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INTERVIEW

Aldious

2018.11.23UPDATE

2018年12月号掲載

Aldious

Member:Re:NO(Vo) Yoshi(Gt) トキ(Gt) サワ(Ba) Marina(Dr)

Interviewer:米沢 彰

Aldiousらしい王道なのに新鮮さがあるみたいな、新しい仕上がりになりました


-現代の良き指導者って感じですね。楽曲の話に入っていきたいのですが、オープニング・トラックとなる「Monster」はミュージック・ビデオも制作されたということで、今作の看板的な曲になるのかなと思うのですが、実際のところはどういった位置づけなのでしょうか?

Yoshi:そうですね。王道のヘヴィ・メタル曲を入れようということで私が作曲した曲です。選曲会に4~6曲くらい持ってきても、これはいつもなんですけど、自信作が採用されないんですよ。"微妙かもしれないな"っていう曲を聴いてもらったら"これいいんじゃない"って採用されることが多くて。ほかのアーティストさんでも結構そうみたいなんですよね。サザンオールスターズとかでも、イマイチだと思った曲がすごい売れるとかあるみたいで。これが客観的に聴いたときのAldiousの王道なんだなっていうのは改めて思いました。

-テンポ感も曲調も、アグレッシヴなトラックを最初に聴かせようというスタンスも、個人的には最高です。しかも英詞から始まるところが、楽曲の位置づけとしても面白いですよね。

Re:NO:今までは英詞が多く入る曲ってあんまりなかったんです。英詞になるとスピード感が違うんですよ。日本語だとひとつの音に頑張っても1、2文字しか入らないけど、英詞になることで文字数が詰まってくるのでスピード感が出て、今風な感じになったなと思います。

-印象が違うというか、個人的には洋楽で育ったので逆に聴きやすい感じもありました。

Re:NO:英詞で作ろうというわけではなかったんですけど、結果的に英詞でできあがったものを聴いてみたら、Aldiousらしい王道なのに新鮮さがあるみたいな新しい仕上がりになりました。

-英詞が新鮮に感じさせますよね。この曲はツインでのギター・ソロもあって、ギターが引っ張っていく曲になっていますけど、作曲はYoshiさんですし、ギター・リフありきで作られていった曲なのでしょうか?

Yoshi:作曲するときはいつもなんですけど、ギターを持ってなんとなくアドリブで弾いていく感じなんですよ。イントロからAメロ、Bメロ、サビってアドリブで作り上げていく感じですね。

-頭で鳴っているものを出すというよりも、身体が勝手に出した音を採用していくみたいな感じなんですね。曲としてはギターがフィーチャーされている曲だと思いました。

Yoshi:ギターから作っていっているので、やはりそういうふうになりますね。

-ヴォーカル・ワークとしては、力強いパートと、弱く儚いパートとが混ざり合っていますよね。

Re:NO:そうですね。Bメロが儚い感じになっていていいなと思っています。

-力は強いけど内面の弱いモンスターのような二面性というか、物語性が音楽の中ですごく表現されているように感じました。どういったイメージでヴォーカル・ワークを作り上げたのでしょうか?

Re:NO:そんなに力まずに、ありのまま、歌詞のままに歌いました。Bメロも歌詞に沿った歌い方になっています。サビは日本語詞なんですけど、そんなに力強く歌ったイメージはないんです。ただ曲自体は強い曲なので、"こんなに激しい感じでくるんだったら一発目が日本語だったら負けるな"って思って、英詞にしたというのもあります。去年から狂ったようにツアーを回って、狂ったように曲を作って、"このままじゃ本当に狂ったモンスターじゃないかしら"っていう感じだったんですけど、正直しんどい部分はありつつ、"それでもやっていかないといけない、もうモンスターになってしまったんだ"という意味の歌詞になっていますね。

-続く「BLOWS」ですが、ミニ・アルバムのタイトル"ALL BROSE"とスペル違いの楽曲になっているので、何か深い意味があるのかと思いましたが、意図などはあるのでしょうか?

Re:NO:「BLOWS」はトキが作曲した曲なんですけど、デモを貰ったときにテーブルに青い薔薇を置いていたんです。ちょうどそのときに、トキと歌詞のイメージを電話で話していたら"任せるよ"って言ってくれたんですけど、その青い薔薇が自分の中で気になって、調べたら花言葉が"不可能"だったんですよ。自然に作れない色だから"不可能"っていうあまり良くない意味だったんですけど、それが作れるようになって"不可能を可能にする"っていう意味合いに変わったんですね。それって素晴らしいことだと思って、"BLUE"と"ROSE"を短縮して"BROSE"っていう言葉が生まれました。"ALL BROSE"には"みんながみんな不可能を可能にできるように"っていう意味を込めてます。あと、"ブロー"ってほかに意味があるんじゃないかと思って調べたら"BLOW"には"打撃"って意味があったので、"打撃に耐えていくだけ"っていう前向きな歌詞にしています。

-ギターのカッティングのアプローチや曲全体の構成が、今までの曲と比べても異色だなと感じました。どのような経緯でできた曲なのでしょうか?

トキ:ギターのカッティングのフレーズを入れた曲を作りたくて、生まれた曲が「BLOWS」なんです。いつものBPM180とか200のテンポだと、カッティングを入れるには速さ的に限界があるので、わりとゆったりした曲にしました。そんなに速くない感じで、且つRe:NOのヴォーカルが生きるような曲にしたいと思って作りましたね。選曲会のときに何曲か持ってきたんですけど、一番思い入れのある曲が採用されました。歌詞については、"この曲を聴いて思ったことを歌詞にしてほしい"ってRe:NOに電話して言ったら、先ほどの青い薔薇の話であったようにすごくいい意味の歌詞になったんですけど。

Re:NO:その電話から1時間後くらいに"できた!"って連絡して。

トキ:それがめっちゃ早くて(笑)。歌詞が"午前0時の感情は"から始まるんですけど、実際に午前0時に電話してたから本当に"午前0時"から書き始めて、それから1時ぐらいに"できた"って言われたんですよ。"早すぎない!?"って思って(笑)。Re:NOの書く歌詞は、きれいな言葉だけ並べるような感じではなく、自分の中身を抉りながら書いているような生々しさが好きで、そうして書き上げてくれた歌詞がしっくりきました。

Re:NO:リアルなことしか書けないんです。

トキ:歌詞はさくっと決まって、曲も私の中で完成系のイメージがあったので、リズム隊にもそれを伝えてイメージどおりの曲になったかなって思います。

-カッティングのボリューム感が絶妙ですよね。

トキ:そうですね、うるさすぎない感じで。

Re:NO:この曲は本当にヴォーカル殺しの曲なんですよ(笑)。1番のサビのあとにギター・ソロがあって、2番があって、普通はそこで終わるじゃないですか? でもこの曲は転調が来るんですよ。Dメロが入ってくるので"これはこれはトキ様......"って(笑)。