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INTERVIEW

DREAM THEATER

2019.02.20UPDATE

2019年02月号掲載

DREAM THEATER

Member:John Petrucci(Gt)

Interviewer:菅谷 透

-続いて、今作全体のテーマについてうかがえますか?

テーマはないね。コンセプト・アルバムではないから、歌詞や音楽的にテーマがあるわけじゃないんだ。それぞれ個別に意図して作られているよ。

-今作のジャケット写真は、人間の頭蓋骨を持ったロボットの手という印象的なものになっています。ジャケットのテーマについても教えていただけますか?

今回もHugh Symeと組んだんだ。DREAM THEATERの素晴らしいジャケットをたくさん手掛けてくれた人で、『Octavarium』(2005年リリースの8thアルバム)や『Systematic Chaos』(2007年リリースの9thアルバム)、『Black Clouds & Silver Linings』(2009年リリースの10thアルバム)なんかも彼の作品なんだ。彼はRUSHの作品もずっと手掛けていて、俺たちもHughが大好きだからね。彼にアルバムのタイトルを教えたら、シェイクスピアの"ハムレット"に基づいたような感じのアイディアを考えてくれた。タイトルを表現した、ぴったりのジャケットだと思うよ。俺たちが旅してきた人間としての時間を表しつつ、今後どこに行くかも表しているような気がするんだ。

-ありがとうございます。ここからはいくつか曲について質問させてください。「Untethered Angel」は不穏なアルペジオから始まり、リフからヴォーカル、ソロに至るまでダークな緊張感に満ちた楽曲です。この曲のテーマについてうかがえますか?

君が"Untethered"をちゃんと発音できていて良かったよ。俺はその言葉の響きが大好きなんだ。英語が第一言語ではない人たちにとっては発音するのが難しい単語なんじゃないかなって思っていたけど(笑)。とにかくその響きが好きなんだよね、意味というよりも。あの曲を書くに当たってのアイディアは......始まりは君も言ったようにすごく不穏な感じで、DREAM THEATERらしい要素がいろいろと詰まっている。ギターとキーボードのソロの掛け合い、ヘヴィなリフ、インストゥルメンタルのセクション......。とにかくDREAM THEATERの真髄を表すようなものにしたかった。あの曲が聴こえてきたら一発で"ワオ、DREAM THEATERだ"ってわかるようなものにね。そういう形でアルバムを始めるのがとても重要だと考えたんだ。オープニング・トラックにしようと思ったのは、ほとんど初めからだったね。あの曲は4番目に書いた曲だったけど、これはすごいオープニング・トラックになるなという確信があった。

-「Untethered Angel」がアルバムからの1stシングルとしてリリースされたのもそういう理由でしょうか。

そのとおり。DREAM THEATERがどんな音楽をやるのかというのが本当によく表れていると思うしね。ムード、プログレッシヴな特質、リフ......何もかも俺たちのスタイルを全体的に表しているんだ。この1曲でね。

-「Fall Into The Light」は前半のアグレッシヴで切れ味鋭いリフと、中盤のアコースティック・ギターを絡めた叙情的なフレーズの対比が印象的でした。どのような意図を持って制作しましたか?

そう、あの曲はすごくヘヴィに始まるよね。METALLICAの影響を受けたような感じのギター・リフがあって(笑)。アグレッシヴで速い感じだけど......しばらく前に自宅で書いたアイディアがあってさ。"マカロニ・ウェスタン"に近いアイディアだったんだ。ヘヴィなリフを聴いたあとでメロウなセクションを真ん中に持ってくるのもどうかという考えもあるとは思うけど、俺はやらずにいられなかった。そうした方が曲に面白味が出ると思ってね。それで、曲を書いている途中でみんなに"なぁ、ひとつ考えがあるんだけど"と言ったんだ。みんなあのヘヴィなリフの雰囲気を曲の中で貫きたいと思ってたみたいだったからね。"とにかくやってみよう。みんなは気に入らないかもしれないけど、ブレイクのところからもっとオーケストラ的な感じに持っていこうと思うんだけど。Ennio Morricone(※マカロニ・ウェスタンの映画音楽を多数手掛けた作曲家)に近い感じで"ってね。それが最終的にとてもうまくいったんだ。曲の面白味が増したと思うよ。

-「Room 137」はドラマーのMikeが詞を提供したようですね。彼の手掛けた歌詞はいかがでしたか?

素晴らしい仕事をしてくれたと思うよ。面白い話があってさ。あの曲を最初に書き始めたときはMikeとテンポの話をしていたんだ。あいつはBPM137の曲を作るなんて言っていた。

-なるほど、それでこのタイトルになったんですね!

そう。そうやって始まったんだ。それからあいつはその数字がどうして重要なのかって話をしだした。あいつの作ったストーリーでは、137という数字にとらわれている物理学者がいて、科学や宇宙の中でなぜかその数字に縁がある。その数字にとらわれてクレイジーになってしまったその学者は、最終的にはカルトに入信して、病院の137号室で死んでしまう。そういう恐ろしいストーリーをあいつは考えていたんだ。で、ある日俺のところにメールが来て"歌詞を書いたんだ。使っても使わなくてもいいけど読んでくれ"みたいな感じに書いてあった。歌詞を読んだらすごくいいと思ったから採用したんだ(笑)。あいつはDREAM THEATERに入って8年になるけど、初めて歌詞を書いた。すごくクールなことだと思う。

-Mikeは今までも歌詞を書いていたわけではなかったんですね。

そう、初めて書いて持ってきたんだ。というか書こうとも思っていなかったかもしれないね。今回はあいつ自身がすごくクールだと思ったトピックがあったから書いてくれたんだ。すごくうまくいったと思うし、俺もとても気に入っているよ。