－NoisyCellって激しい曲だけでなく、哀愁深いバラードやミドルテンポの楽曲も魅力的じゃないですか。いろいろなタイプの楽曲が魅力的なので、バランスよく楽曲を配置するという選択肢もあるなかで、あえて頭に激しい4曲を立て続けに並べたのは、こだわりなんだろうと思いました。

Ryo：そうですね、激しいパートが立て続けに並んでいて、1回ピークを迎えて、そこからメロウな激しさに変わって、最後にバラードがあってと、3つのパートで構成されています。そういうふうにまとめた方が聴きやすいかなって思って。
Ryosuke：ライヴのセットリストを決める感覚にも近いなと思っています。俺たちのライヴではメロディを活かして、歌の良さを伝えていきたいので、このアルバムも最後はバラードで終わらせるようにしています。最初は激しいんですけど、聴き終わったあとにメロディの良さが残るというか、全部聴き通したあとにそういう印象が残るような流れができたと思います。

－先ほどの喜怒哀楽の話でいうと4つの感情のなかでも"怒"と"哀"って極端な感情じゃないですか。それが曲順や構成にも表れてますよね。Track.1の冒頭、第一声が強烈なスクリームというのは、リスナーにおもねってないなと。"これでダメなら聴かなくてもいいよ"ぐらいな（笑）。

Kiyoshi：それはありますね（笑）。
Ryo：Track.1の冒頭スクリームする前にびっくりしないように息継ぎは入れてあるんです、ボリュームもすごく上げてあります（笑）。

－はい、気づきましたよ（笑）。

Ryosuke：ただ俺たちが目指してるもの自体はグレー・ゾーンなのかなと。エッジが効いてるって意味では白黒はっきりしているのかもしれないけど、ラウドの曲もラウドにいきすぎることなく、歌もちゃんと活きていて。俺はJ-POPとか聴いて育ってきたし、それがラウドな曲と混ざったときに両者がせめぎ合って、結果グレー・ゾーンに落ち着くっていうか。そういう感覚は曲ごとにありますね。

－話は変わりますが、前作リリース以降積極的に対バンしたり、HOOBASTANKやONE OK ROCKというシーンのトップ・バンドの胸を借りたりと、たくさんの経験を得ましたがそういった点は制作に影響を与えましたか？

Ryo：ONE OK ROCKのライヴを観て、ああいう高揚感というか沸かせ方ができるような曲を作りたいっていう刺激を受けましたね。
Kiyoshi：HOOBASTANKは自分がキッズのときに聴いていたんで、一緒のステージに立てるってわかったときは夢のようだと感動しました。ただ実際に共演してみて、経験値もまったく違うししょうがないのかもしれないけど、レベルの違いを感じて悔しい気持ちになりましたね。そういう偉大なアーティストと共演することで、自分のレベルアップに繋がりましたし、次は絶対勝ちたいという気持ちを抱きましたね。
Ryosuke：出演できたこと自体はものすごく楽しかったんですけど、HOOBASTANKとONE OK ROCKだけをお客さんは観に来てるんだと思うと悔しかったですね。でもこのお客さんたちがみんな自分たちを観てくれているって、なんてすごいことなんだろうって感じました。自分を高めて行こう、歌を洗練させて行こうって思うきっかけになりましたね。でも楽しかったし、やれてよかった。バンドにとって大きな糧になりましたね。

－プロデューサーを務めるPABLOさんとの出会いについて教えてください。

Ryo：PABLOさんがプロデュース業に興味があると聞いてたし、僕らも自分たちだけではできないこともあったので、そういう意味でお互いにタイミングが合ったという感じで一緒にやることになりました。
Ryosuke：最初は俺らのライヴに観に来てくれて、そのあと打ち上げで挨拶させていただいて、そのまま"家に来なよ！"って。それがそのままプリプロの初日って感じでした（笑）。それからいつの間にか一緒にやってました（笑）。
Kiyoshi：今ではPABLOさんはバンドにとっての兄貴的な存在ですね。

－あなた方からあまり日本のラウド系バンドからの影響を感じないんですけど、PTPとは通じる部分を感じます。

Ryosuke：PTPは大好きですね。洋楽志向って部分でも通じてるのかもしれません。
Ryo：PTPの影響はかなり大きいですね。ヴォーカルのKさんはGUNDOGのころから好きだったんで、その流れでPTPも知りました。ラウドロックを漁ってたころ1番好きだったので、そこから楽曲も影響を受けていったぐらい好きですね。

－PABLOさんと聴いてる音楽のルーツも近いんじゃないですか？

Ryo：う～ん、僕らが好きなバンドよりもう少し昔のバンドですかね。

－以前激ロックのDJパーティに出演してもらったときにかけていた曲はNu-Metalが多かったですね。

Ryosuke：Twitterで激ロックのセットリストを公開してたんで見ましたけど、俺はほぼ全部知らないアーティストでした。
Kiyoshi：僕はわりとPABLOさんと趣味が近いんでわかりましたね。KORNとか好きだったんで。よくプリプロの帰りにPABLOさんを車に乗せて帰ってたんですけど"いやぁ、やっぱグランジ世代のバンドはこうだよね！"とかいろいろ話してくれました。本当に幅広く聴いていて、最近ディスコ系を聴いてるって言ってましたし......。僕は80年代のハードロックやLAメタルから聴き始めて、逆に最近のものはあまり聴いてないのですごく勉強になりますね。