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INTERVIEW

ROACH

2015.08.17UPDATE

2015年08月号掲載

ROACH

Member:taama (Vo) くぼっち (Gt) 勝也 (Ba) Daisuke (Dr)

Interviewer:荒金 良介

-僕も今作を聴く前は同期をさらに取り入れて、コテコテギラギラのサウンドで勝負してくるのかと思ってたんですよ。

くぼっち:もともとはそういう予定だったんですよ。

taama:そのテイストでむちゃくちゃやろうぜ!って。

勝也:そのときはカオスでしたね。でも得意な方向じゃなかったのかなと。頑張ってる感が出てました(笑)。さっきも話に出た"TRIANGLE'15"ツアーでは同期を使ってるバンドがいなくて、個人的に覆された感があったんですよ。同期を入れてないバンドでもパワーがあるし、演奏にも感動しましたからね。

-なるほど。特に前半の4曲目までは音数やアプローチはかなりシンプルですよね?

くぼっち:そのイメージは完全に沖縄なんですよ。沖縄でずっと米兵の前でやってるときに、アメリカ人も日本人も混ざって、国を飛び越えてみんながノってるから。誰が聴いても、ワーッ!と拳を突き上げられる感じにしたくて。それをイメージしてリフを作ったんですよ。

Daisuke:ハードロックだよ。僕らMETALLICAのカバーもやってたんですよ。最近というより、昔のハードロックでめちゃくちゃ盛り上がってましたからね。

taama:RAMMSTEIN、HATEBREED、KILLSWITCH ENGAGE......でもMETALLICAのときの爆発力は半端じゃなかったです。

-「Enter Sandman」(1991年リリースの5thアルバム『Metallica』収録曲)ですか?

taama:まさにそうです! マイクいらないぐらいみんな歌ってるから。 Daisuke:基地のフェスでも先輩バンドがPINK FLOYDのカバーをやると、1番盛り上がってましたからね。その時代のバンドのテンポ感や空気はあるかもしれない。例えばスタジアムで何万人も手を挙げるイメージと言って、作った曲もあったしね。

taama:仮タイトルが"BON JOVI"の曲もあったもんね。

Daisuke:ちなみに「HIGH FIVE!!」は、"RAMMSTEIN"という仮タイトルでした。

taama:ははははは(笑)。

Daisuke:その曲も歌が入ったら、ポップになったんですよ。まあ、みんなで歌ってノリやすいテンポ感の曲も欲しいなと。

taama:「Enter Sandman」のリフも歌えるじゃないですか。リフも歌えた方がいいなと前から話してたんですよ。そういえば、ガキのころは歌っていたなあと思って。

くぼっち:勝手にアメリカン・ロックやスタジアム・ロックをイメージしました。ああいう人たちのテンポ感はキャッチーだから。

-AC/DCもシンプルなリフだけで、十分にノれますからね。

taama:KORNもそうですよね。あっ、こんなにテンポ遅いんだと思って。

-そういう曲にトライしても、ROACH節になってるところが今作の素晴らしさですよ。もはや"メタルコアのROACH"という説明は必要ないなと。

taama:そういう反応をもらえると、嬉しいですね。

くぼっち:うん、本当にセルフ・タイトルがハマりましたね。

taama:"セルフ・タイトルで大丈夫なの?"と、知り合いからおどされたことがあったんですよ。これでこけたら、かっこ悪いじゃないですか。それでちょっと考えようと思ったけど、"あれっ、これでセルフ・タイトルをやめてしまったら、作る前から妥協した作品を作ることに向かってしまうんじゃないか"って思って。だから、気にはなりつつもこのまま突っ走ってやろうと決めました。結果良かったですね。

-あと、今作の中ではTrack.3「FIGHT IN TOKYO」は1番ポップですね。

taama:曲名も良くないですか? 東京で闘ってるし、そういう曲を作りたいなと。

-過去に"OKINAMERICA"というアルバム名まで出したバンドが、"TOKYO"という言葉を曲名に入れることに抵抗はなかったですか?

taama:結局、田舎者が東京で闘ってる歌ですからね。"FIGHT IN TOKYO"と言ったら、世界の人にも通じるじゃないですか、日本だなって。

-曲名に"TOKYO"という言葉を入れたのは初ですよね?

taama:今は東京に住んでるけど、引っ越しもしてなくて、気づいたら東京に住んでたんですよ。なんだろ、海外行って、パスポート捨てさせられたような感覚かな。東京にいたら、沖縄に帰りたい。沖縄にいたら、早くツアーに出たい。東京に出てきたころ田舎者だから、大変でしたね。だから、ウチらと同じようにいきなりポンと出てきた人たちは大変だろうなと。流されてしまったり、自分を見失うのは簡単な場所ですからね。それで闘うという言葉を掲げて、人と人を繋げていけたらいいなと。

-それはROACH自身が東京という場所にようやく足を着けられたからこそ、こういう曲が生まれてきたんでしょうね。

taama:そうかもしれない。後輩を見ても大変だなと思うこともあるし、もがいてる人たちに届けばいいですね。やっぱり東京はめちゃくちゃ住みやすいんですよ。みんな東京の人は冷たいというけど、別に冷たくないし、東京もいいところだなと。その良さを感じる前に孤独を感じてしまったら、つらいだろうから。それに歯止めをかけられたらいいですね。