INTERVIEW
ANGRY FROG REBIRTH
2015.03.24UPDATE
2015年04月号掲載
Member:池田 直樹(Vo/Gt) U(Vo) roku(Ba) ミヤチ(Gt) 横珍(Dr)
Interviewer:荒金 良介
-なぜそこに目が向いたんですか?
池田:単純にやりたかったんですよ。常に曲は作り続けているけど、今回はツアーを回る中でできた曲ですからね。特に狙いもなく、こういう曲をやりたくなった。まあ、対バンしたバンドにも影響を受けてるとは思いますね。"あっ、こういう曲を作りたい""ああいう曲も面白そうだな"って。
U:自分は一音入魂というか。歌うフレーズは多くないけど、サビに向かってシャウトで背中を押せるように意識しました。
roku:言葉で表現するのは難しいけど、いい意味で何も考えずに録りまで行けたんですよ。ツアーを回って得たものを、そのままアウトプットできた気がしますね。対バンの影響やその日の出来事、バンドをやるってどういうこと?みたいなことまで無意識に考えるようになったし。久々に炊飯器を持って、楽屋で炊くような生活もすると、それを別に音で表現するというより、ただベースを弾きましたという感覚の方が近くて。余計なことを考えなかったんですよね。
ミヤチ:僕も池やん(池田)が書いた曲にどんなものをブッ込めるかなと。悩みながらも、楽しんで作れましたね。
-2曲ともライヴ感はありつつも、これまでになくエモーショナルで人間臭いメロディになってますね。いかがですか?
池田:どうだろう、質が変わってきたのかなあ。昔の曲と比べても、クオリティは良くなってると思います。エモいかどうかは聴く人によって違うだろうけど、俺も今までの中で1番エモいと思ってます。「LOVE YOU」はわかりやすいけど、「僕だけがいない街」は聴く人によって"?"と思うかもしれない。だけど、僕はどちらもエモいと思います。
-2曲ともほぼ英語詞というのも今作の特徴ですよね。
池田:歌詞で何かを伝えるというより、さっきも言いましたけど、エモさは出したかったんですよ。今回のジャケを見ながら曲を聴いたときに、想像が膨らむような作りにしたくて。「LOVE YOU」って主語がないじゃないですか。それは何に対しての"LOVE YOU"なのか、考えて欲しくて。ひとつの提示をしたいときは日本語で書くけど、英語のときは聴く側の想像が膨らむような仕掛けをしたくて。お金を握りしめた大人が、子供のために買ってあげようと思ってるオモチャはなぜハートの形で泣いてたり、表情があるのかなって。
-そういう意味でも英語詞はポイントですよね。2曲ともまずメロディが胸に突き刺さってくて、それからいろいろイメージが膨らんできます。
池田:英語は意味がわからないからこそ、耳にふと入った英語でものすごく想像力が膨らむじゃないですか。英語がわからない日本人にとって、そこも英語曲の魅力なのかなって。
-それはすごくわかります。そして、2曲とも"LOVE"という言葉が歌詞に入ってますね。
池田:"LOVE YOU"は私があなたを好きというより、漠然と"みんながあなたのことを好きなんだよ"という意味なんですよ。"あなたを囲んでいる人たち全員からLOVEはあるんだよ"と言いたくて。自分たちがそうなんですよ。所属事務所のスタッフ、周りにいるバンドマン、お客さん......僕たちが動くことで、その周りにたくさん愛があるなと感じるんですよね。それは僕たちだけじゃなく、みんなもそうだよって。それで主語がない"LOVE YOU"という言葉を使ったんです。
-なるほど。
池田 愛って、なかなか気づかない部分だと思うんですよ。何かをしてもらうことに慣れてしまうと、それが当たり前になるじゃないですか。最初は"ありがとね"と言っていたのに、やってくれなくなると、"何だよ?"となってしまう。このツアーを通して、自分がそういう場面に遭遇したから、そういう気持ちを忘れちゃいけないなと。そのためにもこういう曲を作りました。ツアー中でなければできなかった曲ですね。感謝の気持ちを大切にしたいなと。
-最後に、5月の東名阪ファイナル・シリーズの初ワンマンに向けての意気込みを聞かせてください。
池田:このメンバーで全曲覚え直さなきゃいけなくて、僕自身もずっとやってない曲もあるし、それもすごくいい機会だなと。第2期と言ってますけど、イチからバンドを立ち上げたぐらいの気持ちがあるんですよ。ファイナルの3本はある意味始まりですね。その日は多分、全曲やると思います!