジは、どう表現しようかな？ って楽しんでできました。"ここにこういうフィルを入れたら、勢いがついてテンポ・チェンジに持っていきやすいな"とか、"こうしたらメリハリがつきやすいかな"みたいな感じで。今までやってこなかったことができたかなと思います。

SERINA：そういうチャレンジは「RUNNERS HIGH」にもあって。前のリリースからスパンが短かったので、前作の曲と似てしまいそうになることがあったんですけど、そこでJUNNAが"こういうリズムは？"みたいに、Cメロでね？

JUNNA：シャッフル・ビートを入れたんです。今まであまり入れたことがなかったのを急に入れた感じで。

ASAKA：アバウトなイメージから作り上げてくれるので、個々の引き出しに助けてもらってます。

－4曲目の「Shout it out」は、全員の見せ場がありつつもアグレッシヴなドラムがより際立っていて、ラストを飾る「Never ending」は、冒頭からシンガロングしたくなる、作品の締めにもライヴの締めにも相応しい1曲に仕上がっています。

ASAKA：JUNNAはどんな無茶振りにも、思っているとおりかそれ以上に返してくれるのが今までの作品でわかっているので、ベースにも言えることなんですけど、すごく信頼してます。「Never ending」は、まさにそんなイメージで作りましたね。最後の曲って切なくなるような曲のイメージが自分の中にあるんです。聴かせる感じの曲って最近は作ってなかったんですけど、過去に作った「声」（『DON'T STOP』収録曲）という曲の今バージョンをイメージしました。アルバムを聴いてグッとくるような1曲になればいいなと思っています。

－ちなみに今回のアルバムでMVを撮る予定はあるんですか？

ASAKA：「VOLTAGE」はすでに撮っていて、「RUNNERS HIGH」、「STEP BY STEP」も撮ることは決まっています。前作では「GO CRAZY」という曲のMVはまだ公開していないんですけど、全曲のMVを撮っているんです。YouTubeとかで発信しないと知ってもらえないなというのがあって。だから配信は全曲でしたいなというのがあります。

－ここまでの話を踏まえて、改めて本作の手応えを聞かせていただけますか？

JUNNA：これまでの私たちと違った私たちをみなさんにお届けできたらいいなと思います。

SERINA：シンガロングの曲が多いので、ライヴが楽しみなのと、自分のベースも難しいことに挑戦したので、それをライヴで表現することも楽しみです。

ASAKA：前作はありがたいことにオリコンにランクインすることができたので、今作は前作を超えて次の目標に繋がるステップになるような作品にしたいなと思います。

－リリース直後となる4月27日には梅田CLUB QUATTROで、リリース・イベントとなる"ガールズロックバンド革命pre. 「ガルロックパーティー」 ~2nd mini Album【UPDRAFT】Release~"が予定されています。

ASAKA：今までのワンマンはこなせるかこなせないかのギリギリの箱を選んでいたんですけど、今回はかなりジャンプしたというか、大きな挑戦です。なんとしても成功させたい、成功させないとダメだなと。全国から観に来てほしいです。